*****根津質問*****
議案第75号 平成25年度山梨市一般会計補正予算についてお伺いいたします。
今回の補正予算は、本年3月11日に訴えの提起の議決を受けて、株式会社シー・シー・ダブルに対し、旧庁舎の明け渡し請求等を求め、3月22日に甲府地方裁判所に不動産仮処分命令申立書を送付したことに始まります。
退去に対して同意に至らない問題点は、山梨市からは移転実費200万円の提示、シー・シー・ダブル側の請求額は立ち退き料が1,500万円、さらに移転実費として1,968万1,595円、合計で3,468万1,595円となり、双方の意見に大きな差があったためであります。
4月17日、5月7日、5月28日の3回に及ぶ審尋を経て、5月28日に不動産仮処分命令申立を取り下げ、土地建物明け渡し等請求事件の訴状を甲府地裁に提出し、7月9日の第1回口頭弁論において裁判所の和解案として1,000万円という解決金が提示されましたが、解決金の金額について錯綜した情報が入ってきたため、確認する必要があることから、7月23日、裁判所の和解案を受け入れることのできない回答を提出、同30日の第2回弁論準備においても合意に至りませんでした。その後、それらの情報については間違いであることが確認され、新図書館本体工事に活用する予定の森林整備加速化・林業再生事業の補助金約2億2,000万円期限が迫ることから、市では総合的に判断し、9月13日に和解条件の骨子(案)占有権限がないことを確認すること、本年12月20日までに旧庁舎の明け渡しをすること、解決金1,000万円、10月末日に半額500万円、明け渡しと引きかえに残り500万円を支払うこと、賃貸契約期限後に賃貸料として供託しておいた賃金のうち平成24年11月分から平成25年5月までの114万1,140円を市、平成25年6月分から8月分までの48万9,060円をシー・シー・ダブルに分配することを、今補正予算の議決を条件に和解に合意する旨であります。
そこで、お伺いいたします。今回の、旧庁舎の貸し付け契約の解除ないし退去については、3月議会、訴えの提起の答弁において、借地借家法ではなく、地方自治法238条の5第4項の規定が適用されると答弁しておりますが、現在は、更新拒絶により、借地借家法26条、28条が適用され、シー・シー・ダブルとの土地建物賃貸契約書の第2条にある特段の事由が条件闘争となっております。
なぜ、市側に瑕疵がないのにもかかわらず、1,000万円もの解決金を支払うのか、私には到底理解できません。そもそも、3月議会での答弁内容の計画によれば、今回、公共の図書館を建設することから地方自治法の適用がされ、市側には支払い義務がないものと思います。補正予算額1,000万円はとても大きな額ですので、市民に合意形成が得られるとは思えません。
また、市からの損害賠償として考えられる賠償は、建設工事が計画どおりに進捗しないことにより補助金が得られないこととなった場合の補助金額に相当する金額を考えていると答弁しております。新図書館本体工事に活用する予定の森林整備加速化・林業再生事業の補助金約2億2,000万円が交付されない場合、議案32号で議決したとおり、地方自治法による損害賠償請求するのが筋だと思いますが、市のお考えをお聞かせください。
*****市長答弁*****
損害賠償請求についてであります。
本年3月11日に全会一致で可決していただいた訴えの提起の中でも、提起する理由として、損害賠償請求の記述がありますので、仮に和解に至らなかった場合には、活用できなくなる県補助金約2億2,000万円などの損害についてシー・シー・ダブルに求めていくことも検討しなければならないと考えております。しかしながら、裁判において本市の主張が全面的に認められ、損害賠償として請求した全額の支払いが言い渡されるかどうか保障はございません。市としては損害賠償として訴訟を起こすことより、補助金が活用できる和解を選択することのほうが賢明だと考えております。
*****根津再質問*****
補助金問題が今回の争点になっている答弁をされておりますが、県や国もシー・シー・ダブル側と訴訟問題に発展している経緯を重々認識しているものと思います。補正予算の議決もそうですが、不本意ですが、裁判に至る経緯を国や県にしっかりと説明を果たせば、正当性を理解していただけるものと考えます。また、新図書館建設工事は、現時点では未発注であり、補助金が減額されるのであれば設計計画も予算を縮小して対応すれば、図書館建設には支障がないものと考えます。
市に落ち度がないのにもかかわらず、今回和解案で市が1,000万円もの解決金を支出することは、市民から見れば、市には何らかの落ち度があったのではないかと思われてしまうのではないでしょうか。
