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むかしむかし、
あるところに夫婦がおりました。
長年子供がなかった2人ですが、
ある時ついに念願の子供を授かることになりました。
妊娠した妻は、
隣の家の庭にたくさん茂ったラプンツェルが食べたくて食べたくてたまらなくなります。
しかし、その家は実は魔女のものでした。
食が細ってやつれ果てた妻に
「ラプンツェルが食べられなければ死んでしまう」
と、懇願された夫は、妻と生まれる子のために魔女の敷地に忍び込み、ラプンツェルをこっそりと摘み取りにかかりますが、
とうとう魔女に見つかってしまいます。
しかし夫から事情を聞いた魔女は、
それなら好きなだけラプンツェルを摘んでもいいが、その代わりにその子供が生まれたら自分に渡せと言いました。
やがて妻が生んだ女の子は、即座に魔女に連れて行かれてしまいました。
そのままその娘はラプンツェルと名付けられ、
森の中に築かれた入り口のない高い塔に閉じ込められてしまいます。
魔女はラプンツェルの見事な長い金髪をはしご代わりに、窓から出入りしていました。
そんなある日、森の中を歩いていた王子が美しい歌声に引かれ、塔の中に閉じこめられたラプンツェルを発見。
魔女と同じように長い金髪の髪をはしご代わりに、窓から塔の中へ入った王子。
その後も、ラプンツェルは夜ごと王子を部屋に招き入れ、
そしてやがてラプンツェルは妊娠してしまいます。
その事実に激怒した魔女は、
ラプンツェルのその長い金髪を切り落とし、荒野へと放逐します。
一方、何も知らずにラプンツェルを訪ねてきた王子は、待ち受けていた魔女から罵られる中で全ての顛末を知って絶望し、塔から身を投げて失明してしまいます。
7年後、
盲目のまま森をさまよっていた王子は、男女の双子と暮らしているラプンツェルとめぐり会います。
うれし泣きをするラプンツェルの涙が王子の目に落ち、王子は視力を回復。
王子はラプンツェルと子供たちを伴って国に帰り、皆で幸せに暮らしましたとさ。
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…というのが、
グリム童話『ラプンツェル』のおはなし。
塔の中に閉じ込められた長〜い髪の毛の女の子、といえばピンと来る人も多いんじゃないでしょうか。
2010年にはディズニー映画にもなってます♫
私は小学生の頃、漫画版のグリム童話としてこのお話を読んで衝撃を受けました。
まずラプンツェルという変わった名前。
そしてラプンツェルという野菜!?薬草!?の存在。
なんなんですかそれは!!!
(そしてその野菜の名前を女の子に付けちゃうってナニ!?)
しかし
漫画には食べたくて食べたくて中毒症状の生みの母親、
そして『美味しいーーー!!止まらないーー!!』と無我夢中でほおばるその姿が印象的に描かれ、
私も食べてみたかった…そんなラプンツェルを。
でも当時はラプンツェルなんて見たことも聞いたこともなかったし、
スーパーにも八百屋にも置いてあるところなんて見たことがない。
現実にあるのかどうかも分からないまま、
そんなことなどすっかり忘れ、
月日は流れ。
そのままそんな瞬間を思い出すこともなく
大人になり。
そして、
知らないうちに。
でも、これがラプンツェルだと知ったのは、つい最近。
知り合いの家に招かれて、
美味しい美味しいと言いながらお手製サラダをほおばっていたときに、
『これは栄養が豊富だよねー。
ラプンツェルの物語でも有名だしね。』
と言われ…
え!?そうなんですか???
これがラプンツェルだったんですか??
え、ラプンツェルてどんなお話だったっけ???
…そして瞬間に蘇る幼少時代の記憶。
完全に薄れていたのに…
ラプンツェルに衝撃を受けた過去を一気に思い出しましたよ!!
そして今では大好物で、
好んで食べてます。(いえ、これがラプンツェルだったと知る前からそうでしたが、より尚更。)
まぁ、なんの変哲もない普通の葉っぱなんです。
特別な味がするわけでもない。
なのに、なぜか美味しい。噛んだときの柔らかさ、鮮度、ちょっとした葉っぱらしい香りや甘み。
なんなのだろうー。
ドイツにいると
こんな風に行きつけのイタリアンレストランの前菜でクルトンやベーコンと共に出てきたり。
これはドレッシングがかかりすぎてラプンツェルが浸かりすぎていましたが…。
これはとあるビュッフェ。
ここでもラプンツェル登場。
美味しいのでもちろん何度もおかわりにいきます。
こちらではまたの名をFeldsalat(フェルトザラート)とも言い、
スーパーでも簡単に手に入るし、
外食してもそこら中で出てくる。
みんなよく食べています。
砂糖とレモン汁のドレッシングで食べるのがこちらでは一般的みたいです。
私はここ最近はオリーブオイルと醤油(たまにちょっとワサビ)で朝ごはんにいただいてます。
細かく切ったトマトと一緒に…。
朝から元気が出てくるのだ〜!!
おすすめは、
あんまりドレッシングやオイルをかけすぎないこと。
ヒタヒタにすると葉っぱの鮮度が味わえなくなります。
葉っぱ自体をそのまま味わいたいのです。
ラプンツェルは、ローズマリーやタイムと同じように薬草ハーブとして中世ヨーロッパでは『白魔術』で使われていたそう。
胃薬や鎮静効果があり、妊婦さんの激しいつわりにも効くとされていたとか。
ビタミンAとC、カリウム、鉄分、葉酸などが豊富に含まれており、ヨーロッパでは妊婦やダイエット中の人に最適の野菜だと言われているらしいです。
確かにサッパリしていてシンプルですが、
疲れた身体に栄養が染み渡る感じ。
つかれたーー!!野菜不足で緑のものが食べたいーーー!!
というときにとてもいいです。
私も貧血体質ですし、
生野菜がついつい不足がちになるので
ぜひ積極的に食べたいと思います。
しかし、さすがに隣の家のものを盗みにいくほど中毒症状にはならないですけどね…
ただし、今ではこの雑草のような!?ラプンツェルも、
18世紀以前のヨーロッパは寒冷期。
その当時は数少ない稀少な植物だったようですね♫
ちなみに私たちはドイツでは
ラプンツェルよりもフェルトザラートと呼ぶ方が慣れております。
皆さんもぜひ機会があれば、おためしあれ♫