大量の得点差がついた試合を「ワンサイド・ゲーム」とか言うけど、今年のスペインのステージレースでオバさんが感じたことは、まさにこれ。プロとアマチュアほどの違い…は大げさな表現かもしれませんが、レベルというより、戦うステージが違うみたいなレースを、連日観戦しております。

サイクルロードレース2024年シーズンのボルタ・ア・カタルーニャ。去年、大好きレムコと大好きログラのガチンコ勝負を堪能したこのステージレースは、今年、完全な独走と化し、プロの勝負を楽しむ状況にはほど遠くなりました。まぁ、レースの開催前からタデイ・ポガチャルに対抗できるライダーがいないのは解っていても、ここまで差がつくとはねぇ…。今年は現時点で去年よりレース数を抑えているスロベニア人の青年は、そのウップンを晴らすかのような勢いです。嬉々として突進しまくり、走ること、勝つことを存分に楽しんでいる様子。コメントは優等生だけど、オバさんの感じ方ではたぶん、ほかのワールドチームのライダーたちは目に入ってないし、ライバル視もしてないと思います。

最終ステージを残す現時点で、2位に3分31秒、3位には約5分のタイム差をつけている現実が、それを明白に語っております。

 

クイーン・ステージと言われた第6ステージのタデイの独走を眺めながら、オバさんが思ったのは今年のジロ・デ・イタリアのこと。もしかしたら、これと同じような風景が展開されるかもしれない…なんてね。場を盛り上げなければいけない主催者やメディアは、口が裂けても言えないだろうけど、ド素人のファンを含め、たぶんみんな感じています。2024年のジロに、タデイ・ポガチャルと対等に戦えるか、あるいは彼を打ち負かせると期待されそうなライダーが参戦しますか? 少なくとも、オバさんの知る限りではその名前を挙げることができません。

実はマチュー・ファンデルプールにも、同じ「危機感」を持っております。ミラノ~サンレモで見せた爆発力、そして石畳みクラシックのE3で余裕の独走勝利。今年、初めてテレビ観戦できる石畳モニュメントの「デ・ロンド」、またの名を「ロンド・ファン・フラーンデレン」でもライバルを寄せ付けず、2~30㎞独走勝利!なんて風景が脳裏をかすめるのです。放送予定時間の長さから推測するに、どうやらスタートからゴールまで中継するようだけど、スターライダーたちの真剣勝負を楽しめるレースになるかどうか…。一番のライバルとされるワウト・ファンアールトが、E3で予想外の「低迷」を露見してくれたから、余計に心配なオバさんです。

 

では最後に、今年のボルタ・ア・カタルーニャで頑張るふたりのライダーの姿を掲載します。タデイのワンサイド・レースで勝負そのものの楽しみは消えても、彼らの走りは素晴らしかったです。独走は許したけど、そのタイム差を1分以内に抑えてゴールした山岳ステージ。総合2位のミケル・ランダと3位のエガン・ベルナルに拍手!