オバさんの語るcycle「ヴィスマの横綱相撲」
先日、両国の国技館へ行ってまいりました。昨今のエンターテイメント化された見世物的な勝負(これはF1が顕著)ではなく、鍛え上げたプロのアスリートによる、実力本位の真剣勝負に感動しきりでした。「久しぶりに本物のプロの技と力を見たなぁ」と、感動を噛みしめながら帰宅し、テレビの前に座ってジロ・デ・イタリアの第14ステージを観戦。そこで再び本物を見たと感じたので、今回のタイトルが決まりました。2026年シーズン最初のグランツール。開幕前からピンクジャージの候補者はほぼひとりに絞られ、大方の予想通り展開しております。少なくとも、この記事を書いている時点までは。そう、ヨナス・ヴィンゲゴー擁するオランダのワールドチームが、開幕前に立案したシナリオ通りのジロになっていますね。本人はもちろんアシストたちの負担軽減のため、開幕から2週間ほどは控えめで、「みなさん、マリアローザを楽しんでください」なんてセリフが聞こえてくるようでした。総合1位と6分以上のタイム差がついたとき、メディアの中には危機感を煽ろうとする素振りも少し感じたけど、まったくムダでしたね。予定の山岳ステージでかる~くタイム差を詰め、そして第14ステージですよ。一発で決めてみせました。いやはや…本当に背筋が寒くなるほどの「凄さ」を感じた、ヴィスマ・リースアバイクとヨナス・ヴィンゲゴーの、まさに堂々たる横綱相撲です。この日、ヴィスマは強烈な意思を発信。ゼロ㎞地点からプロトンの最前列に陣取り、「今日、予定通りピンク獲らせていただきます」というレース運びを披露しました。まずは、集団の統制、レース中盤以降で強力なアシストたちの高速けん引、そして、フィニッシュから逆算した理想的な位置でのエース発射。スタートからフィニッシュまでの全行程を、完全にコントロールしきったレース運びに、オバさんは大興奮でしたよ。個人的な感じ方ですが、最近、消化不良のレースが多くてブログのネタにもならず、ちょっとイラついてたんですよね。そんなタイミングの第14ステージです。ヴィスマがもっとも得意とするレース展開で、久しぶりに彼らの「強さ」を堪能できました。この興奮は、2022年のツール第11ステージ以来ですかね。ヨナス・ヴィンゲゴーが真っ向勝負で初めてタデイ・ポガチャルに勝った、伝説の山岳レース。あのときのヨナスはまだ挑戦者だったけど、今年のジロは王者の貫禄です。「もう攻撃はしないよ。あとはローマまでジャージを守るだけ」。いかにも彼らしい、14ステージ終了直後のコメントです。これも王者の貫禄ですが、グランツールはまだ終わっていません。実際、翌日の第15ステージでは、ヨナスを含む複数のライダーたちの抗議もあり、総合争いのタイムがフィニッシュ手前でニュートラルになる、なんて出来事がありました。最終ステージの最終ラインを通過するまで、何が起きるか分からないけど、オバさんは確信します。2026年のジロ・デ・イタリアにおいて、もっとも強いチームはヴィスマ・リースアバイク、そしてもっとも強いライダーはヨナス・ヴィンゲゴーだと。