以前チャンキーにはたくさんの悪癖があり、後日紹介すると書いた。

 

まずは段差を異常に怖がること。

おチャン歩で犬小屋を出る時。

清潔を保つため高床式になっているのだが、そのわずかな段差を怖がる。

特に雨上がりやメイドさんが洗濯中だったりして下が濡れている時は躊躇してなかなか降りて来ない。

ゆっくり降りてくればまるで問題がないはずなのだが、怖い分だけ助走をつけて勢いよく降りて来るので滑るのだ。

恐らく過去に足を滑らせて、ひねったり痛い思いをしたのだろう。

チャンキーは我慢強い犬で痛いの痒いのは一切表に出さないので、こちらは判らないのだが。

家を出るにはわずか4段の階段を降りなければならないのだが、これもものすごく怖がる。

まずはあたしを先に行かせて安全であることを確認して、それからいったん後ずさりして助走をつけて駆け降りる

これも大型犬なのだから落ち着いてゆっくりとのっしのっしと降りてくれば何も問題ないはずなのだが、未だに気が付かない。

 

以前書いたリーシュ装着時の足バタバタは完全に収まった。

更にひどかった少女漫画の決め技壁にドンもやらなくなった。

ぐいぐい押してこれ以上後ろに下がれなくなったところで唇を奪うという恐ろしい技だ。

セントバーナードは非常に涎が多い犬だということを忘れないで欲しい。(^^;

あたしが偽痛風で膝が曲げられない状態の時にあたしを気遣って右手を上げてじっと待つようになったのがきっかけだ。

やってみると「なんだ。この方が簡単で早いじゃん」と言うことに気づいたのだろう。

ここに至るまで8年の年月がかかった。(^^;

でも、きっかけがあたしの体調不良を気遣ってと言うのが、いかにも優しいチャンキーらしい。

段差の対策にもいつか気づく日が来るのだろうか?

 

家を出る前から歩き小便を始めることが多い。

毎回「もう少し我慢してくれよ」と言うのだが、一向に改まらない。

わずか数メートル歩けば隣の空き地なので、たまたまそこまで我慢した時には大げさに誉めてやっているのだが...

 

糞は3回に分けてするという話を書いたが、多い時は5回に分けてくれた。

「明日に取っておいてくれよ。明日のためにその1だ」などと訳の分からない事を言いながら始末していたのだが、最近になって2回で済むことが多くなった。

量が劇的に少なくなっているのだ。

以前はうんこ製造機君と呼んでいたほど物凄い量だったのだが...

チャンキーももう8歳、認めたくはないがセントバーナードとしては老齢だ。

食べる量が劇的に減っているのだ。

糞の回数が増えてもいいからもっと食べてくれ。

 

次は卑し食い。

野良猫でさえ食べ残すコメの飯を喜んで食べる。

「君は由緒ある血統書付きの犬のだぞ」たしなめても全く効果がない。

外で働くワーカーの捨てて行った弁当の骨などは一瞬で胃の中に納まる。

一番あきれたのは猫が食べ終わった後の理科室に置いてある骨格標本のようにきれいに骨だけになった魚を一瞬で飲み込んでしまったことだ。

全くのどに引っ掛かったようなそぶりは見せない。

一体セントバーナードの食道はどうなってるんだろう。

豚や鳥の骨は喜んでパキパキ言わせて食べる。

そういう時あたしは「こら! パッキーポッキー君」と叱るのだが、ご機嫌ムードの腰は折れない。

これだけは絶対にやめさせたいのがプラスティックバッグ(日本でいうビニール袋)。

これも一瞬で飲み込んでしまう。

フィリピンでは薄いプラスティックバッグが万能の食器になっているのだ。

ソースやスープや汁物をこれに入れる。

そして、食べ終わったときはこれまたフィリピン式にその場に投げ捨てる。(--;)

食べ物が内側に付着しているので食べてしまうのだ。

でも、これまたセントバーナードの体は驚異的だ。

一体胃や腸がどうなってるのか判らないのだが、翌朝ちゃんと糞に交じって出て来るのだ。

初めて食べるのを目撃した時は真っ蒼になって何とか吐かせようと必死で努力したのを懐かしく思い出す。

今は目を皿のようにして袋が落ちていないか見ているのだが、それでもたまに糞に袋が混じっていることがある。

なんという意地汚さ。

 

もう一つ絶対にやめさせたいのが走って来る車に突撃だ。

車を攻撃するのではなく、車と遊びたくて突っ込んでいってしまうのだ。

モーターバイクでもそうなので、エンジンの音が好きなのだろう。

特にディーゼルエンジンのカタカタ言う音は大好きだ。

大型トラックにも嬉しそうに突進して行く。

あたしは躾はあきらめているのだが、これだけは命にかかわるので色々考えて日本語で「待て」と言うことにして、踏みとどまったときは大げさに誉めてやるようにした。

以前ネットで読んだ情報で、犬は2音節の命令しか聞き分けられないというのを読んだからだ。

おかげで今は滅多に突っ込もうとしなくなった。

と言いつつ短く持ち替えたリーシュが張ることは結構あるのだが、以前のようにそこからぐいぐいとは引っ張らなくなったのだ。

これも単に歳を取って体力が落ちただけなのかもしれないが...

 

最後におチャン歩以外の悪癖も。

チャンキーは無駄吠えは滅多にしない犬なのだが、たまにはやる。

ガードマンが自転車やモーターバイクで巡回する時は吠えても1回だけなので、これは無視するのだが、数回吠える時は水がなくなったりしてることもあるので、夜でも必ず様子を見に行く。

そうするとたまに寝たふりをしている時がある。 

思わず「タヌキー君」と呼び掛けてしまう。(^^;

まあ、騙されたふりをして踵を返すのだが、そうではなく体を起こした状態で吠えてるのに水も餌もあって、通行人もいないということがある。

全く解らないので、「どうした? 寂しかったから呼んだのか?」と聞くと、こっくりとうなずく。

可愛いので頭を撫でてやってしばらく話をすると実に嬉しそうだ。

そして最後にお休みの挨拶をする。

 

他にもまだあるのだが、こんなところで止めておこう。

悪癖や奇癖がどれだけあってもチャンキーは優しくておとなしくて人懐こい犬だ。

大好きだよ!

頼むから長生きしてくれよ! (^o^)