作っても作っても飽きない煮りんごがあります。好きなお茶の香味をしみこませた煮りんご。おいしく飲んだあとの茶葉を使います。
茶殻といっても、香味が薄くなりすぎる前のものを使うのがポイント。そうしないと、そのお茶の特徴が分かりにくくなってしまうようです。
今回使ったのは、東方美人(とうほうびじん)というウーロン茶。東方美人は、ウーロン茶の中でも発酵度が高いため、紅茶に近い色と味を持つのが特徴。
苦くて茶色いウーロン茶ではありません。ほんのり甘みがあり、熟した果物のようないい香りがするお茶です。
もとの茶葉はこんなふうに、5色がまじった美しい色合いであることから、五色茶ともいわれるお茶。
日本茶と違い、何煎も飲める台湾茶は、最後に水出し茶にしたり、お料理に使ったりと、様々な使い方ができるのが嬉しいところ。
普通の煮りんごと比べると、お茶の色がたっぷりとしみこんでいるのがよく分かります。
長い時間煮込むのが面倒なときは、あらかじめレンジでチン。やわらかくなったりんごと、りんごから出た水分を一緒に小鍋に移したら、濃い目に淹れた東方美人にグラニュー糖を溶かしたものを加えて弱火で煮込みます。
お茶パックに入れた茶葉も加えて、一緒に煮込みます。キッチンいっぱいに東方美人のいい香りがたちこめて、煮込んでいる間中、うっとり癒されます。
たくさんのりんごが手元にあるときには、いろんなお茶を飲んだあとに、茶葉でりんごを煮てみると、お茶そのものの香味がぎゅっと詰まったものができたり、意外にさっぱり味のものができたりと、毎回違うスイーツとして楽しむことができます。
今回の煮りんごは、誰が食べても「東方美人だ!」と分かるような、おいしい東方美人味に仕上がりました。好きなお茶でりんごを煮る楽しみにはまっています。