「じゃあ・・・、そうだなー。じゃそこに座って。」
蓮斗はあたしの斜め前。けっこう近い。蓮斗は見た目がクールだから、男子はあんまり話しかけなかった。
「ねぇ蓮斗くん?蓮斗くんって彼女いたりする??好きな子のタイプとかは??」
こんなことばかり聞いてる。普通の男子や女子の転校生だったら
こんなに集まったりしないくせに・・・。
結局、休み時間をすべて使って女子ははしゃいでいた。
1時間目のチャイムが鳴る。それでもまだ、はしゃぎ足りない女子が何人かいるのが分かった。
あたしの学校は、春から夏の間に体育祭をやる。だから進級してすぐに実行委員を決めるんだけど・・・。
この時間は、それを決めなくちゃいけない時間だった。あたしのクラスは
いつも決まらない。面倒だとか疲れるだとかの理由で立候補がいないのである。
でもあたしは、行事等が大好きだからすぐ立候補する。だから女子は確定だろう
ただ問題は・・・。
男子は面倒なことには関わろうとしないからなかなか決まらない。
あたしは立候補して、すぐに決まった。 さて・・・男子は?やっぱりいない。
また同じく、権力が下の男子が押し付けられるんだろうな・・・っと、
ちょっと憂鬱にいつもの流れを想像していた。
でも今回は違った。みんな驚いた!
「あの、だれもやらないなら、俺やります。早く学校に慣れるためにもいいと思うし・・・。
立候補します。」
いきなりそう言ったのは蓮斗だった。先生も黙ってしまった、が、
「早川、転校したばかりなのに大丈夫なのか?無理しなくていいんだぞ。」
と言った。でも蓮斗は何も言わなかった。
そしてその後も立候補者は出なくて反論もなかった
黒板には『体育祭実行委員 ・早川 蓮斗 ・細山 華』
と書かれた。どうしよう・・・。まだ話したこともないのに・・・どうやっていけばいいの?
そんな不安が頭の中をグルグル回っていた。