悲嘆に暮れる日々の私に、夫が1冊の絵本をプレゼントしてくれました。
「くまとやまねこ」 湯本香樹実ぶん 酒井駒子え
絵本を目にするのは何年ぶりのことでしょうか。
昔、子供達に読んで聞かせた数々の絵本、どれも子供達の大好きな絵本、何度となくせがまれ読んで聞かせたものでした。
あの時の目の輝きは今でも鮮明に想い出されます。
娘が亡くなる二か月程前のことでしょうか。
娘が 「綺麗な紅葉が見たい」 と言いました。
私共は早々娘の大好きな軽井沢に宿をとりました。
燃えるような真っ赤に色付いたドウダンツツジ、もみじの葉の黄色から先端の赤に変わるグラデーションの
目を見張る美しさに、しばし見とれたものでした。
そんな中、娘が 「絵本美術館に是非行ってみたい」 とのこと。
昔懐かしい絵本を見る娘の目は、あの幼き時と少しも変っておりませんでした。
美術館の庭に咲く白い愁明菊、燃えるように赤い楓の葉を一枚、大事そうに手に取っておりました。
私ども3人は、やがて来る娘との永遠の別れなど、想像だにしませんでした。
できることなら、あの時に戻りたい・・・・・・・。
私はまだ、くまのように1歩を踏み出すことができませんが、
いつも体いっぱい麗を感じて、何とか前に進めることができるでしょうか・・・・・。
溢れる涙を拭って、娘が後押ししてくれるでしょうか・・・・・。
やはり、私が生きている限り、悲しみは尽きません。
母
