外猫のクロが居なくなった。

それが判明したのは隣の家の住み込みの庭師が赤ん坊の猫を持って来て、もう一匹居たといって言って、我が家の敷地に置いて行った時だ。

クロは妊娠中だった。

そして、クロは猫なので、人間の様に新生児をコインロッカーに捨てるようなことは決してしない。

ということはまた性懲りもなく野良猫狩りに捕まったのだ。

その都度ここで報告したが、捕まるのはこれで3度目だ。

しかし、死ぬほど怖い目にあったはずなのに、再度捕まるというのが信じられない。

ひょっとすると2度も脱走に成功しているので、相手をなめていたのかもしれない。

初回は帰って来るのに1か月以上かかった。

それはそうだ。

行ったこともない所から帰ってきたということが奇跡に近い。

恐るべき帰巣本能というしかない。

2回目は道を覚えていたのだろう。

1日で帰ってきた。

仏の顔も3度までという言葉もあるので、今度も市の委託業者がしくじってくれることを期待するしかない。

しかし、帰ってこなかった。

業者側の3度目の正直が勝ったようだ。

 

翌日に車庫を見るとクロと同じ黒白の猫が段ボール箱の中で鳴いていた。

いきさつは知らないが、きっと隣の家の敷地で出産して、それをうちのメイドに引き渡したのだろう。

前日クロを見たときはまだ臨月腹を抱えていたので、出産直後だと思われる。

ほやほやの新生児を親の代わりに育てる自身など全くない。

前回のように1日で帰ってくるのに期待してそのままにしておいたが、期待は裏切られた。

子猫たちは当然死んだ、可哀そうだが、これも運命と諦めてもらうしかない。

 

クロはもうすっかりうちに居ついていて、外猫とはいえ、我が家の敷地に住んでいる猫だ。

我が家に当時の外猫だったマイケルの餌を食べに来ても、あたしらの姿を見ると逃げていた。

それが段々と警戒を解いていって、今ではいつもすりすりしてくるほど懐いていた。

お散歩の時も必ずと言っていいほどあたしが座っている椅子の所に来て、あたしに撫でてもらっていた。

可愛いクロ。

うちに8匹も内猫がいなければ我が家で飼えたのだが、、、、

やすらかに眠ってくれ。