マイコは就職して初めての夏休みを故郷で過ごすため、飛行機に乗っていた。入社2ヶ月で1ヶ月も入院するなどいろいろあったものの、どうにか仕事は順調だった。ノボルとは気まずくて会っていなかった。
「仕事のことだから気にしないでくれ」
と言われても、気になるものは気になる。
「この先揺れますのでシートベルトを着用下さい」
アナウンスが流れるのをウトウトしながら聞いた。
「仕事のことだから気にしないでくれ」
と言われても、気になるものは気になる。
「この先揺れますのでシートベルトを着用下さい」
アナウンスが流れるのをウトウトしながら聞いた。
あまりの揺れに目が覚めた。乗客もザワザワし始めている。やばいんではないか。
「当機は安全に運行しております。ご安心下さい」
アナウンスの後ろからもザワザワ音がする。揺れは横から縦になり、やがて何かが裂けるようなすごい音がした。
「当機は安全に運行しております。ご安心下さい」
アナウンスの後ろからもザワザワ音がする。揺れは横から縦になり、やがて何かが裂けるようなすごい音がした。
恐る恐る目を開けると、目の前に、頭からすっぽり白い布を被って目の部分だけ小さく穴を開けた白装束の人々が並んでいた。飛行機の中ではない。太陽の真下だ。
(飛行機は、飛行機)
キョロキョロすると、すぐ横に、飛行機であったと思われる鉄の塊がそびえていた。
マイコの手には、千切れたシートベルトが握られていた。墜落寸前に、恐怖のあまりシートベルトを引き千切ってしまい、それが幸いして外に放り出されて助かったのだろう、と多少無理はあるがそう解釈することにした。でないと
(もう天国に着いてしまったのでは)
という恐ろしい想像が脳内を巡ってしまうからだ。
(飛行機は、飛行機)
キョロキョロすると、すぐ横に、飛行機であったと思われる鉄の塊がそびえていた。
マイコの手には、千切れたシートベルトが握られていた。墜落寸前に、恐怖のあまりシートベルトを引き千切ってしまい、それが幸いして外に放り出されて助かったのだろう、と多少無理はあるがそう解釈することにした。でないと
(もう天国に着いてしまったのでは)
という恐ろしい想像が脳内を巡ってしまうからだ。
マイコは白装束集団に
「ここはどこですか」
と聞いてみた。乗っていたのは国内線だし、まさか外国ではないだろう。
「Yahoo村でございます」
Yahoo村とは、何県だろう。
「この度は悪い魔法使いを退治して下さってありがとうございました」
「悪い魔法使い、退治って何」
白装束の1人が指差すのを見ると、飛行機の下から白装束の一部、そして黒い足がニョキッと出ていた。黒い足は銀の靴を履いていた。墜落した飛行機の巻き添えを食ったとは、かわいそうに。
「ここはどこですか」
と聞いてみた。乗っていたのは国内線だし、まさか外国ではないだろう。
「Yahoo村でございます」
Yahoo村とは、何県だろう。
「この度は悪い魔法使いを退治して下さってありがとうございました」
「悪い魔法使い、退治って何」
白装束の1人が指差すのを見ると、飛行機の下から白装束の一部、そして黒い足がニョキッと出ていた。黒い足は銀の靴を履いていた。墜落した飛行機の巻き添えを食ったとは、かわいそうに。
白装束の1人は銀の靴を黒い足から外し、マイコの足元で揃えた。
「よろしければ履いて下さい」
マイコは靴を履いていなかった。飛行機の中で脱いでしまっていたからだが。
「他の、飛行機に乗っていた人は」
「あの鉄の乗り物にお乗りだったのはあなた様だけでしたよ」
そんなはずはないが、墜落前にみんな投げ出されてしまったのだろうか。あるいは飛行機の中にまだいるかも知れない。
「あれをどけて中を探させてくれない」
「そんなことして魔法使いが生き返ったら大変です。どうかご容赦を」
でもまだ誰か生きているかも知れないではないか。
「よろしければ履いて下さい」
マイコは靴を履いていなかった。飛行機の中で脱いでしまっていたからだが。
「他の、飛行機に乗っていた人は」
「あの鉄の乗り物にお乗りだったのはあなた様だけでしたよ」
そんなはずはないが、墜落前にみんな投げ出されてしまったのだろうか。あるいは飛行機の中にまだいるかも知れない。
「あれをどけて中を探させてくれない」
「そんなことして魔法使いが生き返ったら大変です。どうかご容赦を」
でもまだ誰か生きているかも知れないではないか。
マイコは飛行機の裂け目から中をのぞいた。座席も荷物入れもむき出しになっているが、人の姿も荷物らしい物もない。確かに、元々自分しか乗っていなかったように見える。
(わかった、これは夢だ)
飛行機が揺れる中で眠ってしまい、夢を見ているのだ。マイコには普段から、やたら複雑なストーリー性のある長い夢を見る癖があった。これもきっと夢に違いない。そう思ったら気が楽になった。
「村長も喜んでおりますので御礼の歓迎会などを催したく存じます」
夢だ。夢なんだからいいや。マイコは白装束の後をついて行った。(続く)
(わかった、これは夢だ)
飛行機が揺れる中で眠ってしまい、夢を見ているのだ。マイコには普段から、やたら複雑なストーリー性のある長い夢を見る癖があった。これもきっと夢に違いない。そう思ったら気が楽になった。
「村長も喜んでおりますので御礼の歓迎会などを催したく存じます」
夢だ。夢なんだからいいや。マイコは白装束の後をついて行った。(続く)
登場する団体、人物名は全て架空のもので、実在のものとは無関係です。それから、当方飛行機には何年も乗っていないので
「そんなアナウンスはしません」
などの指摘はしないで下さい。
「そんなアナウンスはしません」
などの指摘はしないで下さい。
5月29日の記事。この記事の直後、外国でしたが乱気流に巻きこまれた航空機の報道を見てビビリました。