
作 別役実
演出 山下悟
兄(由川信幸)、妹(茜部真弓)、弟(霜山多加志)の真夜中のかくれんぼ・・・父(山口眞司)が出て行って30年、彼らは決まった時間に灯りを消して暗やみの中でかくれんぼをする。中年真っ盛りであろう3人の暗やみに響く「もーいいかい」、「まーだだよ」の声は、不気味でどこか謎めいて聞こえる。
そんなある日、父が友(豊富満)につれられて帰って来た・・・・戸惑う様子も無く、日常の中にすっと取り込まれる(そんな感じ)の父・・・父もまったく悪びれる様子も無くそこに収まる・・・・その様子に戸惑い、家族の異常な雰囲気に友は帰って行った。
30年彼がいない間に妻は自殺し、息子たち3人はメイド(白石珠江)と共に暮らして来た。そして、何故か誰にもかまわれていない男の子と女の子がいる。
父は何故、家を家族を捨てたのかはわからないし、何故帰ろうと思ったのかもわからないが、娘の「お母さんは待つことを止めたけど、私たちはずっと帰ってくると思っていたから」(ちょっとせりふ違いますが)と、無邪気にも邪気たっぷりにも取れる言葉が、なんだか呪いのような気がして怖かったです。
規則正しく、時間通りに日常を過ごしてきた彼ら、父と母に捨てられた彼らはそうすることで家族という形だけは守ってきたのかも・・・・内にこもる形で。そう、彼らは家族という形を守るために、外の世界を見ることはしなかったのです。
山口さんの飄々としているようで、ちょっとボケてるのかな?と思わせるお父さんの軽い感じに粘っこさと底知れない不気味さを感じさせる娘の茜部さんが素晴らしく良かったです。兄の由川さんの学者っぽいけどちょっと神経が弱そうな感じ、末弟の霜山さんのわがままな大きな子どものような感じとこのキャラクターたちのバランスがすごく良かったです。
そこにスパイスを加えるのが白石さんです。
有無を言わせぬ何かが、この家族の秘密に繋がっているようで、気になりました。
そして、ラストにがつんと一発!
客席中があっけに取られたような、もう一つ暗いところにほおりこまれたような一体感みたいなのを感じました。
子どもたちを舞台に登場させるタイミングもすごく良くて、この二人が出てくるたびに彼らは何なのだろう?と思いながらも二人には二人の世界があって、お互いをとても大事に思っているのが伝わってきました。
この子どもたちの大橋繭子さんと小川豪範さんの透明感があって、ピュアで、それでいて怖さも持っていてというのがすごくこの物語を引き立てた気がします。
衣装がとても良かったです。
別役実氏のブラック全開な物語、すごく楽しみました。
ありがとうございました。
