『県知事は県民(正しくは、その有権者)の負託を受けている』…確かにその通りです。もちろん、国・地方議員も同じ理屈になります。最近、国・地方を含めこの『選挙によって選ばれた、負託を受けている』と言うことを理由として、不正や違法行為…顕著なのが『裏金疑獄』…を働こうとも、首長や議員の逮捕は慎重であるべきとする…かのような論調が増えてきており、それを免罪符として、「これから頑張ります」などと居座り続けることが、当たり前のようになっています。
個人的なスキャンダルならいざ知らず…いや、今や不倫だの夜の遊び等の方が、何故か『命取り』になっていますが…何故、違法行為を行っても『負託を受けている』から、立件を見送られなければならないのでしょうか?『有権者の負託』云々の話は別の機会の話としてますが…
今回のケースで言うならば、知事は『告発』に対して全てが嘘だったと『虚偽の発言』を行い、その発言に基づいて告発者を『処分』したことが、調査の結果明らかになりました。これは『管理監督者責任』の重大な違反『不当処分』であり、知事といえども処罰の対象となります。最も重い処分は『辞職』ですから、労組の要求は当然のこととなります。これは、『有権者の負託』とは別次元(地方公務員の規定)の話です。辞職をしても、少なくとも違法行為とは認められていませんから、改めて立候補することも可能です。それこそが、まさに「生まれ変わって…」という発言に合致します。
百条委員会の問題については、かつて百条委員会で委員・幹事(理事と同様)を務めた経験…百何十ページ以上の報告書を、ほぼ一人で作成しました…から、以前も話した通り『設置は慎重に行うべき』という立場です。何故なら、設置の際にどのような意図が働くかによって、『政争の道具』となる危険性が高いからです。その意味では、スタートでの維新の会の反応は至極最もと言えます。
しかしその調査過程においては、明らかに『支持している知事』が対象であるはずなのに、『告発者への誹謗中傷』に利用しようとした様子が伺えます。これは当初の目的である『事実の解明』からかけ離れ、『告発者のプライベートを攻撃(晒し)て、事実を隠蔽しようとした』と言われても仕方ありません。たとえ証人尋問を『秘密会』…情報漏洩に罰則が付きます…にしたとしても、その中で個人が誹謗中傷されることは決して許されません。
今回の維新の会の対応は、明らかに常軌を逸したものと、百条委員会の役員会としても厳正に対処されるべきということも、今後も委員会として『事実の解明』と、それに基づく『知事(及び関係者)』への適切な報告・提言・決議が行われることを強く望みます🙇

【1人の元職員の自死により、兵庫県政はさらなる混乱に陥っている。
 …兵庫県知事のパワハラなど、7つの疑惑を告発していた元西播磨県民局長(A氏)が、姫路市内で亡くなっていたことが明らかになった。兵庫県では…告発を発端に斎藤知事の疑惑に対して、51年ぶりに『百条委員会』が設置され…本格的な調査が始まっていた。A氏も…証人として出頭を予定していた最中の出来事だったのだ。県政関係者も突然の死に驚きを隠せず、県には抗議の電話が鳴り止まないという。
 「彼が自ら命を断ったとは未だに信じられません。あれだけ百条委員会へ向けて着々と準備をしていたのですから……」(知人男性)…百条委員会の証人出頭に向け、着々と準備を進めていたという。
 「…遺書には、百条委員会の継続を求めるメッセージが残されていたとも聞いており、誰よりも県の未来を憂いていた彼らしいな、とも感じます。…やはり百条委員会に向けて、綿密な準備をしている…人望が厚い男でしたので、県の職員は深い悲しみに包まれています」(県の元幹部)
 …(自殺を受けて)県職員の労働組合は、斎藤知事に対して辞職を求める申し入れを行った。これに対して、知事は「よりよい県政を立て直すのが責務」などと語り、辞職を否定している。
 県の関係者は「…百条委員会に対して、プライバシーの侵害を強く懸念していた」とも述べる。…一部委員からは、告発文と関係のない、パソコン内のデータファイルの開示も求められた。A氏のパソコンは、告発後の3月末に人事課に押収されたという。当然ながら、調査に関係のない資料まで開示する必要はない。
 …実際にA氏が弁護士を通して百条委員会宛に申し立てした文章…そこには、「A氏のプライバシー権が侵害されること」「基本的人権に最大限配慮すること」などが記され…データファイルをすべて確認したところ、すべて本件告発文の真偽の究明には関係ないもので、人事課に対して当該データファイルの開示を求めないように釘が刺されている。
 「…人事課に抗議したところ、『開示に支障があるなら、百条委員会に申し立てを行え』と突き放された。それで代理人弁護士を通して、正式に申し立てを行った…A氏は憔悴しており、思い詰めているように映ったとも聞きました」(県政関係者)
 ところが、申し立てにより…開催された百条委員会の『緊急理事会』では…「百条委員会設置に反対したのは維新の会。本件に関係のない資料の非開示に反対したのも、維新の会だけでした。…『本文章には、知事の好き嫌いに関する記述…個人を特定した上での、プライベートについての記述が散見される。当事者として(A氏は)プライベートなことを取り上げながら、自らの調査結果についてはプライベートな問題だから公開してくれるなというのは、あまりにも都合のよい身勝手な倫理。プライバシーに関係しているかどうかについても、A氏の代理人が判断するのは不適切だ』(維新の委員)という旨の発言がありました。これにはさすがに暴論だ、という指摘もあり、他会派からの反対意見が出て、調査に関係のない資料は一切提出を認めないことが、賛成多数で可決されます。それでも、維新の会の議員は食い下がっていました」(県議会関係者)
 この緊急理事会は、A氏が亡くなった翌日に開催されている。…「当件が…精神的に追い詰めていた可能性は否定できません。…(亡くなったことを知った上で)死人に鞭を打つような行為や、発言をしていたのなら、議員というよりも、いち個人としてその人間性を疑ってしまいます」(前出・県議会関係者)
 ある県議は…百条委員会は、予定通り開催される運びだと述べた。今後は、県職員へのアンケート結果なども争点となってくる。斎藤知事は自民党と、維新の会が相乗りして誕生した知事でもある。
「自民党の中でも…『百条委員会の継続は困難では』という一部議員もいた(が)…真実を明らかにすべきだという方が大多数で、会派として継続の方向性となった。維新の会の中でも、若手を中心に『知事の対応は、さすがにマズイ』という意見も少なくなかった(が)…意思決定は上層部の数人が行っており…その対応に違和感がある県議はいるものの、声をあげられない状態なのです」(前出・県議)
 A氏は県を退職する前に、こんなコラムを残している(一部を抜粋)
 『我々は公務員です。仕事は県民の皆さんのためにするものです。自分のため、自分の栄達のために、仕事はしてはいけない。仕事を利用してはいけない。そして、自分の損得勘定で行動してはいけない、人の選別をしてはいけない。昇任、出世は結果であって、それを目的にしてはいけない。…人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、ひとりの人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです。そして、筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。『いつかきっと』と心に念じながら』
 1人の告発文から始まった騒動は、大きなうねりをみせ、もはや知事の進退という枠組みを超え、政局争いや県政の健全性という問題にまで波及している。それは、A氏の願った義や誠実さという概念からはかけ離れた世界であるような気がしてならない。】(本文より)



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