普通は「天国から地獄へ」が使うべきキャッチフレーズだ。
しかし、今の私はまさに地獄から天国
何から書き始めれば良いか、よくわからない。
毎日、自分の気持ちもかなり動揺している。
不意ではあるが、妊娠したのだ。
1ヶ月少し前、EMMA ALICEの再検査を受けていた。
1回目の検査で引っかかって、抗生剤+ラクトバチルスを増やすための膣剤を使って治療した。
再検査の結果も書いていなかったが、治療のおかげでラクトバチルスが増えていた。
ようやく治療を終えて、次回移植へたどり着いた。
結果↓
EMMA ALICEの再検査を受けて、結果が出るのに約1ヶ月ということで、この期間は本当に何の治療もしなかった。
久しぶりに薬(エストラーナテープとか膣剤とか抗生剤とか、経口ホルモン剤)も何もなしで、持病のSLEの薬と普段から飲んでいるサプリ(葉酸とかビタミンD、ビタミンC、コエンザイムQ10)等のみだった。
不妊治療で使う薬は自分には合っていなくて(持病の関節痛が特に悪化する)、夫にも体外受精は諦めようかとかよく弱音を吐いていた。本当に体に負担なのだ。
なので、久しぶりに薬から抜け出して、休薬期間で少し体も楽になってきたかな?という感じだった。
けど、EMMA ALICEの再検査の結果を聞きにいく少し前に、生理?と思われる出血が始まった。
前回の生理開始から22日目くらいに。
前にも、医師から卵巣機能の低下の話を聞いていて、プレ更年期になるとホルモンバランスが崩れて不正出血があったり、生理周期が短くなるということを知っていた。
なので、自分にもその現象が始まりはじめたのかと、とても落胆した。前々回の生理も24日周期で、体外受精やホルモン補充を繰り返している影響もあるのか、うまくホルモンバランスが戻ってないのかなと心配していた。
出血が始まった数日後にクリニックを受診して、EMMA ALICEの再検査の結果を聞いて、次は移植周期にしましょうという流れだった。
その際に、数日前からすでに出血が始まっていることを伝え、ホルモンバランスの乱れ、卵巣機能の低下についても心配であることを相談した。
ホーラックは体外受精に強みのあるクリニックなので、その日担当してくれた医師(男性)の見解では、不正出血はそれほど問題ではなく、移植もホルモン補充をすれば良いということだった。
それよりも1年以上あいているので、AMHを確認しておきましょうと話があった。
(ホーラックは多分難治性の不妊患者が多いのだろと思われる。生理不順や、不正出血がある患者も多く、それ自体を積極的に治療するのではなく、体外受精で卵子が取れるかどうかが重要であるという考えが強いように感じた)
AMHの数値で、あとどのくらい治療が継続できるのか?どれくらい採卵数が見込めるのか?当たり前だが、医師の中で大体の感覚があるのだろう。体外受精はある程度移植を繰り返せば累積での結果はついてくる?という考えかもしれない。←あまり正確には聞けていない。
なので、その日もとりあえず次回は移植周期で、AMHは測定しておいて、仮に陰性でも次の治療計画を進めていきましょうという感じで診察は終了だった。
この日以降も暫く毎日出血が続いていた。
おりものレベルではなく、結構しっかり出血した日もあった。特に朝が1番多くて、夜になるとほとんど出血しないみたいな日もあった気がする。
けれど、これが、自分の卵巣機能の低下やホルモンバランスの乱れからくるものだと思っていて、ダラダラと出血が続くことに毎日気分も落ち込んだ。
「卵巣機能低下」とか「早発閉経」とか色々ネットで検索していた。
早発閉経は40歳以下で生理が止まって、卵巣が機能しなくなることを指しているが、その原因に、全身性紅斑性狼瘡(SLE)などの自己免疫疾患という一文があって、さらに落ち込んだ。これ、まさに私では?って。
AMHの結果次第ではあるけれど、もう体外受精すらできない(卵子が取れない)日も近づいているんじゃないかって不安に駆られて、なかなか気分的にも切り替えられなかった。
生理と思われる出血が始まって、13日くらい経過してもまだ出血は止まらなかった。
初日からの数日間ほどの出血量ではないけど、毎日少しずつ出血が続いている。
医師も様子見で大丈夫って説明だったけど、次回は凍結胚盤胞の移植を控えていて、こんなダラダラ出血が続いているホルモンバランスで、本当に大丈夫なのか?ってこれも不安になった。
これまで採卵8回くらいチャレンジして、唯一できた胚盤胞なのだ。あとは低グレードの初期胚。
胚盤胞のグレードは良くないかもしれないけど、はじめてできた移植基準を満たす胚盤胞を、万全な状態で移植したい。
そのために、トリオ検査も受けて、最適な着床時期を調べてもらって、ラクトバチルスで子宮環境も整えた。
不正出血が2週間近くも続いているのだから一度、ホルモン剤でリセットしてもらって、私の体には負担だけど、しっかりサイクルを作って、ホルモン補充してベストな状態で移植をしたいと思って、出血から2週目の日に再度クリニックを受診した。
診察室に入るとまず、前回のAMHの測定結果の用紙が置かれていて、結果は1.19だった。
私の年齢からすると、これは低い。1というのは平均年齢では40代半ばくらいの平均値で、これも地味にへこむ。
しかし、前述の通り、ホーラックにはもっと難治な患者が多いのだろう。この日の担当医師(副院長・女性)も、そこまで不安に思う数値ではない、大丈夫です、頑張りましょうという伝え方だった。
まあ、AMHは卵巣予備能を示していて、伝え方によっては、患者に極度な不安や誤解を与えかねないので、前向きに、慎重に伝えているのかもしれないが…。(患者への配慮?)
