講師を務めたNHN Japan此川祐樹氏。スマートフォン用アプリやWebサービスの開発に“UXデザイナー”として関わっている CEDEC 2012の会期最終日となる2012年8月22日,ショートセッション「ユーザの行動から学ぶゲームUIデザイン」が開催された。講師を務めたのは,NHN Japan経営企画室経営戦略チームに所属する此川祐樹氏だ。 我々がゲームプレイやWebサービスをとおして受ける使用感,例えば“楽しい?分かりやすい?心地よい”などといった感覚的な体験について,近年のゲーム業界では専門分野を交えた研究が進められている。こういったユーザーの体験から得られる経験や満足感は“User Experience(UX)”と呼ばれ,これを元にシステムを設計することを“UXデザイン”と呼ぶ。 UXデザインは近年のトレンドの一つで,CEDEC 2012でも,同様のテーマを扱ったセッションがほかにもいくつか開催されていた。そして今回の講演では,NHN JapanがどのようにUXをゲーム設計に反映させているのかを,此川氏がいくつかの事例と共に語るというわけだ。意外にも(?)同社がCEDECで講演するのは,FF14 RMT,今回が初めてなのだという。 ユーザーにとって,より良いサービスを伝えるための「UXデザイン」 此川氏によると,近年はサービスの競争が激しいこともあり,コンテンツの良し悪しをごく短い時間で判断されてしまう傾向があるそうだ。例えばオンラインゲームでは,数分のチュートリアルをプレイしただけで「自分には合わない」と見切りを付けてしまうプレイヤーが多く,加えて言えばそういうプレイヤーの数は,決して無視できない規模になるという。 そのため,NHN Japanは“使いやすい/使いにくい”といったあいまいな表現ではなく,より明確に「ゲームを続けてもらえるデザイン」の根拠を見つけだすために,UXの研究を行っている。 NHN JapanaはUXを大きく6段階のデザインプロセスに分けて,それぞれ研究を進めている。デザインの最終目的は,あらかじめ想定したターゲットユーザーに満足してもらうことで,DQ10 RMT,そこへ至るまでに,「ターゲットの研究」「デザイン目標の設定」「デザインの視覚化」そして「ユーザーテストによるデザインの評価」といった流れで,プロセスを進めていく。もしユーザーテストで大きな不備が見つかった場合は,ターゲットの研究が間違っている可能性が高いため,そこに戻ってやり直す,といったことを繰り返すのだという
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