オリンピックの金メダル獲得で、絶対に必要な条件が今回のタイトルだと、個人的に思っています。4年に一度(2024パリは3年でしたが・・・)の開催が、自分の選手キャリア絶頂期と重なる好運、メダル獲得にふさわしい実力は当然、そのサイクルが頂点に達するタイミング。2024年8月3日のレムコ・エヴェネプールには、すべてが揃っていました。しかも、一寸のズレもないほど完璧に…。
オバさんの推しライダーのひとりですが、正直、ロードでレムコの勝利はないと考えていました。コースの特性上、マチューが最有力だろうという多くの意見に、オバさんも賛同したのですが…。いや~、驚きましたよ。深夜にネットでリザルトを確認すれば、エッフェル塔をバックに天を仰ぐレムコの写真。すっごいですね~。世界選手権とオリンピックで、タイムトライアル&ロードの両方を制覇です。これ以上の高見って、ありますかね。
しかも、同じオリンピックでTTとロード両方の金メダル獲得は、史上初だそうで…。2019年にプロデビューしたときすでに半端ないスターオーラを発散しており、「この子はきっと、歴史に名前を刻むぞ」と感じたことを思い出しました。というワケで、パリオリンピックのロードレースに関して、ちょっと語ってみましょう。
普段、わたしたちが観戦しているワールドツアーのレースとは、ずいぶん異なるオリンピック。国別対抗、無線なし、そしてこれが一番異なる部分なんだけど、参戦するライダーたちの実力差が物凄く、こうした様子は世界選手権と同じですね。さらに、270㎞を超える長丁場では、ロードレースの超定番が展開。6時間越えのレースのうち4時間は、逃げ集団とプロトンが距離を消化するだけの時間となりました。
2021年の東京大会では午前4時半という時間帯で、しかも録画のダイジェストでしたが、1時間半ほどのテレビ放送がありました。しかし、オリンピックがヨーロッパへ行ってしまうと、日本の放送局はロードレースなど見向きもしません。ネット配信のT〇erでライブ配信したけど、仕事や家庭の「あれこれ」で録画できないとダメなんですよ。だから今回は、海外サイトの記事や動画サイトの短い映像の情報だけで語っております。
勝負どころを見極め、鋭く動いて分断し、喰らいついて来た者も「最後の一撃」で突き放し、そしてゴールへと独走。ライバルの誰もがみんな知っている、レムコ・エヴェネプール王道の勝ち方ですね。知っていても、結局、行かれてしまったのは、ベルギーのチーム戦略が無視できないと思います。レムコが事前に「ここで仕掛けるよ」と言った場所へ到達するまでに、逃げ集団とのタイムをエースが追いつける差に縮めたそうで、これぞまさにプロフェッショナル!です。272㎞のレースの残り38㎞で仕掛け、ゴールまで約15㎞で独走態勢に入ったレムコ。まさに彼の勝ちパターンを炸裂させ、2024年パリオリンピックの金メダルを獲得しました。
オリンピック史上にその名を刻む、同年大会の自転車タイムトライアルとロードの金メダル。最後に奥さまとの素敵なツーショットを掲載し、推しライダーの運と実力とタイミングを改めて噛みしめたいと思います。