南都下大学入学式が盛大に開催された日の午後1時、総合情報学部長室前に、新入生のイズミがいた。長い廊下。窓の外からグラウンドが見下ろせた。
コンコン、とドアをノックし、開いた。
「失礼いたします」
センスの悪い黒縁眼鏡の中年男性が、真正面に腰かけている。
「入学おめでとう、イガラシイズミ君」
「ご配慮ありがとうございます。カメイ総長」
「ここでは学部長だ」
「申し訳ございません」
恩人に向かって、頭を下げる。
コンコン、とドアをノックし、開いた。
「失礼いたします」
センスの悪い黒縁眼鏡の中年男性が、真正面に腰かけている。
「入学おめでとう、イガラシイズミ君」
「ご配慮ありがとうございます。カメイ総長」
「ここでは学部長だ」
「申し訳ございません」
恩人に向かって、頭を下げる。
身に覚えのない殺人事件の犯人という汚名を着せられ、逃亡の身となったイズミは、夜の街をさまよっていたところをこの男に拾われ、特殊訓練機関にあずけられた。新しい名前、新しい顔、新しい経歴と身分が与えられ、新しい人生が始まる。
「私がこの大学に赴任して第1回の卒業生を昨春出したが、その社会的評価は極めて高い。早くも起業する者もいる」
「はい、それも学部長の手腕とお力添えゆえ」
「卒業生のネットワークもしっかりしている。やがて社会の中枢へ進んでくれるだろう。しかし人数が増えてくると裏切り者も出てくる。そこでイガラシ君、君の使命は」
「裏切り者の抹殺」
カメイは部屋の隅に置かれた縦長の肩掛けカバンを指した。
「必要な武器及び機材はそこに入っている」
イズミはバッグを肩に背負った。
「私からの指示、君からの連絡は、携帯メールに専用URLを転送しておいたので、そこからID、パスワードを入力して適宜確認するように」
イズミは学部長室を出て、エレベータで1階に下りた。
「私がこの大学に赴任して第1回の卒業生を昨春出したが、その社会的評価は極めて高い。早くも起業する者もいる」
「はい、それも学部長の手腕とお力添えゆえ」
「卒業生のネットワークもしっかりしている。やがて社会の中枢へ進んでくれるだろう。しかし人数が増えてくると裏切り者も出てくる。そこでイガラシ君、君の使命は」
「裏切り者の抹殺」
カメイは部屋の隅に置かれた縦長の肩掛けカバンを指した。
「必要な武器及び機材はそこに入っている」
イズミはバッグを肩に背負った。
「私からの指示、君からの連絡は、携帯メールに専用URLを転送しておいたので、そこからID、パスワードを入力して適宜確認するように」
イズミは学部長室を出て、エレベータで1階に下りた。
1階ロビーを、やはり新入生らしい女の子がうろうろしていた。彼女はイズミを見て
「同じクラスの人ですよね、201教室ですよね」
と話しかけてきた。
午後はクラスごとに集まるのだった。そういうのはなるべく顔を出して、多くの人間と親しくなっておかなければ。広く、浅く。
「よく私が同じクラスだってわかりましたね」
「番号が私のひとつ前だったし、女子は少ないし」
この子もいずれカメイの手先になるだろうか。
「そうですね。女子が少ないから仲良くしましょう。えっと」
「イトウマイコです」
「イガラシイズミです」
まだ耳に慣れないその名前を、口にするのは気恥ずかしい。2人並んで、2階に向かって階段を昇った。背中のバッグが、重い。
「同じクラスの人ですよね、201教室ですよね」
と話しかけてきた。
午後はクラスごとに集まるのだった。そういうのはなるべく顔を出して、多くの人間と親しくなっておかなければ。広く、浅く。
「よく私が同じクラスだってわかりましたね」
「番号が私のひとつ前だったし、女子は少ないし」
この子もいずれカメイの手先になるだろうか。
「そうですね。女子が少ないから仲良くしましょう。えっと」
「イトウマイコです」
「イガラシイズミです」
まだ耳に慣れないその名前を、口にするのは気恥ずかしい。2人並んで、2階に向かって階段を昇った。背中のバッグが、重い。
500記事目はカッタウェイさんのリクエストにより、妄想シリーズ・イズミ外伝。3連休だから、みんな家にいないのではないかと余計な心配。
9月16日の記事。今日も3連休中でした。Yahooでは500記事目でも、アメブロ版では429記事目。あれ、そんなに少なかったっけ。この頃、ただの野球の実況中継みたいな記事が続きますが、これはさすがにリアルタイムでないとどうかと思いまして写していません。