猫にも相性がある。

猫たちが皆仲良しだととても嬉しいのだが、さすがにそれは高望みだ。

我が家には8匹の内猫と2匹の外猫が居るのだが、仲良しというのは少なくて、不仲は結構ある。

今回はそれについて紹介しよう。

 

エンジェルは特に仲良しはいない。

自分から好意を持って他の猫に寄っていくということがまずない。

いつも集団から外れたところにいることが多い。

ただし、相手から寄ってくるのを嫌がるということもあまりない。

積極的に虐めるのはコミだ。

以前よりは頻度が大きく下がったが、相変わらずコミを目の敵にしている。

今でも日に何度かはコミのために追い払ってやっている。

外猫のクロやコトとも仲が悪い。

以前は散歩のたびにちょっかいをだしていたが、最近は慣れてきたのか構わなくなってきた。

最近少し大人になってきたコトがエンジェルにちょっかいを出すようになった。

コトは成長が遅いとはいえオスだ。

さすがに今はエンジェルの方が劣勢だ。

アンヘロはエンジェルとほぼ同じ時に我が家に来た同期の年長さんだ。

アンヘロはたまにエンジェルの傍に寄って来て仲良くしていることがある。

以前はよく舐めてやっては猫パンチを食らっていた。

最初は気持ちよさそうにしているのだが、アンヘロは異常にしつこいので、最後はパンチで終わるのだ。

あたし膝や脛を舐める時も最後はひりひり痛み出して、あたしの方から逃げる。

以前は「えっ、なんで?」という顔をしていたが、さすがに多くの経験を通して学んだようで、最近はしつこく舐めるのは止めにした。

アンヘロの方から寄って来る分には嫌がらない。

 

アンヘロはエンジェル以外にもミケと仲がいい。

ミケもたまに舐めてやっているし、そばにいることが多い。

ミケも嫌がらない。

マリオとは仲が悪くてよく虐めている。

トビはすっかり体が大きくなったせいか、虐めなくなった。

逆にトビの方からちょっかいを出してくることもある。

何故かコミは嫌いではないようで、まったく構おうとしない。

いじめられっ子だった故アンジェリカとは滅茶苦茶に仲が悪かったのだが、この辺は不思議だ。

スティーブはアンヘロを怖がっている。

お散歩帰りや猫上げでアンヘロが入ってくると、必ずベッドやソファーの下に逃げ込む。

アンヘロは特定の誰かを虐めるというよりは機嫌が悪い時にたまたま目の前にいる猫を攻撃するという悪癖がある。

要するに八つ当たりだ。

 

スティーブはおとなしく気弱な猫だ。

誰も攻撃することはない。

逆に他の猫に寄って行くということもない。

他の猫が寄って来るということもないので、結構孤独かもしれない。

でも、最近はベッドではマリオとあたしの右脇の場所を分けあって寝ていることがある。

まずはスティーブが来て、スティーブが退くとマリオが来る。

そしてスティーブが戻って来てもマリオは退かないので、空いたところに陣取るのだ。

結果としてマリオと隣り合って寝ることになる。

マリオはそのうち去るので、それを知っているのかもしれない。

 

ミケも自分からほかの猫に寄って行くことは少ない。

が、アンヘロとは仲がいい。

家でもよく隣り合わせで寝ている。

散歩中は結構他の猫の後をついてゆく。

中型犬が散歩していても後をついてゆく。

ただし、好意や興味があるというよりは、異種格闘技を挑もうかという雰囲気だ。

やたらと気が強い猫でもある。

今はエンジェルの何倍もコミを虐めている。

たまに隠れ場所のソファーの下から追い出すの成功すると、猛烈に攻撃している。

 

マリオはおとなしい猫だ。

人間には人見知りしない。

他所猫を追いかけはしても、攻撃はしない。

アンヘロに虐められても怖い顔をしてにらみつけるだけで、戦おうとはしない。

お散歩の時は平気で後をついてゆくこともある。

アンジェラに挑発されても決して追いかけることはしない。

自分が行きたい場所に先客がいると必ず行くのを我慢する。

平和主義者の猫なのだ。

 

アンジェラも自分から他の猫に好意を持って寄ってゆくことはまずない。

逆に敵意を持って寄って行くことはある。

故アンジェリカのようにいきなり猫パンチを見舞うということもやる。

そして、アンジェリカと同じで、その後は戦うのではなくひたすら逃げるのだ。

体がやたらと小さい猫なので、ヒットアンドアウェーに徹しているのだ。

ただ、小さい分俊敏で、小回りが利く。

逃げ足にも自信を持っている。

特に誰ということなく結構誰にでもちょっかいを出している。

ただし、最近何カ所か毛がごっそり抜けている。

おそらくアンヘロに捕まったのだろう。

アンヘロは年齢とコロコロしたお腹に似合わず動きが速いのだ。

我が家では最も運動能力が高いと思う。

家の中でも階段を疾風のごとく駆け上がり、カーブでは車のようにパワードリフトしている。

車は道路にタイヤの跡をつけるが、アンヘロも我が家の廊下に傷跡を残してくれる。

アンジェラはコミとは敵対していない。

なので、猫上げの後アンジェラひとりが食事のために残っていても、コミは平気で出てくる。

マリオとは仲が悪い。

マリオが夜デスクの上で寝ていると、わざわざ近くのプリンターの上に陣取って、うーうーと唸って威嚇する。

嫌いなら寄ってこなければよいのに、不思議な猫だ。

 

トビは結構猫同士でも社交的だ。

誰彼構わず鼻ツンの挨拶をする。

人間のあたしにもする。

他所猫や外猫に対してやるのは普通だろうが、毎日ずっと一緒に居る同居猫やあたしにもやるのは謎だ。

最近は他所猫の後を追いかけることがあるが、これはアンヘロのようにけんかをするためではなく、よその家に入る口実にしている感じだ。

アンヘロとは最近たまにいさかいを起こしているが、けんかはしない。

この二人が戦えばひどいことになるだろう。

本人たちも分かっているようだ。

 

コミはやたらと臆病な猫で、いじめられっ子だ。

誰とも仲は良くない。

アンジェるとミケには思い切り嫌われている。

もちろん自分から攻撃することはないが、相手に対して「あんた嫌いや!」という雰囲気を思い切り放射している感じもする。

母親の外猫クロにも猛烈に嫌われている。

ただ、これはクロが悪い。

子別れの時にしっかりけじめをつけておくべきなのに、自分のえさ場である我が家に入れてしまったのが母親としての怠慢だと思う。

 

我が家の猫たちはもう少し仲良しでも良いと思うのだが、そこは当人たちの相性ということで、こちらは見守るしかないのだろう。

これから少しずつでも仲良くなって欲しい。