大統領選での『激戦7州』の一つで、先の選挙ではトランプ大統領が0.8%差で勝利した州の最高裁判事の選挙。「政権初期の評価を占う」とも目されていたそうで、イーロン・マスク氏が選挙に介入していました。

 しかし結果は、『リベラル派』と呼ばれる候補が10%程度の差をつけて勝利を確実とし、報道では相手候補は敗北を認めたとのこと。最高裁でのリベラル派の優位が確定し、トランプ=マスク陣営にとっては痛手となりそうです。

 これが「金の力で選挙に介入し、デマゴーグと脅迫で票を動かす」トランプ大統領と、それに群がる『独裁・反動右翼』勢力の打倒に向けた第一歩となるでしょうか。そうなるよう期待しながら、今後を注目していきたいです。


 【米ウィスコンシン州…最高裁判事の選挙で、リベラル派のスーザン・クロフォード判事の勝利が確実となった。この選挙をめぐっては、富豪イーロン・マスク氏が保守派候補の支援のために有権者に100万ドルを贈与するなど、注目が集まっていた。

  …CBSによると、開票率約75%の時点で、クロフォード氏の得票率は約55%と、保守派のブラッド・シメル判事の約45%を上回っている。これにより、ウィスコンシン州の最高裁は4対3で、リベラル派が優勢を維持する見通しとなった。

  2026年の中間選挙や、2028年の次回大統領選挙を前に、同裁判所には中絶や議会選の区割りなど、いくつかの重要な裁判が持ち込まれると予想されている。
そのため、両候補とその支持者らが合わせて1億ドルを費やす、「米史上、最も多額の費用が投じられた司法選挙」となった。うち2,000万ドルはマスク氏が支出した。一方クロフォード氏は、マスク氏の戦略を攻撃する広告を出していた。

  デーン郡判事のクロフォード氏は以前、全米家族計画連盟(PPFA)の弁護士を務めており、選挙活動中は人口妊娠中絶の権利を支持していた。

  リベラル派の選挙運動の多くは、政府効率化局(DOGE)でのマスク氏の役割に焦点を当てていた。このコスト削減タスクフォースは、数千人の連邦府職員を解雇し、連邦政府の人件費を削減する動きを進めている。

  トランプ氏は…「『愛国者』シメル氏を支持する」と強調…クロフォード氏が「ウィスコンシンにとって災害になる」と警告していた。

  この選挙はまた、マスク氏の影響力を試すものとも見なされていた。マスク氏は…『活動家判事』に反対する請願書に署名した有権者2人に、ぞれぞれ100万ドルの小切手を配布…その他の署名者らも、マスク氏から各100ドルを受け取った。さらに…ウィスコンシン州の住民が、投票所の外でシメル氏の写真を持って立っている写真を撮った人に、50ドルを支払うと発表した。

  マスク氏は昨年の米大統領選で、トランプ氏を支援するために2億5千万ドル以上を寄付…ウィスコンシン州など激戦7州で、憲法修正第1条(宗教や表現、集会、請願等の自由の保障)と第2条(武器所有等の権利保障)の権利を支持する請願書に署名した有権者の中から、毎日1人に100万ドルの賞金を贈った。

  ウィスコンシン州の最大都市ミルウォーキーの選挙管理委員会は…「前例のない歴史的な投票率により、投票用紙が不足した」と発表した。

  これとは別に、有権者に「投票時に身分証明書の提示を求める法律」を、州憲法に組み込むことへの是非を問う投票も行われ、賛成多数で可決された。

  有権者はこれまでも身分証明書を提示する必要があったが、これを州憲法に追加することで、将来的に変更することが難しくなった。クロフォード氏は、この憲法改正に反対していた…】(本文より)


https://www.bbc.com/japanese/articles/c75dlnx21y3o




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