片言の日本語が話せるトライバと
野球について話す。
どうやらドラゴンズに韓国人の選手がいるらしく、
あれこれ説明してくれた。
野球はさっぱりわからないけど、
相槌だけうってみる。
気をよくしたわたしたち。
夜ご飯に食べようと決めていた
東莱(トンネ)パジョンのお店で
おいしいところを聞いてみた。
「東莱(トンネ)ハルメパジョン」
と答えが返ってきた。
時々自分も食べに行くのだそうだ。
ん?
そのお店っ・・・![]()
確かガイドブックに乗ってたような??
ガイドブックを取り出して調べる。
「あ、ここだ!!」
プサンナビにも載っていたお店。
「ておっち!パジョンが食べられるよ」
「やったー」
行き方をドライバに聞くと、
地下鉄東莱(トンネ)駅からタクシーでワンメータ。
区役所の裏にお店があるとのこと。
「このまま乗せていってもらえないのかな?」
ぼそぼそ話していると、
ここからタクシーだと高いから地下鉄で行ってから
タクシーを拾いなおす方がいい。
と言われた。
わたしたちのお財布のことを考えてくれるなんて
なんて良心的!![]()
感動しながら駅で降ろしてもらい、
地下鉄に乗って東莱(トンネ)駅へ向かう。
数駅ながら無事に座ることが出来た。
東莱(トンネ)駅について、
ガイドブックを見る。
小さすぎてよくわからない。
壁に貼られている地図を見るけれど、
区役所がどこにあるのかわからない。
とりあえず、ガイドブックを元に、
区役所がある方面の出口へ向かう。
出口を出ると、
おじ様向け夜の繁華街って感じの町並み。
屋台や人がとても多い。
タクシーが通れるのか?ってほどの人通り。
しかも、騒がしすぎて道を聞くどころじゃない。
「これは、歩くのは危険だね・・・」
「迷いそう・・・タクシーを探そう」
突然目の前を通ったタクシーを呼び止めて、乗り込む。
「東莱(トンネ)ハルメパジョン」
と言うと、困った顔をされた。
地図を見せると、チラッとだけ見て出発。
何か言ってるけどさっぱりわからない。
「東莱(トンネ)ハルメパジョン」
また言うと、ドライバは車を止めた。
どうやら暗いから字が読めなかったらしい。
改めてガイドブックを手に取り、
地図を眺めるドライバ。
でも・・・書いてあるのは日本語と漢字の住所のみ。
わかったのかわからなかったのか、
ガイドブックを返された。
「とりあえず東莱(トンネ)区庁行ってもらえば
何とかなるかも」
「東莱(トンネ)区庁」
梵魚寺(ポモサ)で乗ったタクシードライバの
発音を真似して言ってみる。
良く分からないらしい・・・
今ならまだ駅も近いし、
降りて新しいタクシーに乗りなおすことも出来るけど・・・![]()
考えているとタクシー発進。
わかったのか?![]()
どんどん進んでいく。
「ワンメータって言ったよね・・・」
既に2度ほどメータが回っている。
「おじさん、わかってるのかなあ?」
不安に思っていると、突然タクシーが止まった。
どう見ても夜市のど真ん中の交差点。
「ここで降りろってこと?」
「降りる?」
色々考えながらお金を払おうとすると、
再び車が動いた。
そして更にメーターが回転した。
「ずるい!!」
ておっちがいきなり言ってメーターを指さしながら
「今ちょっとだけ車動かして、
お金多くもらおうとしてる。」
おじさんもなにやら言っているが、
お互い会話が通じないのだから仕方がない。
ておっちとわたしの半々で、
メータが動く前の金額をおじさんに見せると、
おじさんは素直に受け取った。
「払っちゃうの?」
「メーターが変わる前の金額を払っただけだよ」
なんだか不服そうなておっちを促してタクシーを降りる。
降りる際、おじさんが
「あっちへいけ」
と指さした道の方へ歩く。
「お前ら、どっかいっちまえ!」
ではないことを願って・・・![]()
「どこ、ここ」
道の左右には市場風の路面店。
道の真ん中には移動露店。
道幅は異常に狭くて、歩きにくい。
しかも、うつろな表情の人がほとんど。
観光客なんていやしない。
なんか、怖いんだけど・・・![]()
海外にいると、ホント
ここはどこ?わたしは誰?状態になる・・・
「大きい通りに言ってみよう」
ておっちの後について歩き出す。
「わかんないね・・・」
「また誰かに聞く?」
周りを見回すも、中年と言うより高年の人しかいない。
お店の中に入るのも勇気がいるようなお店ばかり。
「戻るにしてもタクシー拾わないと・・・」
「現在地がわからないと、どうしようもないよ」
辺りを見回しても、現在地がわかるようなものもない。
迷いに迷っていると、
「こんにちわ」
日本語!![]()
既に真っ暗なのに”こんにち”はとか言うか?
というツッコミは浮かばず
声の方を見ると、中年の男性がお店の中から出てきた。
タクシーが乗れる場所を聞こうと思ったけど、
会話は出来ないらしい。
「東莱(トンネ)ハルメパジョン?」
と聞くと、なにやら英語?と思われる言語で、
道を教えてくれた。
「お店、近いみたいだね」
「ここをまっすぐ行って・・・」
「銀行があるって言ってたよね」
「なんかさ、お店に電話するとか
電話してくれるとか言ってなかった?」
「電話しろってことだよ、きっと?」
「迎えに来てくれるって言ってなかった」
「うーん???」
お店に電話したところで、
日本語か英語が通じなければ意味はない。
しかも、現在地がわからないのに、
道順なんて聞けないし・・・![]()
おじさんは店の奥へ消えたので、
とりあえず、言われた方向へ歩き、銀行を探す。
暗すぎてわからない。
しかも信号が不規則で、あちこち向いている。
どうやってみたらいいのか分からない。
「ここはどこだろう」
「あれ、区庁ぽくない」
「区庁なら、道順わかるんじゃない?」
再び地図を広げていると
呼ばれているような気がした(笑)
「なんか、呼ばれてない?」
「さっきの人じゃない?」
更に見ていると
「こっちへ来いって言ってない?」
男性の真横には路駐した自動車。
「えー?あれ変じゃない?」
「うちら、変な人に道聞いた?」
しきりに、来いといっている。
しかも、車の横から路地へ歩き出した。
「車じゃないみたいだね」
「・・・行ってみる?」
男性の消えた路地に向かって道を渡る。
怪しみながら路地を覗くと、
男性が店に入っていくのが見えた。
「あ、あの店!」
人が並んでいる店を発見。
ガイドブックの写真と同じ店構え。
「ここだ!!」
男性の後を追うように店に飛び込んだ。