火花 | フランス語学習ブログ
世間は夏休みなので久々に読書ブログです。

発売当初にカフェで試し読み可能な本屋さんで冒頭部分を読んではいたのですが、芥川賞受賞が決まって、すぐに続きを読みたくなったのでKindleで読みました。

でも、1000円も出すのは短編ゆえ惜しいので、hontoの割引クーポンで、半額で買いました(ごめん)

結果、この夏の課題図書に全国のお笑い好きのお子さんに推薦したいです(笑)
いやもう、この夏は、太宰治か芥川龍ちゃんか、又吉で決まりでしょ。

火花 (文春e-book)/文藝春秋

¥価格不明
Amazon.co.jp

大阪から東京に出て来たお笑いの現場をくぐり抜けて来た又吉にしか書けない、お笑い文学だと思いました。
漫才をここまで格調高く描くとは、さすがのロザンもまだ未踏の地だったことでしょう。
でも菅ちゃんなら書けるかも。すでに著書も数冊あるしね。

井の頭公園や、ライブ会場の様子が目に浮かぶような臨場感あふれる筆致でした。
すでにドラマ化か映画化の話もあるそうですが、今から見るのが楽しみです。

読み終わって、花火大会×火花×スパークスを上手く掛けたな、とタイトルの付け方にも感じ入りました。
漫才界の火花散るドロドロさの中に、清涼感あふれる潔い身の引き方とラスト。
冒頭を読んだ時の予想は、もっと陰湿な終わり方かと思いきや、これぞ又吉文学だなあと嬉しくなりました。
Amazonのレビューは当てにならなかった。あれはお笑いを知らない人か、文学を読み慣れていない人の感想ですね。

受賞してからの又吉の控えめで素直な喜びのコメントも良かったですね。
ちゃんと漫才の仕事もやると言い切ったのも素晴らしいです。

古館や小倉某の的外れコメントは、あれ絶対読んでないからだな、と思った(笑)
まあお笑いを身近に暮らしてないおもしろみのないキャスターには、読んでもわからないだろうね。
和田アキ子は読んだのにわからないって言ってたね。単に自分が読書に向いてないのに、本をおとしめてどうするんだ(笑)

これを機に、もっと文学作品も読み直そうと思います。
私も中学生の頃は太宰治や芥川、夏目漱石辺りをコンプリートする勢いで読みあさり、夏休みの読書感想文の宿題は友達の分まで引き受ける始末でしたが、高校くらいから大衆小説に走り、大学でまた日本近代文学の講義を取って芥川・夏目・太宰の黄金トリオに一時期戻ったという感じでした。

文学と普通の娯楽小説どちらも好きですが、やはり文学を読む時ってちょっと気合いを入れないと...それに一気に読まないと集中力に欠けてしまうので、夏休みの時間が取れる時こそ文学でしょう。

ちょうど、人間失格のフランス語版をみつけたので、買おうかな~、でもペーパーバックって文字が小さいので悩むところです。
自炊業者か誰か、Kindle化してくれないかな~...。OCRでフランス語も正確にできるものなんだろうか。(ちゃんと主人公の名前がYôzôになっていた)