外猫クロは見たところクロネコだが、実は黒白猫だ。

写真では見えないが、腹が白いのだ。

普通黒白猫はトビのように顔にも白が出るものだと思っていたが、腹白い猫も居るのだ。

あたしはクロと呼んでいるが、嫁はんはブラックレイディーと名付けた。

でも長いのでやはりクロが良い。

幸いなことに他に我が家に来る黒猫は居ない。

 

クロは人懐こい猫だ。

あたしがタバコを吸いに外に出ると駆け寄って来て、足にすりすりする。

特技は頭突き撫で。

あたしが撫でてやろうと手を出すと、待ち切れないという感じで向こうから伸び上がって掌に頭をぶつけて来るのだ。

 

ひとつ気に食わないことがある。

キャットフードがまだかなり残っているのに追加を要求するのだ。

たっぷり入ってないと食べようとせず、ミャウーンミャウーンとうるさく鳴く。

「ミャウーン」

「まだ残ってるだろ。」

「ミャウーン」

「ミャウーンなのか?」

「そうか分かった。しようがないな」

と言う訳の分からない会話が何度も繰り返されて来た。

 

10月の出産後、子別れが済んだら避妊手術を受けさせようと思っていたのだが、そうは行かなかった。

その前にまた妊娠してしまったのだ。(ーー;)

さかりが付く前にする必要があったにだが、さかりが付く以前にまた妊娠してしまったのだ。

 

そして3月に2回目の出産をした。

今回も無事ねぐらにしている隣の新築工事現場で産んでくれたようだ。

出産した日はやけに嬉しそうな感じで、弾むように軽やかに走って来た。

実際体が相当軽くなっていたことだろう。

しかし、年2回出産ではまるで米の二期作だ。

 

今回は育児をしているのかどうかはっきりしない。

とにかく我が家に居る時間がやたらと長いのだ。

子供たちにしっかり授乳してるようには思えないのだ。

工事現場の人たちに赤ん坊をまとめて捨てられたのか、はたまた育児放棄なのか。

単に2回目の子育てなので余裕をこいてるならいいのだが。

 

さてこれで次の子別れが済んだら手術を受けさせられると思っていたら、お腹が膨らんできた。

単に太っただけならいいのだが、ひょっとしてあっという間にまた妊娠したという疑いもある。

もし妊娠だしたら犯人のひとりは解っている。

マイケルだ。

なにせ出産前日にも交尾してたし、出産翌日にも早速交尾していた。

猫の世界にも掟というものがあるだろ!

どうやらクロに避妊手術を受けさせるためには先にマイケルを去勢しないと無理そうだ。