マイコは内線電話の受話器を取り、4桁の番号を押した。
「チキンカレー持ってきて」
10分ほどして、個室のドアをノックする音がした。マイコは立ち上がってドアに近づき、合言葉を言った。
「月」「さらしな」
ドアを開けた。ワゴンの上に鍋と皿、スプーン、水差し、グラス、そして福神漬けを入れたタッパを乗せて運んできたのは、似合わないピンクのエプロンをつけたハヤミだった。
「ナンもライスもないのね」
「太るよ」
「もういいわよ、太っても」
マイコはワゴンの側にキャスターつきの椅子を移動させ、紙ナプキンを広げた。
「できそうなの」
ハヤミはワゴンの上で、皿にカレーをよそった。
「朝までにはね」
マイコはスプーンを手に取った。
 
 キングオズに会いに来たトルネードブルーが、受付の紺ブレに案内されたのは、殺風景な事務所だった。ソファに座って待っていると向かい側の壁にパッと映像が映った。
「ようこそトルネードブルー、私がキングオズだ」
Yahoo村の住人そっくりの被り物を被った人物が映像に登場した。
「もしかしてYahoo村の人ですか」
「失敬な、私ははてなアイドルであるぞ。FC2では顔出ししていないだけだ。スーパースターに何の用かな」
会話が成立するということは、生中継のようだ。
「えーと、日本に帰りたいのですが」
「日本ならどこでもよいのだな」
「できれば長崎。東京でもいいです」
「このキングオズの力をもってすれば簡単なこと、しかしそのためには、FC2のスパマー、AYAKAを倒さなければならない」
「倒すというのは殺人ですか。殺人はいけないのでは」
「AYAKAはホストコンピュータなので人ではない」
「それにしても器物破損か何かで捕まりませんか」
童話の世界というのはファンタジーに見えて、殺人あり誘拐あり窃盗ありと、現代社会においては教育上よくないことばかりだ。
「正義の味方が何言っておる。毎週見ておるぞ。東京タワーを33回も壊したではないか。訴えられたことがあるのか」
あれ、トルネード戦隊ってそんな話だったのか。自分も出演しているのだろうか。
「では頼んだぞ」
プツンと映像は切れてしまった。これではどこでどうすればいいかわからないではないか。
 
 ブルーが部屋を出ると、イエロー、ブラックもほぼ同時に、同じ並びのマンションの1室から出てきた。
黄「どうだった」
青「AYAKAというホストコンピュータを倒せって」
黒「同じ同じ」
青「でもコンピュータを倒すってどうすることだろう。それにAYAKAはどこにいるの。あるの、というべきか」
黄「レッドはまだなのかな」
受付の紺ブレが、1枚の紙を乗せたトレーを持ってきた。
紺「お連れ様からです」
ブラックが紙を受け取った。AYAKAの居場所を示しているらしい地図だった。その下に
「壊せばいい。文字通りの意味で」
と走り書きがしてあった。
 
 
 次回で終わらせようと毎回思っているのですが、終わりそうにありません。そして、意味ありげな展開に見えますが、全く先を考えていません。フニャコフニャオ並です。あちらはプロの漫画家なので失礼ですが。ところであやかさん消えましたね。
 
 
 8月18日の記事。フニャコフニャオは、ドラえもんに登場する、連載の締め切りに追われてやっつけ仕事をしたばかりにその続きが思いつかずに困る漫画家です。私は今もあの漫画「ライオン仮面」の続きが気になります。