チャーリーズアワード2018 | チャーリーのファボミュー

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このブログはチャーリーが聴いた音楽の中で「これは良い!」と思った作品やアーティストを書き留めています。勢いのある旬な音楽を好むため自ずと若手中心になっています。たまに映画についても書いています。

チャーリーズアワード2018


もうすぐ2018年も終わる。
平成最後と世間が騒がしいとおり一つの節目になるのかもしれない。

今年も自分にとっての新しいアーティストとの出会いがあった。星の数ほどいるアーティストの全てを把握することは不可能なので、活動開始から久しく出会うケースがほとんどだ。
ファンの人にしてみれば「なぜ今頃?」と思うだろう。

チャーリーの場合、曲の良し悪しが決め手となるので、歌や演奏の巧さだけでは何も印象には残らない。その点が一般の人達とは違うと思うし、特にその曲を誰が作っているのか、演奏者本人が作っているのか、といった点が重要になってくる。
仮に演奏者本人が作っていなくてもプロジェクトチームで制作していればいいんだが、作家を外注し本人達が制作に関わらないケースは聴く気も起こらない。

そういう観点からインディーズシーンは大変興味深く素晴らしいアーティストが大勢いる。

そんな中からメジャーとかインディーズとか問わず今年最も印象に残って繰り返し聴いた、或いはライブを観に行ったアーティスト達を書き記しておこう。




マキアダチ 

今やムーブメントになった感もあるDAW女。作詞・作曲・編曲・演奏・歌・録音・ミックス、果てはジャケデザインからグッズ製作まで全てを自身でこなす才女。5月にリリースしたEP「OVERWHELMING」はズバ抜けたメロディセンスで展開される傑作が収められている。ライブでは打込みオケのソロスタイルやギターをかき鳴らすバンドスタイルも見せ、ポップ〜ロックの振り幅が広く楽しめた。





SMOKY & THE SUGAR GLIDER

斉藤麻里、なかむらしょーこ、藤澤有沙による3ピースバンド、ヘルプでSalleyの上口浩平さんが絡み、ライブでは熱量の高い濃密なアンサンブルが聴けた。
3月にリリースした1stミニアルバムが現状の全てだが3人が曲を持ち寄りスモグラカラーに統一された素晴らしい出来映えとなっている。





ましのみ

2月にメジャーデビューアルバム「ぺっとぼとリテラシー」、7月にはシングル「どうせ夏ならバテてみない?」をリリースした女子大生SSW。
キーボード弾語りスタイルだがエレポップ、アイドル然とした曲調ながらメロディにセンスの深さを感じる。
ライブでは早口でオーバーアクションのMCや突然始まる寸劇など演奏以外でも楽しめた。





高井息吹

ロリータヴォイスのピアノ弾語りSSW、ヒーリング系のスローな曲ではウィスパーでヌルリとした歌い方をしたかと思えばエモーショナルに張り上げ鬼気迫るパフォーマンスを見せる。
ピッチとかミスタッチとかに拘る無意味さを知らしめる次元の熱情が凄く、時にクラシカルに時にジャジーに切ないメロディを紡ぐセンスの良さを感じる。




SECONDWALL

紅一点ヴォーカルYUKAを擁する5ピース、メロディックパンクを基調としたポップロック。
6月リリースのフルアルバム「Beautiful Lie」は結成9年目にしてさらなる成長を見せた傑作だ。ハードでありながら弾け飛ぶ爽やかさがあり、曲の良さが光っている。





ずっと真夜中でいいのに。

全く情報がない中で6月にYouTubeにアップされた「秒針を噛む」がセンセーショナルだった。
ACAねの畳み掛けるようなヴォーカルが現代的ではあるが、古くから日本人を虜にするツボを押さえたマイナー進行が新しい歌謡曲に聞こえた。
11月リリースのメジャーデビュー作「正しい偽りからの起床」では毛色の違う曲もあり今後が楽しみだ。





