ブログネタ:今年1番のありがとう!を教えて☆☆
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「ありがとう。気付いてくれて…」
姉に伝えたい。
私は姉が大好きだった。
優しくて面白くて、強くて意地っぱりで繊細で…
お洒落で負けず嫌いで…
どんな時もいつも姉を見て歩いてきた。
高校生になって姉は姉の友達ができて
私を邪魔だって言ったときも
泣きながら傍に居続けた。
私が歩けなくなり、立ち止まると
すぐに手を引っ張り上げる。
手を振り払っていじける私に
何となく逞しい背中を見せてさっさと先を歩いていく。
ついて行かなきゃって置いて行かれる…
そう思うその歩き方は両親よりも頼れる姿だった。
大学を卒業して、就職難に巻き込まれたふりして
就職できずにモタモタしていた私は、アルバイトで生活していた。
たいした収入もなく、家賃も払えなかった私を知って、
姉はこっそり親父に話をつけ、私を支えてくれていた。
「そこまでしなくていいよ。私がアルバイト増やせばいいんだから」
悔しかった。
私なりの意地を張った。
「あんたにはやりたいことがあったでしょ?
そのための時間、少しでもつくりなさい。」
涙が溢れた。
親父に後で聞いた。
4年生の時の大学の学費も姉が払っていたことを。
奨学金をもらっていた私は何となく
親に対して偉そうだった。
3年の終わり頃に親父は姉に打ち明けていたらしい。
「あいつの学費、払えんかもしれん」
姉はいつも言う。
「あんたには負けてほしくないんだ。時間かかってもいいから
絶対に目指すもの目指して頑張らないとダメだよ」
そう言ったのが7年前。
そこまでして私を支えてくれたのに
何の恩返しもできずに月日が流れ過ぎた。
ダメダメな私…。
情けない私…。
だんだん姉との距離を遠ざけた。
姉に頼ってばかりではダメだ。
自分の足で歩くことを
しっかり覚えなくては。
転んでも立ち上がる方法を
体で覚えなくては。
最初で最後の意地だった。
ただ、7年は長過ぎた。
あんなに仲の良かった私と姉との間に
変な溝ができてしまっていた。
その間、一度だけ姉が私の家を訪ねてきたことがあった。
アルバイトの時より生活は少しは良くなったものの、
たいして変わり映えのしない生活をしていた私は
そんな姿を姉に見られたくなかった。
「部屋じゃなくてどこかご飯でも食べよう」と約束
していたはずだった。
姉は嘘をついてまで部屋を探しあてて玄関の前にいた。
「見たいなら見たらいいよ。これが今の私!!!!」
「…。お洒落もしないで…。女の子なんだから。
冷蔵庫は何が入ってる?ご飯でも作ろうか…?」
何も入っていない冷蔵庫を見られるのだけは嫌だった。
「もういいでしょ?ご飯食べに行くっていうから何も
買ってないよ。毎日忙しいんだ。」
当然、その後の夕飯はたいして楽しくなかった。
一緒にホテル泊まろうと言っていたけど
食べ終わるとすぐに姉は帰ると言った。
「無理しないでね。忙しくてもちゃんと食べなさいね」
「うるさい。お姉ちゃんとは違うんだよ。
私はお姉ちゃんみたいに頭も良くないし、頑張ったって
この程度なんだよ。見ればわかるでしょ?じゃあね。」
この台詞から4年。
姉から珍しく電話。留守電のメッセージ。
「元気?久しぶりにお話したくて。何にもないけど
余裕あったら連絡くださーーい。」
媚をうったような、嫌な軽快さにイラっとした。
うるさいと思いながらも電話してみた。
天気がどうとか、街の様子とかどうでもいい話を
少しして、姉が急に言葉をつまらせた。
「どうしてこんなに長い時間、あなたと距離ができてしまったのか
自分なりにずっとずっと考えてたの。
あなたとちゃんと話がしたかったのにできなかったわけを…。
[お姉ちゃんならわかるよ、私の気持ち}って言ってくれたのに
わかってなかったんだね、私…。ごめんね。本当に。」
声が震えていた。
あの逞しい背中が、いつも追いかけていた背中が
私なんかのために泣いてる…
「泣くなよ!!!」
私が強く出てみた。
姉は泣きながら笑った。
「知らない間に強くなってたんだね。」
「そりゃそうだ!縁もゆかりもない土地でしっかり生きてんだから!」
私も泣いていた。
私のことで姉も苦しんでいたのがわかって、
涙がこぼれた。
「ごめん。ちゃんと話すれば良かった。
私もお姉ちゃんみたいに強くなりたかったんだ」
「…良かった。元気そうで。
ちゃんと食べてる…?」
「食べ過ぎて太ったよ!ブタになるよ!!
それに最近はお洒落し過ぎてまたお金ないよ。あはは。」
「あはは。どんなお洒落してるの?もう大人だから
落ち着いたかな…?」
「今まで本当にありがとう。お姉ちゃん。
お姉ちゃんがいつも私の前をかっこよくしっかり歩くから
私どんな時も負けなかったよ。」
「…ありがと。私も頼もしい妹を持ったよ!安心した。
さすが私の妹だわ!!…でも、今度はいろいろお喋りしようね」
「おぅ!!」
心配してくれてありがとう。でももう大丈夫!!
そんな気持ちを込めて、とりあえず男勝りな私を見せつけた。
この曲を聴くと、
涙が止まらなくなる。槇原の曲。
何となくこの曲を姉に送ってみた。
目に焼きついた悲しそうな君の顔に問いかけながら。
どんな時もありがとうと言える自分に。
君のおかげでこんな気持ちになれたありがとう。