メディカル・デイリー誌からの情報シェアです♪
ボクは1997年に『総合医科学研究大学院・分子遺伝学部門/難病治療研究部門』を修了して博士号を取得しましたが、
その時に与えられた研究テーマが
『神経ー免疫ー内分泌・ネットワーク』
という、相互の関連性・つながりについて解明せよなどと、
たかだか大学院博士課程の4年間で何かモノになるはずのない壮大な課題をいただきました。
当時は、各疾患に関連する遺伝子多型性の解析なんて、患者さん1人1人の遺伝子をいただいてきて、もの凄く要領悪く手間をかけてチマチマ調べていたものですが、
ちょっと医学を勉強すれば、それぞれに出てくる登場人物が一緒だったり、情報伝達物質が一緒だったりして、関連性は自ずと誰でも想像がつくようなものでした。
ただし、目に見えない。特に、脳は生きている患者さんの中を直接覗くことが出来ないので、病理学的な検討が出来ないのが大きな障壁となって立ちはだかりました。
当然、ボクの研究なんて、些末な知見をもって博士号授与と相成り、お粗末なものに終始してしまいましたw
あれから20年…
ようやく、本質をつくような発見がバージニア大学医学部の研究グループから『ネイチャー誌』に報告されました。
(中枢神経系リンパ管の構造的および機能的特徴)
Louveau A, Smirnov I, Keyes TJ, et al. Structural and functional features of central nervous system lymphatic vessels. Nature 523, 337–341, 2015.
http://www.nature.com/nature/journal/v523/n7560/full/nature14432.html
英語の専門用語だらけなので、
表題からはなんだか分からなくて当然ですが、
要するに、例えば「アルツハイマー型認知症」の患者さんでは、『アミロイドβ』という異常タンパク質が脳内に蓄積して神経毒性が発現してしまうという、世界中の医者が誰でも知っているような従来からの原因仮説について、
「免疫系と中枢神経系(脳)とのリンクが失われることによって、脳に毒性がある異常タンパク質を免疫系が処理できずに、脳内に蓄積させてしまうことが原因だ」
と、ちょっと考えれば当たり前のメカニズムが、やっと今頃になって証明されたという、地味に凄い大研究です!
物理学や数学のように目に見えない分野と違って、医学は自然科学なので、結果を目で見ることができる利点があるのですが、上記のように、生きている患者さんの脳は生検が出来ないなどの制約があるとたちまち手も足も出なくなってしまいます。
それでも、コツコツと地味な研究成果を積み重ねて、こうやって大きな成果へと繋げて行くのが医学研究の醍醐味でもあります。
♪ ((o(○`▽´○)o))♪ ワクワク♪
http://www.medicaldaily.com/discovery-missing-link-between-brain-and-immune-system-could-change-how-disease-336186?utm_term=Health+&+Wellness&linkId=25656485&utm_content=buffera3065&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer
世界の死因の第3位は『肺炎』ですが、
そろそろ、肺炎の引き金になる急性気管支炎やインフルエンザの季節がやってきます。
細菌が抗菌薬に対する耐性を獲得して、仲間に伝える仕組みが見事に図示されているので、出典を含めて情報シェアします。
実はこれ、旧課程では、高校の『生物2』で履修する内容だったのですが、どんどんゆとり(?)で内容が削られて、これも教科書から消えました。
こういう身近な健康に関わる教養は、削らないで欲しいものです。
もとい、
細菌による抗菌薬耐性の獲得と伝搬の機序について、簡単に解説します。
細菌同志は、自分たちを殺しにくる抗菌薬に対抗する解毒剤を作りだすために【アプリ】を開発します。
このアプリを『プラスミド』といいます。
「しめしめ、オレが作ったプラスミドが上手くワークして、ペニシリンの野郎を解毒してやったぞ」
「オレは、ホスミシンを解毒するアプリ作ったぞ」
「じゃあ、コピーして替えっこしようぜ❤」
「オレにもくれよー 」
下のアメリカ医師会雑誌の図のように、細菌同志がリング状のアプリ「プラスミド」をやり取りすることによって、
やつらは抗菌薬耐性を獲得して、それを世界中に拡げるのです。
古くからある抗菌薬ほど耐性プラスミドが出回っていて、抗生物質の元祖「ペニシリンG」などは90%耐性なので、気休めに使われているなどと言われます。
古い抗菌薬は効かない。でも、新しいものを使えば使うほど耐性が蔓延ってしまう。
その判断を的確に行うのが、感染症専門医の醍醐味です。
(´▽`)
〔出典〕
JAMA Review of Antimicrobial Resistance
https://www.facebook.com/jamainternalmedicine/posts/10155423818383521
