【10飼猫】現代フットボールの攻撃戦術~サイドから中央への変遷編 | 【サッカー】ビアンコ猫のダメ人間妖精所【ユベントス】

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ユベントスとフットボール・サッカーについて、理屈バカがつらつらと書き綴るブログ。
毒がもれる舌はご愛嬌(笑)

皆さん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


さて、書く書く詐欺じゃないけど、いざ書くとなると何から書いたものか。
まず前提として現代サッカー、特に勝ち点3を目指すチームあっては確実に「ポゼッション」と「サイド」重視という流れがあります。
何でかって言うと「中央よりプレッシャーが少ない」から。
キープ(繋ぎ)がより容易で、攻撃では攻略が、守備では自陣ゴールから遠い位置でプレーを展開できる。
結論として守りを固められる中央を割るより効率がいいからです。
ここがスタートライン。
(ここ同意してもらえないと説明が更に長くなりますww)


【個人技・タレント重視】
スケジュールが過密になり、まとまった練習が出来ず組織力を高めるのに苦労していた時代。
時間を掛けて連携を合わせたりするより、少数のタレントで打開できるならそっちを選択するのは自然な流れ。
守備ならいざ知らず、攻撃ならその可能性は高い。そして守備に人数を割きにくいサイドなら十分にそれが可能(という判断)。
そしてそれをより多くより有利な状況で作るためにどーするかというのが次のステップ。
(時間は組織力を高める方に割いて、攻撃は個人に任せるところからスタート、的な?)


【スキル重視の流れ】
理由は大きく分けて2つあると思います。


・まずポゼッションを重視した方が効果が高い。
強い選手がいるといっても空中戦の勝率は高が知れてる。
だったらわざわざリスクを犯すより、高確率で成功するショートパスを繋いだ方が確実。
(空中戦やロングボールは極端な例ですが)


・こっちがボールを持ってチャンスを作るってことは相手のチャンスが減るってことでもある。
そのくらい主導権を握るメリットが大きいという時代。
カウンター狙いでもロングボールよりグランダーを繋ぐチームが多いしね。


つまり「スキル」さえあれば確実に繋げるパスでゲームをデザインできる。
言い方を変えると、一昔前は「無意味なポゼッション」がよく見られましたが、今はそれで採算の取れる水準が普及レベルまで来ているのだと感じています。
一昔前のようにいわゆる電柱系のフォワードに空中戦をさせてこぼれ球を狙うなんて不確実すぎるのです!(きりっ)
対してショートパスならより「効率」よく前線にボールを届けられる。
(当然これは空中戦の効果を否定するものではありませんが、拙者の趣味で多少悪意が含まれていますww)
これを踏まえて次のステップ。


【バルサの登場】
「確実に繋げるパスでゲームをデザインしたサイド攻撃」
この点において世界最高のフットボールをするのがバルサだということに異論のある人はかなり少ないでしょう。
(今はちょっと趣が違うけど時系列的にさ)
で、これに対抗すべくというか、守備組織の進化がある。
組織力ならタレントがいなくても整備できるし、かなりの効果が見込める。
特にスモールクラブならそのための練習時間にも困らない。


実際、「バスを止める」以上のブロック守備が出来るチームは珍しくなくなっていますよね。
こーなると単純にサイドを突くだけでは思うよーな効果が望めなくなってくる。
もしくはより大きな結果(得点)を目指して攻撃も進化する。


【整備された守備組織への対抗策としての流動性】
これは単純にマークを外すための動きをしやすくすると同時に、守備時のリスクを抱えるんだけど、現代フットボールがそこまで正確にプレイをデザインできるという意味でもあります。
不用意にボールをロストすれば守備陣形を整えるのが困難になるけど、そのリスクより攻撃面でのメリットの方が大きいということ。
相手目線で見れば流動性のある攻撃で、ボールを取ったときの自分達の陣形が崩れている。
ある意味ゾーンディフェンスのメリット(攻撃時に同じセットからスタートできる)を失くすとも言えますね。