合併特例債の期限も平成31年度まで延長されております。そのため、本訴訟もおおむね1年で結審すると言われております。それまでは、新図書館については、事業を一時凍結し、市の正当性を証明することのほうが私は先決と考えますが、いかがでしょうか。再質問をお願いいたします。
*****市長答弁*****
補助金の活用についてでありますけれども、県の森林整備加速化・林業再生補助金、あるいは社会資本整備総合交付金、元気臨時交付金、新エネルギー推進協議会の補助金を全て合わせますと3億6,000万円であります。
この補助金は、ある制度があって、誰でも申請すれば誰にでも交付していただけるという補助金ではございません。特に森林整備加速化・林業再生補助金については1件当たりの単価が高額であり、山梨市としては大変な努力をしながら採択をしていただいたものでありますし、また、来年度のこの継続は不透明でございます。いずれにしても、その他の交付金についても、当初の計画に基づいて交付を決定していただいたものでありまして、そうたやすく変更するということは難しいものでありますし、仮に、特に森林整備の補助金などを山梨市が不執行とした場合には、これは県も大変困るでありましょうし、国も当然のことながら大変困るでありましょう。国や県に大変なご迷惑をおかけすることにもなるわけであります。新しい制度が出てくるだろうという、そういうお話もありましたが、そういうような補助金ではないというふうに思っておりまして、今回のこの機会を逃すとほかの事業にも、特に森林整備加速化補助金を不執行にした場合には、山梨市における他のさまざまな事業の交付金、補助金等の事業に大きな影響を与えるものと思っております。
一方で、その1,000万円が妥当かというお話がございます。私どもも、7月9日の和解案提示の際にはなかなか受け入れが難しかった。このことは、前にも申し上げましたさまざまな錯綜した情報が入っていたことなどもありまして、その後も私どもとすれば、仮に1,000万円の和解について受け入れるにはどうしたらいいのか、説明が大変難しいのでないかということについても執行部の中で本当に悩みながら、少しでも解決金が低くなるような方策はないものか模索をいたしましたが、見込みがございませんでした。
そういう中で、時期が遅くなったことについては、確かに時間がかかりましたけれども、この時期に総合的な判断をして和解案を受け入れる以外に方法はないというふうに判断をいたしたところでありますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
*****根津再々質問*****
1,000万円は大変大きな額であります。
もう一度お伺いいたしますが、新図書館建設は借地借家法では特段の事由には当たらないのではないかと、私は思っております。しかし、地方自治法の238条の5第4項では、間違いなく特段の事由に当たると思います。シー・シー・ダブルとの契約書の冒頭にもありますように、山梨市は企業誘致に資するため、旧庁舎を貸し出したのが本来の目的でありました。3年の契約でシー・シー・ダブル側からいただいた旧庁舎の賃料は約550万円。その4分の1は市が補助金を出しており、さらに入居の際に整備費として400万円になる初期投資を行っております。今回、退去に際し、1,000万円の和解金を捻出することとなれば、企業誘致により歳入を増やすどころか、市は歳出をしただけで大損をしたことになります。
このことから見ても、今回の補正予算は納得がいきません。市は損失をどのように考えているのか、お考えをお聞かせください。
*****市長答弁*****
まさに、シー・シー・ダブルの和解金、解決金1,000万円だけとらえれば、そのことは、十分おっしゃることはよくわかります。私どもとしても、大変悩んだ結果として受け入れをしたわけでありますが、それは繰り返して申し上げますけれども、新図書館建設事業につきまして多くの特定財源を確保して、しかし、それもせっかく確保してありますので、これを逃すと、図書館の建設については大きな支障が生じざるを得ないと考えまして、総合的に判断をした結果として和解を受け入れることにいたしたところでありますので、ぜひご理解をいただきたいと思いますし、また今後、市民の皆様にも丁寧に説明をしていきたいと思っております。
*****根津答弁*****
1,000万円は尊い市民の税金であります。市民が主役である行政運営をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。