いつかの恋人を思い出した。
正確には、恋人本人よりも、
その人の空気や話し方やぎゅってする感じや私のわがままに付き合わされる感じを。
よく喧嘩もした。
私の不機嫌のせいで。
あるいは、雨が降ったせいで。

彼の事が好きだったけれど、
許してくれる感じも好きだった。

いいよって。
声に出さなくても。

そんな風に思い出すのは、
きっと全てが終わっているから。

私の哀しがる癖が酷いときは、
いいよって言ってくれるその人の空気を思い出したい。

一人でひっそりと。