旧関東軍による『防疫給水部』=いわゆる『731部隊(石井部隊)』が主に細菌・生物兵器の研究・開発を行ったのに対し、こちらの研究所では生物・化学兵器はもちろん、原子爆弾から風船爆弾に特攻用兵器、無線探知機、スパイ道具に毒薬、果ては中国の偽札・偽装パスポートから怪力光線(レーザー兵器!?)等々…あらゆる分野の研究・開発に携わったと言われています。

 731部隊(石井部隊)と並んで、登戸研究所についても存在そのものを否定する『まぼろし説』や、一般的な研究機関で生物兵器や毒薬等の製造、さらに人体実験等は無かったのに、戦後の中国や韓国・ソ連・米国等の陰謀で『悪の施設に仕立て上げられた』とする『陰謀説』等が巷間にあるようで、アメリカ等の公開資料や関係者の証言等を提示しても、偽造だとか『嘘つき』呼ばわりされるようです。

 そこには、①敗戦時に旧日本軍が一斉に『記録の破棄・焼却』を指示して、それが実行…市ヶ谷の陸軍省・参謀本部では数日にわたって黒い煙が上がっていたそうです…されたこと、②占領軍(GHQ)の戦後調査で残っていた記録・研究資料や、刑罰の免除を条件にした当事者の証言を根こそぎ持ち帰ったこと、による政府機関の資料不足や、③関係者同士が一様に口を塞ぎ続け、個人の資料提供を拒んだこと等によって、国内だけでの調査・検証が困難だったことが原因と理解しています。

 今回の新発見も含め、『旧日本軍の闇』の全貌が早く明らかになることこそ、拡大する『戦前回帰』の傾向に歯止めをかける重要なKeyになると確信しています🙇 


 【旧日本軍で、暗殺用毒物など秘密戦の兵器を開発した『第9陸軍技術研究所(登戸研究所)』の、幹部らの名簿が残されていることが…明治学院大国際平和研究所の松野誠也研究員(日本近現代史)が、国立公文書館で発見した。登戸研究所が作成した資料は敗戦時に隠滅するよう陸軍中央が指示し、存在しないと考えられていた。

  「登戸研究所の幹部クラスの全貌が、初めて明らかになった。一部を除き、ほとんどの者は戦後も自分の体験を語らず、登戸研究所にいたこともよく知られていない」(松野氏)と…研究所の実態や、関係者の戦後の歩みを解明する上で、重要な資料になるとみられる。

  見つかったのは、1945年8月15日時点の登戸研究所の「高等官職員表」。幹部名簿に相当し、敗戦に伴う事務処理で作成されたとみられる。所長の篠田鐐中将以下、将校クラスの氏名や階級などが記されている。ほとんどが技術将校で、軍人ではない研究者などが少数含まれる。所属部門などは記されていない。…】(本文より)


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