ブログネタ:思い出深い場所
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思い出深い場所。
間違いなく、今でも中学校の教室の窓側の後ろの席。
14歳の私はいじめられっ子だった。
学校へ行くのが嫌で嫌で毎日が重苦しい日々だった。
いじめられるような何か…思い当たる節などない。
「近寄るな」
「キモイ」
「バイキンがうつる」
ただただ歩いて教室へ入り、窓側の自分の席まで
辿りつこうとしているだけなのに…
さぁ~…っとみんながはけていく。
今思えば恐ろしい状況。
よく今生きてるな…と感心する。
中学校の頃、なぜか男、女が交互に隣同士になるように
席が配列されていた。
そんな状況もあり、私の立場はと言えば…
私の隣になる男子は己の面もさることながら
私の隣になったことで、爆弾を抱えてしまったかのごとく
悲鳴をあげ、逃げまどい、席替えしろとわめきだす。
「いつものことだ」
そんな時、いつも私はそう思うことにしていた。
ただ。
ある一人の男子は違っていた。
何かの授業で、いつものように隣の男子と席とつけなくては
いけない状況に追い込まれ、くっつけてもどうせ悲鳴と一緒に
離されるのがオチだと思い、私は微妙な隙間をあけて
机を離したままにしていた。
「ふふふ~んふふん~♪」
鼻歌を歌いながら彼は私が敢えて離してある机を
さりげなく引き寄せた。
ドン…と机と机がぶつかる音がした。
ニコっと彼は私を見て微笑んだ。
周りの女子が怪訝な顔をしたほど。
当然、私は驚いた。
「私のせいで批難されるぞ…どうしよう…」
「2B鉛筆持ってきた?」
彼は私に話かけてきた。
ありえないことだ。
クラス全員を敵にまわしている私に話かけることが
できる奴なといるわけがない。
教師すら…。
彼はなぜが強かった。
男子も女子も「バイキンと話してる」なんて思って
じろじろ見ているのがわかっているはずなのに
彼はそんな視線さえも包みこむように
またゆっくりと私に話しかけ続けた。
「あれぇ?ケシゴムがないぞぉ。困ったなぁ。
あぁ!おまえ、ケシゴム二つあるじゃん。一個貸してよ。」
バイキンが使う物など誰も触れない。
私がケシゴムを机の上から落とした時など、
ミサイルが飛んできたように、
「バイキンのケシゴムが飛んできた」と慌てだす始末。
そんな状況の私のケシゴムを借りようとしているのだから
14歳にしては腹のすわった男の子だった。
彼はクラスの人気者だった。
クラスだけじゃない、学年の人気者だった。
他の子がそんなことをやってしまうと
「おまえ、こんな奴構うなよ」と言われて
すぐ寝返ってしまうのだろう。
でも彼の持ち合わせている空気感は
そんなことを寄せ付けない。
「何考えてんだ…仕方ねぇな…
あいつがそうしてるんだから仕方ねぇのか?!」
…ってな雰囲気。
何て強い男の子。
今でもあの席は私にとって
生きる勇気を呼び覚ます大切な場所。
99人が私から逃げていっても
1人だけは私に近づいてきてくれる。
そんなふうに思えて、死ぬことを留まってみようと
思えた場所。
死のうと思った場所も教室なら
生きてみようと思えた場所もその教室。
彼のかっこよさには今でも感謝している。
補足だけれど、あの日、彼はケシゴムを持ってきていた。
前の授業で使っていたのが目に入っていたし、
ペンケースを開けた時に白いケシゴムが見えたのだ。
そう。
敢えて、彼はケシゴムをポケットに隠してまで
私から借りようとしたのだ。
その意図するとことは今でもわからない。
でも。
そのおかげで、その時から
「バイキン」と呼ばれることが少し減ったような気がするのだ。
長年封印してきた過去の話。
いまだに減らないいじめの問題に嫌気がさし、
こんなことを書く気になった。
もうひとつ補足すれば、いじめをしたことのある人は
絶対に死ぬまでの間にいじめられるようなことになるのだと
私はこっそり思っている。
因果応報なのだ。
14歳から32歳。
18年経った今、いろんな出会いを重ねて見えたきた事実。
かわいいからと言って全て手に入るとは限らない。
ブスだからと言って自暴自棄になるなどもってのほか。
ブス代表の私が言う。
思春期にいじめられっ子だったほうが
得することが大いにあった。
人生まだまだ。
けっこう面白い人生を送れている自分がいる。