多くの野生生物を支える豊かな森と海 | 山梨市日和♪~みんなでやるじゃん~

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北海道目梨郡羅臼町へ知床世界自然遺産地域について、並びにこれまでの歩みと行政の取り組みを伺ってきました。

アイヌが「シリエ-トク(大地の果てる所)」と呼んだ知床半島。

お出迎えいただきました湊屋町長がサファリパークというように、森にはヒグマ、海にはシャチ、空にはワシが生息しています。

アイヌの人々はそうした自然の動物を「カムイ(神)」と称し長い年月共生してきました。

国は今から55年前の1964年に知床国立公園に指定。

1971年には知床旅情が大ヒットして観光客が増加しました。

その後、1993年の屋久島、白神山地の世界遺産登録を契機に、1999年に羅臼町・斜里町がともに国へ働きかけを開始しました。

知床は、国立公園内の95%が自然植生であり、高い原始性を持った自然を有しておりますが、類似の景観や生態系は極東ロシアにもっと広がっており、それら世界遺産に匹敵するほどの価値を見出すことが出来ず挫折しました。

2003年、環境省・林野庁による検討会にて新たに知床の海の豊かさ、海と陸との生態系の相互関係が、自然遺産の要件である「顕著で普遍的な価値」に合致すると評価されついに国内選定されました。

2005年7月17日、足掛け6年、漁業者の反発や、さまざまな課題を乗り越えて、世界自然遺産登録されました。

登録の背景にはやはり地元地域の後押しがあったことが1番だと感じました。

その後、希有な陸と海との生物多様性を管理すべく、環境省、林野庁、北海道、構成自治体や地域団体、漁港、ビジターセンターなどを管理運営する知床財団などが連絡調整する中で、専門家から構成される科学委員会や様々なマーキンググループによって適正利用や管理が行われています。

また、行政では地域が関われる仕組みづくりということで、学校教育への自然教育や保護に向けての環境づくりや自然動物への餌やりの禁止の徹底、ならびに安全対策としての電気柵の設置、などサポートをしていました。

そしてなんといっても専門的な見地から30年の活動を続け、知床の自然を調査研究して自然教育にも力を入れている知床財団の力が大きいのだと感じました。

約1000人の会員とともに様々な委託事業、自主事業を実施‼︎

年間で約50の事業を行っています。

その総額は3億円を超えています。

今後は10年計画で自主財源の比率を上げるべく、チャレンジをしていくそうですが、本市においても世界農業遺産、甲武信エコパーク登録を経て、生物多様性や普遍的価値を灯台下暗しの市民にどのように価値ある宝として地域の合意や支援を受けていくのか?

先ずは共生社会のあり方や自然との対峙をもっと深く学んで、今後の観光や地場の取り組みにつなげていきたいと思います。