「迷ったらフルスイング。総裁選をフルスイングで頑張ろう、という気持ちを新たにした」（小泉候補）…ニュースを見ていたウチの奥さんが「フルスイングって、何が？」と、思わず吹き出していました。
この発言のとおり、力強く語りながらも中身には(？)がついてしまうのが、この候補を信じられない理由の一つなのです。有権者を興奮させても、その結果が恐ろしくなりますから。今回の主張についても、大変勇ましく聴こえますが、総裁になったら本当にできるのか、との疑問が残り続けます。
第一に、『裏金疑獄』議員を、選挙で再選されない限り要職に起用しないとか、選挙で公認しない可能性もあるかのように言いますが、これは先の石破議員の主張の言い替えであり、前提として新執行部が判断（厳正にと言いながら）するとあり、新執行部が認めたとの言い訳、あるいは言い逃れできるようにしています。また、旧安倍派や二階派等の議員からの支持も受けている以上、着手前に骨抜きにされてしまうことは目に見えています。
第二に、『解雇規制の緩和』は河野議員の焼き直しであり、雇用の流動化を促進することは非正規雇用の拡大を生じるとともに、雇用者が好きな理由で解雇できるという、セイフティ・ネットとしての労働者保護を放棄することにも繋がりかねません。選択の自由を広げると言いながら、その權利を享受するのは雇用者だけとなってしまいます。少子化対策、子ども子育て支援の観点からも、絶対に認めることはできません。
第三に、政治活動費の廃止や、選択的夫婦別姓の法制化、低所得者や中小企業への経済対策、さらに年収の壁撤廃等は、昨日の茂木幹事長や立憲民主党の政策のままであり、現在（第二次安倍政権以降）の自民党政権≒『反動右翼』勢力が支配する状況から、先と同様に、掛け声だけで終わる可能性が高いのです。
何より、「長年議論ばかりを続け、答えを出していない課題を決着させる」というものが、果たして『憲法改正して、自衛隊を明記する』ことだけなのか、という問題があり、大げさな言い回しの割に、矮小化されている印象を受けます。それも、石破議員の主張に乗っかっているだけのように感じられますが、その理由が、繰り返されているように「自衛隊員が（家族も含め）肩みの狭い思いをしている…」ことならば、別の機会に話しますが、それは大きな勘違いです。
結局、ここまで立候補表明を伸ばして来たのは、他の候補がどのような主張をするのか見たうえで、それを自分の政策に取り込もうと考えていたという程度だったと、今の時点では判断されます。
しかも、党内多数の議員から、これから大きな反発を呼びそうな内容が多く見られますから、「何を言っても、多くの議員たちは、選挙のためにはオレを支持するしか無いはず」という、自信の表れなのかとも疑ってしまいます。もしくは有権者向けに「言ってみただけ」、あるいは地方票獲得に向けたアピール、と考えているのかもしれませんが…
いずれにしても、これからの選挙戦において討論会も開かれるでしょうから、そこで相手候補からのツッコミにどのように答えるのか、その中身も含め注目です。しかし、大変申し訳無いですが、やはり私は格好だけで、とても信頼することはできません🙇
【自民党の小泉進次郎元環境相は…総裁選に立候補すると正式表明した。「長年議論ばかりを続け、答えを出していない課題に決着をつけたい」と訴え…「首相になったら、できる限り早期に衆院を解散し、国民の信を問う」と明言した。
小泉氏が総裁選に出馬するのは、今回が初めて。出馬表明の記者会見をしたのは６人目と…1995年以降で、最多の候補が争うことが確実となった。
「政治の信頼回復が、改革の前提だ」と強調…収支報告書の不記載があった議員の…説明責任や、再発防止への取り組みを進めているかに加え、地元の選挙区の意見を踏まえて、新執行部が厳正に判断する…議員によって公認の見送りや、候補の差し替えがありうるとの認識を示した。不記載議員は、選挙で信任を受けるまで要職で起用しない方針も明らかにした。
「政党から議員個人に渡される政策活動費は、廃止する」と言明…『調査研究広報滞在費』に関して、使途の公開を掲げた。
規制改革への意欲を語り、『解雇規制の緩和』を主張…2025年度に関連法案を提出すると説明した。「一人ひとりの、人生の選択肢の拡大」を…首相になれば『選択的夫婦別姓を認める法案』を提出すると唱え…「年収の壁」の撤廃も取り組む。
憲法改正について「戦後初めての国民投票を実施したい」と呼びかけ…「自衛隊の明記が必要だ」と提起した。
「物価高の影響を受けている低所得者や、中小企業への支援にも取り組む」と…首相になれば「直ちに、経済対策の検討を指示する」と語った…】（本文より）
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA05DPP0V00C24A9000000/