今回は新入り外猫のコミを紹介しよう。

子猫の三毛なので嫁はんにはリトルミケと呼んでいた。

直接話しかける時にはその日本語訳でコミケと呼んでいた。

しかし、我が家のミケさんが混乱するといけないので、その後コミとかコミちゃんと呼ぶようになった。

子猫の時に小が付く名前を付けたが、その後大きくなって公開すると言うケースもあるが、その場合は嫁はんが付けたメリアンに乗り換えればよい。

 

コミはクロの子供だ。

以前一度だけクロが口に咥えて我が家に連れて来たあの猫だ。

当時はまだ全体に灰色っぽくて毛色がはっきりしなかったが、三毛猫であることは解った。

その後我が家にはまったく顔を見せなかったが、ある日やって来た。

痩せてはいなかったので、ちゃんと食事を貰える家を見つけていたのだろう。

初日はさすがに様子をうかがうだけでうちの敷地には入って来なかったが、数日後入って来た。

以前来た時のことを覚えているとも思えあないが、最初から人懐こかった。

きっと工事現場の人たちか、ご飯を貰っていた他所の家でかわいがってもらったのだろう。

クロの他の子供と思しき猫は一匹だけ見かけた。

同じ年恰好のキジ猫だ。

父親は間違いなくマイケルだろう。

この子は一度だけ門の前まで来たが、それきり訪ねて来ない。

母親のクロに阻止されたのかもしれない。

きっとどこかの家で無事飼われているのだろう。

 

あたしはかわいくない子猫など見たことはない。

これが猫がここまで勢力を広げた大元の原動力だ。

コミも当然可愛い。

模様のせいで前髪で片目が隠れているように見えるのが残念だが、とにかくやたらとなつっこい。

あたしの顔を見ると駆け寄って来て膝に飛び乗る猫がかわいくないはずがない。

撫でてやったり首の周りを掻いてやったりすると喉を鳴らして思いっきり喜ぶ。

キャットフードも喜んで食べる、

既にクロのために外に出してあってもまずはあたしに挨拶しに来るのが嬉しい。

しかし、そこにはクロと言う大敵が居る。

母猫は故別れの際思いっきり攻撃して子猫を自分のテリトリーから追い払うという、

クロは最初は追い払ったり放っておいたりしていたが、最近は必ず追い払う。

子猫が居るというのに我が家に居る時間が物凄く長い。

本当に世話をしているのか不安だったが、子猫たちが無事なことは大声で鳴くので解った。

しかし、大声で鳴いても平気で放っておいたりしている。

子猫は普通人間には無音の高周波鳴きで母親を呼ぶものだが、これだけ大声を出すということはよほどお腹が空いてるのだろう。

あたしがアンヘロを拾って来た時のことを思い出す。

心配だ。

 

盛りが付いてしまったのでそちらが優先されているのか、それともコミに大事な餌場を奪われないようにしているのかもしれない。

以前にも増してあたしに甘えて来るので、ひょっとすると「所有物」であるあたしを守っているのかもしれない。

最近は膝に乗っている時にクロがやって来ると大声で威嚇したりしているが、結局逃げて行く。

 

コミは既に生後六か月になった。

クロの轍を踏まないように今月中に避妊手術を受けさせる予定だ。

歩く生殖器マイケルにやたらとすり寄って行くのが心配だ。

さすがに極悪非道のマイケルも子猫と言うことで今のところは手を出してはいないのが救いだ。

手術後のケアをどうしようか悩ましい。

コミは今でもドアを開けている時にちょっと目を離すと家に入ってしまう。

麻酔が切れる前に外に出すのも心配だし、傷跡が化膿しないかも心配だが、我が家の内猫をこれ以上増やすわけにも行かない。

当分は頭痛の種になりそうだ、