1970 Ch.Haut Brion オーブリオン
第1級ワイン1970年CH.Haut Brion(オーブリオン)です。
WS誌は94点を与え複雑なアロマと滑らかで長い後味を持ったクラッシーなワインだと記しています。
フランス・ボルドー地方の第1級シャトー。これも1855年の格付けでは例外的なエピソードを持つ。詳しく言えばこの格付けは「メドック地区」の格付けなのだが、シャトーオーブリオンは唯一そこの地区以外でエントリーされ、しかも第1級の格付けを得ている。1855年の時点で既に、実力と名声を持つこのシャトーを無視した格付けはできなかったと言われている。
1855年のメドックの格付けで、当時からあまりにも有名だったために、例外的にグラーブ地区から選ばれ、1級という栄誉を与えられた歴史的シャトーがオー・ブリオンです。それもそのはず、オー・ブリオンの名声は、当時すでにヨーロッパ全土に広まる勢いだったのですから。
オー・ブリオンが誕生したのは1550年。その後、「滓引き」「ウイヤージュ(補酒)」といった手法を初めて取り入れるなど技術革命を起こし、イギリス市場に進出。1666年、ロンドンにオー・ブリオンを供する居酒屋ができると、このワインは大評判となりました。
その後、オー・ブリオンは、ナポレオン戦争で敗れたフランスの救世主となります。国の崩壊という危機に追い込まれていたフランスの外相タレイランは、敗戦国の処遇を決める1814年の「ウィーン会議」で、連日連夜、各国代表に豪華な料理とオー・ブリオンを振る舞いました。これによって各国代表も態度を軟化させ、フランスは敗戦国でありながら領土をほとんど失うことなく乗り切ることができたのです。
まさに“フランスの救世主”ともいえるオー・ブリオンの名声は、瞬く間にヨーロッパ全土に広まっていきました。特例としてメドックの格付1級に加えられているのも当然のことなのかもしれません。
オー・ブリオンは、五大シャトーの中で最も“エレガント”“香り高い”と評される一方で、“軽い”“外交的”とも言われていますが、決して軽いという訳ではありません。他の4つのメドックのワインに比べると、メルローの比率が高いため、渋みが少なく柔らかさがあり、グラーヴ地区らしい香りや味の調和のとれた、とても親しみやすいワインなのです。
それに加えて、優れた凝縮感を持ち合わせていて、いい年のものは、若いうちから飲みやすいにも関わらず、ゆっくり寝かせると重みとともに滑らかな舌触りも増し、30年の熟成にも耐えることから、五大シャトーで“最も飲み頃の期間が長い”とも言われています。
類まれな豊かな香りとともに、タンニンの殻に邪魔されることなく、複雑でエレガントな風味と、まろやかでたっぷりとした旨味を楽しめることができる、極上の美酒オー・ブリオン。その味わいに触れてみると、多くの者の心を動かし、歴史さえも変えてきた理由がお分かりいただけることでしょう。かつてフランスという国をも救ったオー・ブリオンは、今でも社交の場で最高の働きをしてくれる、とっておきの1本なのです。
生産地:Graves, Bordeaux, France
ボルドーワインの歴史をひもとくと、その中でも最初に造られ、輸出されたのがこのグラーヴ(現在のペサック・レオニャンを含む栽培地区)のワインであると記録されています。1152年から1453年にかけて、フランスのこの地方がイギリスの領有下にあった頃、樽詰めのグラーヴのワインが英国に向けて船積みされていたそうです。シャトー・オー・ブリオンについては1663年にイギリスの作家サミュエル・ピープス(Samuel Pypes)の日記にその存在が記され、高く評価されています。その後ジョン・ロック、デュフォー、スイフト等にも賞賛され、フランス革命の前夜には後のアメリカ大統領、トマス・ジェファーソンが訪問しました。ボルドーの著名なシャトーの中でもオー・ブリオンはいちばん市街に近く、ボルドー市から避暑地のアルカションに向かう小さな街道をたどると、どうしてこのような街中にと思わせるように突然その姿を現します。広さ約45ヘクタールほどのぶどう園から約1万2000ケースの赤ワインが造られ、その10分の1の量しかありませんがコクのある素晴しい辛口の白ワインも造られています。この赤ワインは香り高く繊細で、柔らかみがあり、グラーヴのワインの中では軽く、タンニンが少ない方といえます。
〈フランス製・ボルドー地方ペサック・レオニャン地区ペサック村〉●生産者:シャトー・オー・ブリオン●内容:750ml●ぶどうの品種:カベルネ・ソーヴィニヨン種 55%、カベルネ・フラン種 20%、 メルロー種 25%●お召し上がりの温度:約18度
※割合はヴィンテージにより異なります。
口感: Full Body