だいぶ日が経ってしまった。。。

15日 終戦の日に
「日本のいちばん長い日」を観て来ました!



     



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ストーリーは


連合軍側から提示されたポツダム宣言に対して鈴木内閣では意見が割れる。
そしてもはや戦争継続は不可能である・・・と天皇のご聖断が下る。


しかしあくまで本土決戦を主張する陸軍では
畑中少佐を中心にクーデター計画が進められる。

近衛師団長を説得して近衛師団を決起させ
宮内省を占拠し、玉音盤を手中にし天皇を頂けば
全陸軍が戦争継続のために決起するであろう、という計画である。

教科書には載らない
いわゆる「宮城事件」
宮城(きゅうじょう)とは皇居のこと。



時は
ルーズベルトが病死して、ヒトラーも自殺
東京大空襲
7月にポツダム宣言
それをどうするか否か~~とやっている間に2回の原爆


と、わりとさらっと進む。



クーデターの中心人物 
畑中少佐が1人で狂信的な軍人やってる??
みたいな風に見えなくもない気がした


思うに

なぜ陸軍がここまで本土決戦だ!一億玉砕だ!と
負けを受け入れられないのか。。。

当時の徹底した教育の背景があまり描かれていないんですよね
(やべ、偉そうに、、)

「生きて虜囚の辱めを受けず」
のような言葉も出て来なかったし

だから多分 若い人が見たら
畑中、いい加減にしろよー
と、ポカ~~ン
かも。。。


と、思ったのはわたくしだけ!?



いや、どうしても
67年岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」と比較してしまう。。。


負けを受け入れられず、狂ったように大騒ぎだもん

原爆を落とされるもなお
外地に270万、本土に230万の陸兵と特攻機10000の軍事力を持ち
敗北を知らず、虜囚の辱めを受けずと徹底教育され
ましてすでに戦死した300万の同胞たちに申し訳が立たない

きぃさまぁぁぁ~~!!
それでも大日本帝国軍人かぁぁ~~!!!

って、もんのすごい迫力だもん
喜八監督のは。




それと!!
ひとつ非情に残念だったのが

軍司令部の大西次長も登場するんだけれどこれが

なんともチャラい、嫌~~なヤツになっちゃってるの!!
\(゜□゜)/

「あと2000万も特攻機飛ばせば勝てるッスのに
なんで終戦ですかね~?」

みたいな軽さにはびっくりした
\(゜□゜)/


喜八監督版だったか
もしくは
鶴田浩二主演の「ああ 決戦航空隊」だったか

その中では

「あと2000万!あと2000万特攻機を飛ばせば必ず!必ず!!」
と男泣きで談判するのに~~!
(でも、あと2000万!って軽く言うけど、、、)

どうしてもそのイメージで観てしまうからいけないのか^^;




玉音盤の収録も

どうしても和訳にすると意味合い的に引っかかる言葉に対して
何度も何度も修正を重ねるシーンがあるけれど
これもわりとさら~って感じ。



でも映像は綺麗だし
昔の映画みたいに役者さんが早口じゃないし
解りやすく見やすいと思う

今回の映画で初めて知ったこともあったしね




で、そんな荒れる青年将校たちと
陸軍大臣としての立場に板挟みになる阿南陸軍大臣
(役所広司)

「ご聖断に納得できぬならまずこの阿南を斬れ!」


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総理大臣 鈴木貫太郎
(山崎努)

「この戦争はこの内閣で決着です」


恐れながら、、と
天皇にご聖断を仰ぐ


すごいいい味でてた!



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畑中少佐
(松坂桃李)

わたくしの中ではついに
成宮くんを抜いてイケメン1位



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モッくんの昭和天皇も良かったと思う。
すごく研究したんだろうなぁ
「さざえ」の例えに反論するとこ面白かった。


でも「太陽」のイッセー尾形にはかなわないだろうなー
あそこまで演ってしまう勇気もスゴイ






でね、喜八版でも同じシーンが出てくるんだけれど
やっぱりそこで泣いちゃった
それは。。。



玉音放送の収録も終わり
8月15日の放送を迎えるだけ


阿南大臣が鈴木貫太郎総理に挨拶に来るんです。

阿南陸相

「自分は陸軍を代表して
かなり強硬なことばかり申し上げてきましたが
どうぞお許しください」

鈴木総理

「いやいや、こちらこそ君の率直な意見に感謝しているよ」

みたいな事を話します。
そして

阿南陸相

「これは南方の葉巻です。私はたしなまないので総理に吸って頂きたく。。」
と、葉巻の箱を渡します。

そして、
ではこれにて失礼します
と退室したあと鈴木貫太郎が秘書に言います



「阿南くんは いとまごいに来たんだね」

と。



くぅぅぅぅーーーーー!!!涙涙涙



鈴木貫太郎は阿南さんが自決することを察しているわけです。
阿南さんは多分もう以前から
おそらく陸軍大臣になった時からその覚悟だったんだろうと思うけど。




阿南惟幾


「陛下はこの阿南に対して
お前の気持ちはよくわかる、苦しかろうが我慢してくれ、
と涙を流して仰せられた。
自分としてはもはやこれ以上 反対を申し上げることはできない」


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阿南大臣は昭和4年から4年間
侍従武官として昭和天皇に仕えたことがある。

昭和天皇も阿南の無私にして思いやりの深い性格を信頼されたようで
昭和13年に阿南が第109師団長として支那に出征する際
天皇は阿南を呼んで2人だけで夕食をとられた。

阿南は感激して次の和歌を作った。



大君の深き恵みに浴みし身は
言い遺すべき片言もなし






と、あるんだけれど


この和歌!!
先日 阿南さんのお墓参りをした時に
石碑になっているのを見ました!




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その7年後
昭和20年8月15日に
阿南大臣は侍従武官時代に昭和天皇から拝領した純白のYシャツを身につけ


陸軍の代表者として
天皇に対する敗北のお詫びと
クーデターの幕引きのため

先の和歌を辞世として自決したのです。




終戦に導くまでに
そしてあの玉音放送までに

命をかけて尽力し奔走した人達のことを
是非知ってほしいですね