Dr.検事モロハシ 」 能田茂 著
 
 マイナー漫画紹介シリーズ。大病院の医療ミス隠しに憤った若手医師モロハシが、医学界を去り、勉強し直して司法試験を受け、検事となり、医療ミスを暴くという勧善懲悪ものです。
 医学の描写が素人にもわかりやすくて私は好きだったのですが、すぐ終わってしまいました。打ち切りかネタ切れか、あるいは関係各所から抗議でもあったのでしょうか。
 
 ネットでレビューを探しましたが、主人公が青臭過ぎると評判は芳しくありません。設定の都合上、検察が善、医師が悪と描かれるのですが、当時やむを得な い死まで医療ミスとして裁かれる事件が多発して医療崩壊問題にまでなっており、その風潮と合わない、というか合いすぎる内容ではありました。
 
 作中でも実際の事件を元にしたと思われる事案を扱っていましたが、医師が悪者設定なので読者の私もヒヤヒヤしました。いくら医師が悪者でも、
「これを医療ミスとして裁くべきなのか」「医師は神ではない」
と主人公への反発を感じさせる描写もありました。
 それがよくなかったのか、突然ストーリーの中心がモロハシの家庭に移り、つまらなくなったな、でも今の話が終わったら戻るのかなと待っていたら、唐突に最終回となってしまいました。
 
 読む側にも、漫画の設定に躍らされない能力が必要で、それを差し引いても、非常に考えさせられる意欲作でした。
 確かに昨今の状況を考えると、誰でも接することのできるメディアにこういう作品を置くのは、読者にとっても作者にとっても危険です。逆に医師を主人公にして検察を悪役にしても、それはそれで問題があるでしょう。できるとしたら、主人公も悪役もイケメンにして
「どちらも悪くない」
路線でいくしかありません。
 ただ私は、いちファンとして残念だったというだけです。
 
 
 1月10日の記事。クレームを避けようとすると何も書けなくなる。