セブレイロ⇒プエルトマリン (Puertomarin) 74.1km

1998年9月20日(日) 曇後快晴

 

 

 

 

【改訂】定年欧州自転車旅行 目次

 

 

破格の高い宿に泊まる

 高山だけに冷え込みがすごい。うれしい事に洗面室には熱湯が出る。

 スープをすすっている時、17、8歳くらいの女高生風、黒い瞳のドングリ目、彫りの深い容貌で、あのアンネ・フランクを想わせるかわいい女性が近づいてきて、日本製のお守り袋を差し出す。そして、日本人ですか? この文字読めますか? どういう意味ですか? と聞いてくる。見ると「開運厄除交通安全」と金刺繍で綴られている。精いっぱい説明する。自席に戻った彼女は、両親であろう中年男女にしきりに説明しながらチラチラとこちらに視線を向ける。折鶴サービスを忘れたのが残念。

 昨日の先生の話では、

「ここまで来たら、あと約5キロの登坂が残るだけ。その後はサンチャゴまで下る一方。楽なものだ。自転車なら2日のコース。ペダルなくてもサンチャゴに着くだろう」

 と3、4度同じ文句を聞かされる。確かにもう一度1400メートル級の登山があったのだが、谷に下りないで峰を縦走するような感じでそう大きな問題ではない。そのあとは急坂を下る。ブレ ーキからの焦げ臭い臭いを時々鼻に感じつつ、美しい山容を愛でて用心を重ねて下りる。閉口するのは、所々またも牛糞街道である事。致し方なしか。

 プエルトマリンは、大きな湖水のある起伏に富んだ小村。バール(酒場喫茶)の亭主がレフジオとYHの両方の経営者であるが、

「レフジオでなくYHに泊まりたい」

 と言うのに別館の素晴らしいホテルに案内する。ホテルでなくYHでないと困る、と強く訴えるが、ここがそのYHだと人の良さそうなニコニコ顔で、スペイン語オンリーで頑張られる。結局ラチあかず素泊りでも4000Pという今旅行のYHとしては破格の高い宿に泊まる事になる。 

 

 

セブレイロ (Cebreiro) のレフジオ

定年欧州自転車旅行 1998.09.20(日) 08:20 雲、強風

 

 

プエルトマリン (Puertomarin) のホテル

定年欧州自転車旅行 1998.09.21(月) 07:50 濃霧、無風

 

 

クレデンシアル (Credencial) で頂いた「巡礼パスポート」