『認知戦』は『洗脳戦』にも通じます。最も危険なKeyは、『情報の一方通行』です。

 戦前〜戦中の日本がそうであったように、「知らしめず、よらしむる」(よらしむべし、知らしむべからず)…『民衆には理由を説明したり、理解させる必要はない。ただ施政に従わせればよい』→『民衆は政府の施策に盲目的に従わせればよく、情報を与える必要はない』…古代中国で有名なこのことばは、歴史が繰り返し証明してきた最良の戦略です。しかも、年齢の早い段階(幼年時)からそれを仕込むことで、それを望む『国家≒権力者』に理想的な人間が出来上がることは、ナチスや日本の『軍国少年』たちの姿を知ればハッキリします。

 SNSやYouTube等が、私たちの日常生活に不可欠な存在となった現在では、さらにその効果が絶大になっていることは火を見るより明らかです。 

『認知』と『洗脳』の危機を乗り越えるためにも、私は自立して社会の課題と向き合うことを学ぶ『市民性(シチズンシップ)教育』の早期導入が不可欠だと強く訴え、そのために『政権交代』と『自民党解体』を目指して活動を続けて参ります


🙇#ストップ・自民党政権 


 【交流サイト(SNS)の浸透を背景に、戦争は、人々の考え方の主体となる「脳」を巡る争い「認知戦」に発展しつつある。「人の脳が戦場になる」とは、どういうことなのか。ロシア・旧ソ連諸国を専門とする軍事研究家で、安全保障問題に詳しい小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター准教授に聞いた。

 ◯『認知戦』では、何が起きるのか。 

「人は簡単には洗脳されない。…ただ、交流サイト(SNS)は人がもともと持っている偏見や、思想を先鋭化させることはできる。右寄りの人はより右に、左寄りの人はより左に。差別的な人はより差別的に。…『あたなが言っている通りです』と、その証拠とされるものをたくさん突きつければいい。考えを先鋭化させるのは簡単。そうなると、社会の中で対話ができなくなってしまう。…認知領域戦の一番のキモは、話を通じなくさせることだと思う」

 ◯認知戦の源流… 

「第二次大戦後の、核兵器の登場と結びついている部分が大きい。…『核兵器の登場で、もはや(物理的な)戦争はできない。しかし、共産主義とは相いれない』(ジョージ・ケナン)として、情報戦や外交戦、法律戦といった、現在われわれが言っているような話の原型に言及した。…1960年代にベトナム反戦運動が起き、国家より個人が上位にくる時代に、テレビやラジオが情報を届け始め、情報が武器になる、との考えにつながっていったと思う」

 ◯認知戦が生じた背景…「(自分が専門の)ロシアでは、対米関係の悪化に伴い、特に2010年代から西側が認知戦を仕掛けているとの危機感が強まり、同じことを自国もできるようにと模索し始めた。…米国はベトナム戦争で、国内外の世論を敵に回した反省があった。イスラエルも、それ(世論対策)で失敗しているとの議論が、2000年代の初めくらいから出てきた」 

「そうした多くの事例や理論を基礎に、米国は対策を練ってきた。情報の力が強まった世界で、いかに非難を受けずに戦うのか。情報戦やテロ、誘拐など、普通ではない手を使ってくるであろう敵に、いかに対処するのか。そして2000年代に…全海兵隊員が参照できるようまとめたドクトリン(教書)の名前が『ハイブリッド戦争(hybrid warfare)』だった。…相手にいかに負けないようにするか、重視したのが情報の力だった」

「北大西洋条約機構(NATO)加盟国や同盟国は、2014年にラトビアの首都リガに『NATO戦略的コミュニケーションセンター』を設置し、偽情報研究の中心になっている。圧倒的に気にしているのは、やはりロシア発の情報だ」

◯認知戦で狙われる一般市民…「認知戦の研究の中で、『権威や公的機関が言うことは、全く信じない』という人たちが狙われやすい、陰謀論を信じてしまうという傾向があると思う。…SNSは、極端な考えを持つ人々が出合う場所にもなっている。そういう人たちを組織化して情報戦の道具にしよう、と戦略家は考えると思う」

◯日本政府に求められること…「仕掛けてくる側は、われわれが暮らす『社会の公正さ』に、疑問を抱かせるような情報を流してくる。一番嫌なところを突いてくる。…日本の政府や社会が、陰謀論にお墨付きを与えるようなことをやらないことが大事だ」「日本の『政治とカネの問題』とか、沖縄の基地負担、日米地位協定の不平等性とか。…ロシアのプーチン大統領は、『沖縄こそ、アメリカが日本を占領している証拠…アメリカの従属国である証拠である』と、たびたび言及する。実際に沖縄行ってみたら分かるが、実際に不平等な状態に置かれている。…こうした問題について、日本政府が自身を正さずにいると、他国が仕掛ける陰謀論や、プロパガンダにお墨付きを与えてしまう」

◯個人レベルで必要なこと…

「…自国の政治や社会について、何でも不平不満に思うのではなく、民主主義的な価値観や言論の自由など…『いいもの』を自己評価することも大事…同時に、ネット上にあふれる情報を解釈するため…『処理装置』を頭の中につくる必要がある。本を読み、旅行に行き、いろいろな人の話を聞くなどして、情報を自分なりにどう受け止めるかの軸になるものを持つべきだ」…】(本文より)



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