え?何これ?誰?誰? シカゴよりもシカゴな奴ら パート2 | チャーリーのファボミュー

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このブログはチャーリーが聴いた音楽の中で「これは良い!」と思った作品やアーティストを書き留めています。勢いのある旬な音楽を好むため自ずと若手中心になっています。たまに映画についても書いています。

パート1から続く


で?
Leonid & Friendsって誰?





Leonid Vorobyev(レオニード・ボロニエフ)がリーダーとなってロシア、ウクライナ、モルドバ、ベラルーシのミュージシャンを集めて、8th「未だ見ぬアメリカ」収録の隠れ名曲「Brand New Love Affair」を2014年に演奏・録画したのが始まり。



その後、動画が評判を呼び次々とシカゴカバーをアップしていき2017年に1stカバーアルバム「Chicagovich」2018年に続編「Chicagovich 2」をCDリリース、2019年にはアメリカツアーを敢行、シカゴオリジナルメンバーのロバート・ラムやダニエル・セラフィンと共演を果たしたり、テリー・キャスの娘ミッシェル・キャス・シンクレアと対面を果たしたり、本場アメリカで絶大なる歓迎を受けたそうだ。



驚きなのはスコアを全てLeonid自身が耳コピーしているということ。
中には生ストリングスの入る曲もあるのにそれらも全て耳コピーのようだ。
そしてそれを演奏しているメンバーの演奏技術の高いこと、恐らく本職のミュージシャンなのでしょう。それから何よりも全員が楽しそうに演奏している姿がハッピーな気持ちにさせる。



そして5人のヴォーカリストは個性は違えどみな上手い。
シカゴには3人のリードヴォーカリストがいるのだが、それに合わせた人選になっているところがそっくりの秘訣だと思う。




そしてレコーディングのミックスからマスタリングに至るすべて、さらにアップされている動画制作もすべてLeonid自身が行っているそうだ。
いやいやLeonidさん凄いよ!




メンバーは流動的なようだがオフィシャルサイトによると

現在(2021年2月)のメンバーは

Leonid Vorobyev (b,key,vo)
Sergey Kashirin (g,vo)
Vasilii Akimov (vo,g)
Serge Tiagniryadno (vo,g)
Igor Javad-Zade (ds)
Sergey Kurmacv (key)
Maxim Likhachev (tb)
Andrey Zyl (tp)
Oleg Kudryavtsev (sax)
Ksenia Buzina (vo)

ロシアの名前は馴染みなくて読めない(笑)
そう!彼らはロシアの人達なのだ。
シカゴ全盛だった70年代は未だソ連でアメリカと冷戦をしていた時代。
敵国の音楽を簡単に聴けなかったのでは?と想像する。
だから彼らはシカゴの演奏を見たことはないそうだ、まぁ当たり前だよな。
Leonidは言う
「70年代初頭ソ連ではエレキギターやドラムなど手にする環境はなく学校では自作の楽器を演奏するしかなかった。それでもビートルズ、CCR、ディープパープル、グランドファンクレイルロードなどのギターサウンドに憧れロックバンドを組んだが、同じリハーサル部屋には管楽器の連中も練習していて最初は邪魔に思っていたけどある日シカゴを知りすべてが変わった」そうだ。ブラスロックの魅力に取り憑かれちゃったんだな。
それにしてもレコードなんて売ってなかったろうしラジオで聴いたのかな?
今の時代になってようやくだけど、シカゴの完全コピーバンドがロシアから出てきたところが素晴らしい。(拍手)


メンバーについて少々

ヴォーカル低音担当Vasilii Akimovはシカゴカバーではテリー・キャス役だが、どちらかというとブルース・スプリングスティーンといった趣き。



ヴォーカル高音担当Serge Tiagniryadnoはシカゴカバーではピーター・セテラ役、長髪と髭が目印、気持ちイイ高音の伸びを聴かせる。



ギター&ヴォーカルSergey Kashirinは中音担当?シカゴカバーではロバート・ラム役、ギターは音作りまでテリー・キャスの完コピ、上手い。



そして紅一点Ksenia Buzinaは典型的なロシア美人、まずはその容姿に目が奪われる。中国語が堪能で中国でも知られるロシア人歌手、マルチリンガル。




ロシア語でvichが付くと「~の息子」という意味になるらしい。
Chicagovich シカゴの息子
粋なタイトルだ。タイトルと言えば
2019年夏のアメリカツアーのサブタイトルが

Back In The USA
なかなかユニークな連中じゃないか。