他にもいわゆる旋回や入れ代わりなどがメカニズムとして組み込めるよーになったんですね。
サッカーもハンドボールやバスケのよーに、手でボールを扱うがごとくゲームをデザイン出来る時代なんです(きりりっ)
フットサルがもっと高度なのでまだ進化はするんでしょ。スゲー。
アメフトはちょっとハイレベルすぎてよく分かりません。


【ゼロトップ化】
象徴的なのがメッシやテベス、アグエロ、ルーニー、ファンペルシなど純粋なセンターフォワードとは言えない選手のトップ起用。
より正確に言えば1トップ起用。
彼らがポゼッション・チャンスメイク・組み立てに参加することで相手センターバックに特定のマークを与えない。
そこに誰かが飛び込むことでディフェンスの難易度が上がるのは明らか。


また効率という意味でも効果を発揮してるでしょう。
簡単に言うと、5割の確率で決める純粋なストライカーに10回チャンスを回すより、3割の確率で決める前述のような選手を起用して20回チャンスを作った方が点が取れるということ。
もちろん彼らは「嗅覚」では劣ってもバリエーションや精度などで勝るのでそのままの意味ではありませんが、前線で一人多くポゼッションに加わるのはそのくらい大きい。


【中央攻略】
この流動性とポゼッションを以って直接真ん中を攻略しようという動き。
そりゃ直接ゴールに向かえるならわざわざ回り道する必要はない。
当然、より強くゴールを狙えばリスクもあるし、前述の条件をクリアしてないと採算割れの可能性も高い。
それでもこれだけ高いレベルで動きを計算できる、繰り返し同じことができるならその価値がある。


そして体系化されてくればゼロトップまで行かなくても足元のあるプリマプンタで事足りる。
もしくはそれを含めての「バランス」という次元になってくる。
つまりマックスまでポゼッション(繋ぐ確率)を高めなくても再現性を担保できて、それならより決定力の高い、ゴール前で仕事をする選手を選択できるよーになる。
もっと言えばこのレベルのチームはそれらを両立するよーなタレントを抱えている。


【サイド攻撃】
単純なサイド攻撃から中央に攻略ポイントが移った体で話をしましたが、では主戦場ではなくなったサイドは誰が担うのか。
現状ではサイドバックと答えるのが正解なのでしょーか。


ただ、個人的には前線の両翼もまずはサイドを狙うべきだと思います。
中央を崩す意識ばかり高まると、守備側はエリア内にバスを止めます。
始めからこれありきではいかにタレントが揃っていてもさすがに崩す方も苦しい。
中央を狙うにしても、まずはサイドに脅威を与えて相手の守備ブロックを広げた上で攻略に掛かるべき。
めんどくさいけどさ。
(で、相手はより正確にその裏を突ける時代。)


【まとめ】
サイド攻撃→スキル重視→バルサの登場→守備組織の進化→中央への移動→ゼロトップなど攻撃戦術の進化(イマココ)
(順番は主観にもよると思うのでなんとなくで)
重要なのは攻略ポイントがサイドから中央に移ってきたってことと、スキル重視の流れで正確にゲームをデザインできる時代になったということ。
そして正確にゲームをデザインできるなら、それに対応して守備組織も進化し、それに対抗して攻撃も、、、という点です。


【おまけ:注意】
ただ、これはいわゆる最先端のクラブ、チャンピオンズリーグを狙うようなビッグクラブから受けた印象。
タレントを揃えられて、ドローより勝ち点3を取るべきクラブでの話。
同じことをスモールクラブでやろうとすれば採算が取れない可能性は十二分にある。
だからどっかを取捨選択して黒字にするか、理想に殉じるかってことになりますよね。


 


でわでわByeByePOOヽ(`▽´)/

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