ツール・ド・フランスの前哨戦と言われる、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ。今さら改めて何さ、と言われそうだが、このステージレースがなぜ「クリテリウム」と呼ばれるのか、ファン歴の浅いわたしは理由を知らない。実際、クリテリウムじゃないのに…。

ま、ともあれ2024年のドーフィネの、第4ステージ個人TTのポディウム風景にわたしの感性が反応したので、今回の投稿となった。まずは、この1枚。

 

極めて個人的な独断と偏見だが、レムコ・エヴェネプールにはアルカンシエルがよく似合う。世界の5大陸を意味する色彩が純白に映えるジャージは、獲得したときより、以後約1年間、身に纏う期間のリザルトで、その真価を問われるとわたしは考える。つまり、世界王者にふさわしい走りができたか、できなかったかだ。

レムコの場合は、改めて語るまでもない。ドーフィネの第4ステージ勝利が、アルカンシエルでの何勝目か覚えてないが、スターオーラと王者の貫禄で圧倒した34・4㎞だった。この風景には、何の抵抗もなく素直にこう言える。アルカンシエル・レムコ…実にカッコいい。で、問題は2枚目のこれだ。

 

これも独断と偏見と前置きするが、なんか…レムコって、この色味のイエローが似合わない。見慣れてないからだろうか。いや、アルカンシエルは最初のひと目で惚れ惚れしたので、このマイヨジョーヌ姿にわたしが感じる「違和感」は、慣れで収まるモノじゃない…ような気がする。

レムコはドーフィネの前、ラインレースで全開走りはしないと明言していた。ただ、そこはプロの勝負師なので、「その瞬間」があれば行くかもしれない、と思っていたのだが、少なくとも第3ステージまでのレムコは、アドレナリンをコントロールできていた。そして、骨折した肩の回復状態をもっとも自覚できる個人TT。世界王者の貫禄で勝ち、総合トップに躍り出た。で、身にまとったキャリア初のマイヨジョーヌが、どうにも似合わない…とわたしは感じてしまうのだ。この感覚はそう…去年のジロで、マリアローザのピンクが浮いて見えたゲラント・トーマスと同じである。

 

さて、レムコ本人は、このジャージを最終日まで「死守」する気はない、みたいな発言をしている。推しライダーを応援するわたしの気分としても、トップコンディションはあくまでツール。ドーフィネ後半の、険しい山岳ステージで無理する必要はないと考えるけど、はたしてどうか?