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民事不介入

警察権が民事紛争に介入するべきではないとする民主政国家における原則である。「民間人間の犯罪は不介入」と勘違いされがちだが、刑事罰対象である証拠が確認出来るケース以外に介入しない、民事訴訟対象は司法権(裁判所)の管轄ということである。

例として、警察が貸金債権の取立など民事行為に協力しないということである。当事者同士の水掛け論となっている事例などでも防犯カメラなど明確に刑事罰対象である証拠が提示されることで刑事化される

 

民事事件は司法権によって解決すべきであり、行政権に属する警察は口を出してはならない、というのが民事不介入の意味するところである

民事上は契約自由の原則が存在し、同原則から導かれる契約自治の原則により、契約はその当事者間で拘束力を持つ。そのため、明確な犯罪行為がない限り、契約当事者間で合意した内容につき警察が介入することは原則的にできない。

 

法律上直接に民事不介入の原則を定めた規定はないが、警察法第2条第2項が以下のとおり定めていることに民事不介入の法的根拠を求める見解もある[4]

警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきであって、その責務の遂行に当っては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。— 警察法第2条第2項

介入不介入事例かが議論となる民事分野

男女関係、家族関係等

ドメスティック・バイオレンスや児童虐待、ストーカーに対する対応に関しては、従来は警察は民事不介入を理由に家庭への介入を差し控える傾向があったが、ストーカー規制法DV防止法、児童虐待防止法施行以降、積極的な対応を取る方向に方針を転換したとされる。同法施行以降もしばらくは被害者の処罰意思が示された場合にのみ捜査を進める方針を採っていたが、ストーカー事案やDV事案での深刻な被害が発生し警察の対応が問題視されることが繰り返されたため、2013年12月6日の通達などに基づき、被害者の処罰意思が明確に示されない場合でも必要な場合には積極的に強制捜査を行う方針が示された。

子ども同士のトラブルいじめ

学校内外などで発生する児童・生徒間など子ども同士のトラブル(おもに、金銭トラブル)、いじめ、嫌がらせ、恐喝、器物損壊、傷害暴行窃盗は14歳未満の場合、加害者本人には少年法が適用され、刑事責任を問われない(ただし、民法上の法的責任は14歳未満であっても、11歳以上であれば加害者本人に責任を問われる)ことを理由に、警察はいじめや子ども同士のトラブルに介入することはできないことから、警察官が被害者である児童・生徒の親権者または未成年後見人に対して、示談を持ちかけたり、当事者同士での話し合いでもって解決をさせることが問題視されている。

知的財産権

知的財産権を侵害する行為は多くの場合犯罪であるが、捜査当局の立場からすれば民事訴訟となる財産権の侵害である。そのため、限られた人的・時間的資源の投入には消極的であり、極めて悪質な事案か国際的に協力を要請されるような事案(海賊版や違法アップロードの取り締まりなど)を除いて、民事不介入を理由に積極的な捜査に乗り出さないことが多い。

暴力団関係

1991年の暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)施行により、刑事罰対象となった。そのため、基本的には警察では民事不介入の原則を転換していった。しかし、末端では2021年5月時点においても民事不介入に基づく対応が続けられているケースがあることが指摘されている

ぼったくりなど消費者事件

悪徳商法ぼったくり
飲食店等でぼったくりの被害に遭っても、警察は契約トラブル(金銭トラブル)として扱い対応しないことがある。さらには、不当な金額の請求を受け、これに応じなかったため店側に軟禁状態に置かれるなどしても、法外な料金でもその場で支払って解決するように勧める場合もあるという

カスタマーハラスメント