更科・更級(さらしな)
長野県更級郡の地名。姥捨山、田毎の月など、名所が多い。蕎麦の産地。 【広辞苑第四版より】
長野県更級郡の地名。姥捨山、田毎の月など、名所が多い。蕎麦の産地。 【広辞苑第四版より】
広辞苑から面白い言葉を選んで五十音順にタイトルにするシリーズ第11弾。1年ぶりに復活。
市町村合併で更級郡はなくなった(引用元の広辞苑第四版は1991年発行)そうですが、この言葉に地名以上の意味はなかったのですか。意味わからないけ ど美しい響きの言葉として記憶に残っています。忍者の合言葉に「月」「さらしな」というのがあったではありませんか。(有名なのか?)
もっと有名なのは、古典の定番、更級日記です。よく比較される、作者の伯母の書いた蜻蛉日記のドロドロに比べると、明るくてほわほわなイメージです。
継母との別れのエピソードが印象に残っています。父親と離婚する時
「梅の咲くころに会いに来る」
と約束して心待ちにしていたのに、会いに来てくれない継母に歌を送り、返歌をもらったところまでしか問題集には載っておらず、その後会いに来たのか気にな ります。ちゃんと原文にあたった訳ではないのですが、ネットにも解説本にも書いていないところを見ると原文にもないのでしょう。
ということは来てくれなかったのでしょうか。継母も父と結婚している間は娘としてかわいがってくれたけど、離婚したらどうでもよくなるのか、そんな気もするだけに、切ないお話です。
更級という言葉は作中になく、元になったと思われるのは、年老いた作者の元に、甥が訪ねてきた時詠んだ歌 です。がーん、更級は姥捨山の枕詞で、
「姥捨日記」
の意味だったのですか。教科書や問題集に登場する更級日記は、少女時代の旅日記や、源氏物語に憧れるほわほわ生活が中心で、更級という言葉にも勝手にそんなイメージを抱いていました。
晩年編もあるのに教科書で省かれるのは、少女時代の記述が優れているからでしょう。50歳過ぎてから筆を起こしたとは思えないみずみずしいタッチで、更級という言葉に、少女らしさや柔らかさ、はつらつとした若さを思い浮かべずにいられません。
7月25日の記事。ちょっと危険を感じたのでコメント拒否にします。