『歴史をゆがめ自国は悪くないと言い張るのは“愛国者”でなく、単なる“排外主義者”だ』(故鈴木邦男・元一水会顧問)
故に、私は『日本は悪くない、万歳!』と喧伝する彼らを『反動右翼』と呼ぶのです。彼らにすれば、このような主張も『パヨク(!?)』になるのでしょう…😡
最近、『日本は世界一古い国家』と賞賛される声があるそうです。ご承知のとおり、『皇紀2700年』というのは明治維新後の政府によって、『記・紀』の記述を『辛酉革命』思想に基づき、聖徳太子の時代の辛酉を基準として『このあたり(の辛酉)だろう…』と定めたものです。信じるのは自由ですから、何も言うことはありませんが、西暦が正しいのか?と一緒で、神話が事実とされた時代の話です。
歴史を学ぶ者としては、神武天皇に該当する人物が2世紀〜3世紀頃に、同族を引き連れ大和盆地の辺りに土地を得て、『クニ』を作った…と、古代史の成果として認めるべきと思います。しかし、当時の日本には数多の『クニ』が存在し、互いに争ったり連合したりしていましたから、統一国家としての『日本』とは言えませんよね。
少なくとも、現在に近い形での統一国家と認められるのは、15代応神天皇以降(4世紀後半〜5世紀)と考えられます。実在が認められるのは10代崇神天皇と言われますが、曖昧なところ…古代史では当たり前ですが…が多くありますから。
さらに皇室の系統としては、26代継体天皇(6世紀前半)以降と認められています。それ以降も、用明天皇死後の後継争いや壬申の乱、南北朝争乱等々、皇統の交代が言われることもありますが、河内源氏(源頼朝の血統)は清和系か陽成系かと同じで、決定的な根拠にはなっていませんので、継体皇統説で考えるべきと言えます。
故に『系統が一貫した国王(天皇)が存在(あるいは君臨)する国』としては約1,500年ですから、確かに現存する中では世界最古になりますが、2.700年だとか、『神武天皇から…』を唱えるのは無理があることは、理解されるべきです。
何より、それで『中国より古い』とか『韓国(朝鮮)より古い』ことに、なんの価値があるのだろうか?ということで、私にはサッパリわかりません。『…より古い』から差別したり侮辱しても構わない、占領して植民地にしても問題ない、なんて言うのなら、人間として最低・最悪だと言わざるを得ませんが…😡