美波

21歳とは思えない熟成された深みのある曲を書き、パワフルで伸びのある歌声を聴かせる女子大生SSW。YouTubeで「ライラック」を聴いてハマってしまった。
ウィスパーからファルセットまでフレーズにより声のタッチを変え、独特な金切りの歌い回しが個性的で強く印象付けられた。
年明け(2019年1月)に「カワキヲアメク」でメジャーデビューが決まっており、それに続き全国8ヶ所を回るツアーも予定され今後の活躍が期待される。





PAELLAS

3月にミニアルバム「Yours」リリース、10月と11月には配信シングルをリリースした4ピースバンド。
余計な音を削ぎ落とし洗練されたアンサンブルとMATTONのジェンダーレスなヴォーカルがクールに響き、夜の都会の風景を連想させて実に心地良い。
ライブでは汗の匂いのしないグルーブに身体を揺らされた。




showmore

根津まなみ、井上惇志によるポップユニット。
5月にアルバム「overnight」をリリース、8月と10月には配信シングルもリリース。
ジャジーでヒップな曲調がお洒落で、根津さんのヴォーカルが艶やかなフェロモンを醸し出し引き込まれた。




Mime

9月にフルアルバム「Capricious」をリリース、70年代ソウルミュージックをバックボーンにしたシティポップを奏でる5ピースバンド。とにかく上手い、曲が良い、只者ではない。
玄人好みのアレンジと難しいアンサンブルもさらりと聴かせる高い演奏技術に乗っかる凛としたひかりのヴォーカルが爽やかであり芳醇な味わいを出している。




kikivivilily

6月にWONK主催のイベント「EPISTROPH NIGHT」でのアクトが初見。ちょっとDream Amiぽい容姿そのまま可愛い歌声を聴かせる。
ソロ名義のアルバムは2年前の「Lovin' You」だけでDJ系のトラックに歌詞をはめ込んだ作りだが、いやいやそれが実に佳曲揃いでヘビロテした。
その後は客演ばかりなのでそろそろソロアルバムが聴きたいところだ。





Five New Old

1月にメジャー1stアルバム「Too Much Is Never Enough」、9月にはEP「For A Lonely Heart」をリリース。ブラックミュージックを基調とした4ピースバンド、シティポップよりもファンク寄り。英詞で歌われる楽曲が洋楽然としておりノリが良く、Hiroshiのパワフルヴォーカルが存在感を示しライブ映えした。





少年がミルク

3月にフルアルバム「トーキョー・ネコダマシー」をリリース、ハードなイメージからシティポップ寄りに舵を切った新境地を見せた快作。
短いセンテンスの歌詞の応酬で畳み掛ける歌とsyamの猫混じりベイビーヴォイスに起伏のあるメロディと陰のある楽想と凝ったアレンジが強烈なインパクトをもって惹きつけられた。
サウンドプロデュースの水谷和樹氏のセンスが光っている。





CRCK/LCKS(クラックラックス)

9月にアルバム「Double Rift」をリリース。
サックス・キーボードの小西遼氏を中心にジャズシーンでも活躍する実力派で組まれたバンドだけあって随所にニヤリとさせられる隠し味が散りばめられた上に、真っ直ぐな白さを持った小田朋美さんの歌がポップな親しみ易さを生み出している。ついつい “OK〜” と口をついて出るほどこびりついた。





惑星アブノーマル

やはり今年もこの人達を抜きには語れない。最早チャーリーの定番中の女王に君臨している。
8月に初のフルアルバム「私は怒りでできている」をリリース。
一時期のポップ志向から原点回帰的な作風を取り戻した感もあり、あたり構わず毒々しさを撒き散らしている。
こねくり回すTANEKO節が気分爽快にさせてくれる、ライブを観るとデトックス効果で健康になるような気もした。
来年3月29日にはワンマンライブも決定している、毒抜きにおススメです(笑)。






今年一年、頑張った全てのアーティストにお疲れ様でした。
来年も沢山のグッドミュージックに出会えますように。。。