チームボラシスの栄光 -釜山- 7 タクシードライバ | Fancy days

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++ SUPERNOVA ++

片言の日本語が話せるトライバと
野球について話す。
どうやらドラゴンズに韓国人の選手がいるらしく、

あれこれ説明してくれた。

野球はさっぱりわからないけど、

相槌だけうってみる。



気をよくしたわたしたち。
夜ご飯に食べようと決めていた
東莱(トンネ)パジョンのお店で
おいしいところを聞いてみた。


「東莱(トンネ)ハルメパジョン」


と答えが返ってきた。

時々自分も食べに行くのだそうだ。



ん?



そのお店っ・・・合格

確かガイドブックに乗ってたような??



ガイドブックを取り出して調べる。


「あ、ここだ!!」


プサンナビにも載っていたお店。

東莱(トンネ)ハルメパジョン


「ておっち!パジョンが食べられるよ」


「やったー」



行き方をドライバに聞くと、
地下鉄東莱(トンネ)駅からタクシーでワンメータ。
区役所の裏にお店があるとのこと。



「このまま乗せていってもらえないのかな?」


ぼそぼそ話していると、
ここからタクシーだと高いから地下鉄で行ってから
タクシーを拾いなおす方がいい。
と言われた。



わたしたちのお財布のことを考えてくれるなんて
なんて良心的!ラブラブ



感動しながら駅で降ろしてもらい、
地下鉄に乗って東莱(トンネ)駅へ向かう。
数駅ながら無事に座ることが出来た。



東莱(トンネ)駅について、

ガイドブックを見る。

小さすぎてよくわからない。

壁に貼られている地図を見るけれど、
区役所がどこにあるのかわからない。
とりあえず、ガイドブックを元に、

区役所がある方面の出口へ向かう。



出口を出ると、
おじ様向け夜の繁華街って感じの町並み。
屋台や人がとても多い。
タクシーが通れるのか?ってほどの人通り。
しかも、騒がしすぎて道を聞くどころじゃない。


「これは、歩くのは危険だね・・・」


「迷いそう・・・タクシーを探そう」



突然目の前を通ったタクシーを呼び止めて、乗り込む。


「東莱(トンネ)ハルメパジョン」


と言うと、困った顔をされた。


地図を見せると、チラッとだけ見て出発。
何か言ってるけどさっぱりわからない。


「東莱(トンネ)ハルメパジョン」


また言うと、ドライバは車を止めた。
どうやら暗いから字が読めなかったらしい。



改めてガイドブックを手に取り、
地図を眺めるドライバ。


でも・・・書いてあるのは日本語と漢字の住所のみ。
わかったのかわからなかったのか、
ガイドブックを返された。



「とりあえず東莱(トンネ)区庁行ってもらえば

  何とかなるかも」


「東莱(トンネ)区庁」


梵魚寺(ポモサ)で乗ったタクシードライバの

発音を真似して言ってみる。



良く分からないらしい・・・うーん
今ならまだ駅も近いし、
降りて新しいタクシーに乗りなおすことも出来るけど・・・あせる



考えているとタクシー発進。



わかったのか?がーん



どんどん進んでいく。


「ワンメータって言ったよね・・・」


既に2度ほどメータが回っている。


「おじさん、わかってるのかなあ?」


不安に思っていると、突然タクシーが止まった。

どう見ても夜市のど真ん中の交差点。


「ここで降りろってこと?」


「降りる?」



色々考えながらお金を払おうとすると、
再び車が動いた。
そして更にメーターが回転した。


「ずるい!!」


ておっちがいきなり言ってメーターを指さしながら


「今ちょっとだけ車動かして、

  お金多くもらおうとしてる。」


おじさんもなにやら言っているが、
お互い会話が通じないのだから仕方がない。


ておっちとわたしの半々で、
メータが動く前の金額をおじさんに見せると、
おじさんは素直に受け取った。


「払っちゃうの?」


「メーターが変わる前の金額を払っただけだよ」



なんだか不服そうなておっちを促してタクシーを降りる。
降りる際、おじさんが


「あっちへいけ」


と指さした道の方へ歩く。


「お前ら、どっかいっちまえ!」


ではないことを願って・・・あせる



「どこ、ここ」


道の左右には市場風の路面店。
道の真ん中には移動露店。

道幅は異常に狭くて、歩きにくい。
しかも、うつろな表情の人がほとんど。
観光客なんていやしない。



なんか、怖いんだけど・・・ドクロ

海外にいると、ホント

ここはどこ?わたしは誰?状態になる・・・泣



「大きい通りに言ってみよう」


ておっちの後について歩き出す。


「わかんないね・・・」


「また誰かに聞く?」


周りを見回すも、中年と言うより高年の人しかいない。
お店の中に入るのも勇気がいるようなお店ばかり。



「戻るにしてもタクシー拾わないと・・・」


「現在地がわからないと、どうしようもないよ」


辺りを見回しても、現在地がわかるようなものもない。


迷いに迷っていると、


「こんにちわ」



日本語!目



既に真っ暗なのに”こんにち”はとか言うか?

というツッコミは浮かばず

声の方を見ると、中年の男性がお店の中から出てきた。
タクシーが乗れる場所を聞こうと思ったけど、
会話は出来ないらしい。


「東莱(トンネ)ハルメパジョン?」


と聞くと、なにやら英語?と思われる言語で、
道を教えてくれた。


「お店、近いみたいだね」


「ここをまっすぐ行って・・・」


「銀行があるって言ってたよね」


「なんかさ、お店に電話するとか

  電話してくれるとか言ってなかった?」


「電話しろってことだよ、きっと?」


「迎えに来てくれるって言ってなかった」


「うーん???」


お店に電話したところで、
日本語か英語が通じなければ意味はない。
しかも、現在地がわからないのに、

道順なんて聞けないし・・・あせる


おじさんは店の奥へ消えたので、

とりあえず、言われた方向へ歩き、銀行を探す。



暗すぎてわからない。
しかも信号が不規則で、あちこち向いている。
どうやってみたらいいのか分からない。


「ここはどこだろう」


「あれ、区庁ぽくない」


「区庁なら、道順わかるんじゃない?」



再び地図を広げていると
呼ばれているような気がした(笑)


「なんか、呼ばれてない?」


「さっきの人じゃない?」


更に見ていると


「こっちへ来いって言ってない?」


男性の真横には路駐した自動車。


「えー?あれ変じゃない?」


「うちら、変な人に道聞いた?」


しきりに、来いといっている。
しかも、車の横から路地へ歩き出した。


「車じゃないみたいだね」


「・・・行ってみる?」



男性の消えた路地に向かって道を渡る。
怪しみながら路地を覗くと、
男性が店に入っていくのが見えた。


「あ、あの店!」


人が並んでいる店を発見。
ガイドブックの写真と同じ店構え。


「ここだ!!」



男性の後を追うように店に飛び込んだ。