そして、出血が2週間も続いていること、次が移植周期なので、止血をお願いしたいことを伝えて、エコーで念の為出血の状況を見てもらった。
最初は、子宮口の確認をしてもらって、少しびらん?炎症があるみたいたことを言われたが、これは問題ではないということだった。
そして、エコーで確認してもらうと、「え、妊娠してます!」、「胎嚢が見えますよ」と伝えられた。
医師も私も、かなり衝撃的で、少し言葉を失った。
全くそんな言葉を予想していなかったし、いや、生理不順(不正出血?)で22日目という早い日から出血が始まって、まだ止まっていないのが心配で受診しているのだが????
と、なんだか展開についていけなかった。
先生からとりあえず、もう一度診察室に戻って話しましょうと伝えられ、エコーは終了した。
本当に頭がついていかなくて、え、妊娠?、いや確かに、排卵日付近を狙ってセックスはした(←もう最近は頑張ったという感じ)が、これまで人生で一度すら自然妊娠していないのに、本当なのか??と半信半疑だった。
診察室で、エコーの写真を見せてもらった。すると、子宮の真ん中くらいに、黒い丸い形のものがうつっていた。(胎嚢というらしいが、そもそも妊娠すらしたことがないので、自分の知識はそこまでアップデートできてなかった)
まさか、妊娠という結果など想像もしていなくて、何も大した質問もできず、ただ医師の説明を聞いていただけだった。
最後の方で、少し頭がさえ、今出血が続いているということは、流産のリスクが高いのか?何か対策できることはないかを聞いて、自費ではあるけれど、黄体ホルモンの膣剤(ルテウム)を1日2回で処方してもらった。
あと、抗リン脂質抗体があるので、普段バイアスピリンを服用しているけれど、ヘパリン注射も開始しましょうということで、ルテウム、バイアスピリン、ヘパリン処置で1週間後、診察ということになった。
自然妊娠なので、受精、着床日は特定できないけど、hcgだけは測定しておきましょうということで採血してから帰宅することに。しかし、診察室を出たあと、再度看護師からTELがきて、今日採血して結果が出るまで30分~1時間くらい待ってほしいと言われ、承諾した。
少し待って採血して、また40分くらい待ち時間があった。
(この日は1時半くらいにクリニックに入って、診察→採血→結果後診察→薬の処方→看護師とヘパリン注射実施→会計でクリニックを出たら6時前になっていた)
採血してもらって確認したhcgは、8300。
今まで、移植判定で、ほぼ0、陰性の結果しかみたことない私には、こんな数値が出るのか!と無知のまるだしだった。
この数値が適正なのかどうかも質問できず、とりあえず、妊娠しているのであれば、自分のできる最良の行動をして、流産のリスクを下げなければという考えしか思い浮かばなかった。
あとから調べると、初期流産はほとんどが受精卵の染色体の問題で、母体側でできることはないというのが一般的な認識なのだと知ったが、現に、今出血が続いているのだし、自分には抗リン脂質抗体があるし、SLE(自己免疫疾患)もある。子宮のラクトバチルスも治療したばかりだ。
帰りの電車の中で、少し冷静になりながら、自分のやれることは全てやらないといけないと思った。
例え、出血が止まらなくて流産の結末を迎えるとしても、自分でできる対策を全て尽くしたうえで、流産になるのと、そうでないのでは、自分の後悔、納得感が全然違う。
そう、思い出した。
私は、例え結果が出ず、不妊治療を終える結末であったとしても、自分のできる最大限のことをして、納得して治療を終えたいと思って、ホーラックまで転院してきたんだった。
前の病院で、なかなか受精がうまくいかなくて、1度移植したが、陰性で、その時もAMHは平均より低かった。
ここで、体外受精を繰り返すより、関西で実績のある、技術力の高いクリニックで頑張ろうと決意をしたのだ。
IVFグループは本当に昔からの不妊治療専門のクリニックで、実績は然ることながら、学会活動や、業界内での交流も積極的に見えるし、生殖医療全体の向上に尽力しているクリニックだと私は判断している。先生方の論文数なんかも少し検索した。内容までは深く理解できないけど、難しい症例にも取り組んでいるのだということは私にもわかる。
だから、このクリニックで不妊治療に取り組んで、結果が出なくても、それは今の生殖医療の技術では難しい又は、自分には年齢や病歴の問題で難しかったと納得して諦めることができると思った。
ネガティブな考え方だが、期待ではなく諦めることが決断できるクリニックだと思ったのだ。
そして、不意に訪れた自然妊娠。
なぜ今まで妊娠しなかったのだろう?
原因はSLEかもしれないし、直前に治療した子宮のラクトバチルスかもしれないし、夫の男性不妊(逆行性射精)かもしれないし、その全部かもしれない。
けれど、1つ1つ対策し、治療を継続してきたことで、今、奇跡に辿り着いた。
この事実だけでも、ホーラックに通って本当に良かったと思えた。