過去に百条委員会の幹事(役員)を務めた者として言えば、記事(↓)にある議会事務局長とのやり取りについてですが、残念ですが、事務局長の発言には委員会を設置させたくないという意図が明らかです。 

地方自治法100条では委員会の設置要件と権限等が規定されているのみであり、さらに109条を根拠として、同委員会は「特別委員会」として設置されます。特別委員会はその名の通り「非常置」の委員会ですから、当然、当初予算等で調査費(運営・活動費を含む)として計上されてはいません。

この場合、必要があれば他の特別委員会と同様に、

 ・委員から選任された幹事(役員)が、会議で必要な経費を算出…と言っても、議会事務局が事前に計算・提案した案を審議するのが普通ですが…

↓ 

・委員会の承認を経て、議長に申請 

↓ 

・議長はそれを受けて、首長(この場合は知事)に「補正予算」を編成・拠出されるよう要請 

↓ 

・首長(知事)は「補正予算案」として議会に提案

↓ 

・議会の可決で執行 

という流れで決定するのが一般的です。

 故に、「予算をどうするのか」などと事務局が難色を示すことは、通常の議会であればあり得ませんし、議長が要請を拒否するとか、首長が予算措置を断るということも、地方自治法の規定からも無理だと言えます。それは、最近の兵庫県や伊東市の事例からも明らかでしょう。 

とすれば、今回の事務局長の言動には何らかの理由があって、「意図的に百条委員会を設置させないよう、動いているとしか考えられない」ということになります。

 福岡県議会の問題が百条委員会を設置すべき事件かどうかについては、議会において充分な議論と判断が必要だと考えます。しかし、設置を決める前に予算=経費の問題を持ち出すことは明らかな妨害行為であり、法で定められた議会の権限を制限しようとする、民主主義に対する非常に悪質な行動で、事務局長として失格だと強く訴えます。 


 「(調査に要する経費500万円の)予算措置について、どのようにされるお考えでしょうか?…事務局に丸投げをされるということですか?」(光永雅哉・議会事務局長) 

「なんで『百条委員会』のときだけ、予算がない話になるんですか」(吉松源昭県議) 

「でも法律(地方自治法)上、そうなっているんですよ」(光永事務局長) 

「予算上の課題を理由として、地方自治法に基づく議員の議案提出権が制限されるべきではないと考えます」(吉松県議)


 【問題山積の福岡県議会で、いま注目されているのが『百条委員会』の設置議案。議会事務局は予算の捻出について苦言を呈しているが、これに対し提案者の県議たちが抗議の声をあげた。

  10月14日午前、金銭授受疑惑を告発した吉松源昭・県議をはじめとする超党派の県議たちが、福岡県議会・議長室を訪れた。

  コトの始まりは、前日の13日に遡る。吉松県議ら少数会派を中心に9人の県議が13日に提出した、高額な海外視察や金銭授受問題を選ばれた県議たちで調査する、『百条委員会』の設置議案だ。百条委員会にかかる費用を巡って、議員と議会事務局とが問答する場面がみられた。500万円以内としたその経費をどう捻出するのか、議会事務局から苦言を呈されていた。

  「調査に要する経費が記載されておりますけれども、この予算措置について、どのようにされるお考えでしょうか?…事務局に丸投げをされるということですか?」(光永雅哉・議会事務局長) 

 「今まで散々、『今から海外視察行きます』と1,000万円、2,000万円の予算を付けよったやないですか。なんで『百条委員会』のときだけ、予算がない話になるんですか」(吉松源昭県議)

  「でも法律上、そうなっているんですよ」(光永事務局長) 

  そして、一夜が明けた14日。吉松県議らが、予算上の課題が議案の採決に影響することのないよう、抗議の申し入れを行ったのだ。

  「百条委員会の設置議案を提出することと、その調査経費について予算措置を講じることは、別の問題ではないでしょうか。私たちは予算上の課題を理由として、地方自治法に基づく議員の議案提出権が制限されるべきではないと考えます」(吉松県議)

  一方で、当初の議案では、金銭授受疑惑の当事者である吉松県議や江藤秀之・県議らも、議案の提出者として調査役の委員に選任されるとしていたが、一部から批判の声があったとして、除外する内容に変更したことも明かした。

  「百条委員会」は第三者委員会と違って、調査に強制力があり、証言を拒否した場合などは罰則もあり得る。注目は、より真相解明に繋がりやすいと言われる百条委員会の設置議案が、可決されるかどうか。投票するのは議長を除く84人で、過半数の43人の賛成で設置が決まる。 

 議会最終日(16日)に採決される見通しの議案を巡っては、主要5会派のうち、『県政PLUS』と『新政会』が基本的に賛成する意向を表明しているものの、残る3会派は態度を明らかにしておらず、今後の動きが注目される。

 賛成に投じる議員。まずは議案の提案者、吉松県議など少数会派7人と自民党議員の2人の、合わせて9人。また無所属議員の集まり『新政会』の6人も賛成を表明している。更に民主系の『県政プラス県議団』の10人も、賛成に回る意向を示した。これで、賛成議員が25人となる。

  一方、態度を保留しているのが『自民党県議団』の34人、『公明党』の10人、民主系の『県民の声ふくおか』の8人など。最大会派の自民党の判断が結果を左右することになりそうだが、既に自民党議員が2人、賛成を表明しているように、完全に一枚岩とは言えない。 

 いずれにせよ、強制力がある「百条委員会」の設置に賛成するかどうかは、蔵内勇夫議長の「辞職勧告決議案」のときのような、“踏み絵”となりそうだ…】(本文より)


県議会 百条委員会設置 「予算がない」事務局発言に議員が抗議 「予算を理由に議案提出権が制限されるべきではない」 【福岡発】|FNNプライムオンライン https://share.google/AAqhkqy4eeN2oEOGc