サイクルロードレースではなく、今や情熱のカケラもないF1のお話が、オバさんブログ2024年の最初の投稿です。記事のファィルを調べたら、なんと去年の4月以来。有料放送のチャンネルを解約し、2023年シーズンのレースはひとつも観戦しなかった(日本GPも例外なく)オバさんですが、クルマとそのレース自体は大好きです。だから、永久保存の映像で「過去のF1」を観戦しています。これが、今見ても楽しいんですよ。

なぜでしょう?

今回は、今のF1にオバさんが感じる想いを語ります。あくまでもオバさんの私的見解に過ぎないことを強調し、現在のF1の在り方に満足されている方々には、もしご気分を害するようなら、前もってお詫び申し上げておきます。

 

22戦21勝ですよ。シンガポールの市街地コースで、かろうじてフェラーリが一矢報い、レッドブルのシーズン全勝を防いだという、2023年シーズンのリザルトでした。しかも、21勝のうち19勝したマックス・フェルスタッペンは、ほぼ全レースにブッちぎり。8シーズン勝ち続けたメルセデスの支配時代、同じように「走ると勝つ状態」だったルイス・ハミルトンでさえ、こんなリザルトはなかったと記憶しています。これが、モータースポーツでしょうか?

オバさん個人としては、現在のF1をモータースポーツと認識しておらず、例えるならば大規模テーマパークの人気アトラクションのようなモノと受け止めています。日常を忘れ、夢のような世界へいざなってくれる、華やかで煌びやかな特別な催し物。だからこそ、その空間を満喫したい人々が足を運び、開催地のサーキット会場が満席になるのです。F1のひとつの在り方として、これもまた素晴らしいな…と思っていたのですが…。

「モータースポーツ」という発言が、折に触れネット記事で目に留まります。チーム代表やエンジニア、ドライバーなどF1のいわば「内側」にいる人々の言葉です。彼らは今も、F1をスポーツと捉えているのでしょうか。そりゃ、ちょっと違くね?なんて思ったら、今回の記事を書きたくなりました。

 

「もっとも優れた仕事をした者が勝つ。これがF1だ」は、メルセデスのチーム代表トトさんの名言です。WECや日本のスーパーGTなどに採用されるハンディキャップ制度のF1導入に対し、誰よりも強く反対した者のひとりが彼でした。技術革新の進歩の妨げに断固反対!は、まぁ、確かにカッコいいんだけど…これは完全にビジネス目線だと、オバさんは感じました。トトさんの言う「仕事」をクルマ造りに当てはめれば、F1の勝敗はプレシーズンテストの時点で決まりです。各チームのクルマの仕上がり具合が勝負の分かれ目で、以後、20数レースすべての展開がそこで決定。優れた仕事をし、一番速いクルマを造り上げたチームとそのドライバーの「走ると勝つ」を、ファンは20数レース見続けるのです。

まさしく、22戦21勝の要因ではないでしょうか?

 

オバさんが熱中していたころのF1は、シーズンスタート時点でライバルのクルマと性能差があっても、終盤にはその差が埋まり、息詰まるチャンピオン争いが展開されました。当然、クルマを速くしライバルに追いつくためにはそれなりのお金が必要で、年間予算の天井知らずの拡大につながったのです。オバさんの感覚では、パジェットキャップに縛られた2023年シーズンは、メルセデスとフェラーリにレッドブルを追う気はありませんでしたね。開幕から数戦で「こりゃ、だめだ」となり、シーズン目標を2位争いに切り替えたと考えます。もちろん、シーズン前半の当事者たちは、そんなこと口が裂けても言いませでしたけどね。

さて、2024年。新車の発表スケジュールをどのチームより先に公表したフェラーリは、「手ごたえ充分な素晴らしい仕事をしたけど、他のチームのことは分からない」なんて、チーム代表が去年とほぼ同じコメントをしております。というワケで、オバさんの信念をここでひとつ。順位に関係なく、努力や頑張りが評価されるのはアマチュアまで。一方、栄誉と栄光を手にし、人々に称えられるのは一等賞だけで、2位以下は敗者の並び順に過ぎないのがプロスポーツです。

 

「データ上では、すべてのチームの98%が横並びだ。レッドブルが優れていたのは2%にすぎなかったのさ」。これは確か…マクラーレンのエンジニアの発言だったと記憶します。「ほんのわずかな差が大差につながるスポーツがF1なんだ」とも言うけど、これもまた、オバさん的には数字がすべてのF1エンジニアらしい表現です。たった2%の差で、22戦21勝ですか? それは、モータースポーツとしての説明になってないと思いますよ。

去年のシーズン終盤、レッドブルのクルマ「RB19」の強さが理解できてきた…なんてフェラーリのチーム代表が語っていたけど、どこかの何かが相当突出してないと、これほどの圧勝は不可能です。はたしてフェラーリは、ライバルの何を理解し2024年のクルマに活かせたでしょうか。前年比較で95%新しいクルマだそうだけど、「ほかのチームの仕事ぶりは分からない」とチーム代表は言ってます。

 

2026年のエンジンレギュレーション大幅変更に向け、かつての2014年のようにひとチームだけが突出しないよう充分に配慮すると、FIAが申しております。そのシーズンにF1がどう変わるのか、今は待つだけのオバさんです。