ノボルが身元保証人として迎えに来てくれた。連絡先を書かされ、やっと解放された。マイコが連れて来られたのは警察ではなく、研究所のような場所だった。
 ヤマザキという男に、なぜか大学時代のことと、友人のこと等を聞かれた。イズミと連絡が取れたら知らせるようにとも言われた。これではスパイだ。しかし家族ならともかく友人を隠して何かの罪に問われたら大変だ。女の友情などはかないものだ。
 
 手なづけるつもりか、限定品のキレンジャーカレー をおみやげにくれたので悪い気はしないが。
「大丈夫だった」
「大丈夫じゃないわよ。警察に取り調べ受けるなんてショック」
「ここ警察じゃないよ。公安の秘密組織だから」
「こうあんかつぶあんか知らないけど警察手帳もっていたよ」
マイコはノボルの乗ってきた車に乗りこんだ。
「なぜホストクラブにいたの」
「あ、え、イズミが1度言ってみたいからつき合ってくれって」
ここは悪者になってもらわねば。だいたいイズミが自分を置いて逃げるからこんな目に合ったのだ。
「これに懲りたら2度と行かないことだね」
「はい」
久しぶりに会ったのに、気まずい。ホストクラブの入り口が爆発するなんて誰が予想するだろうか。
 
 ヤマザキが言うには、あの事件は犯行予告があったため、まさかと思いながらも張っていたという。言われてみれば、イズミは店内でも様子がおかしかった。携帯で店内を撮影したり、ネットを見たりメールばかりしていた。
 やろうと思えば誰かに何か頼むことだってできたはずだ。時間を気にして早く店を出ようとしたことも、店内を出た途端全力疾走と言い出したことも、何もかも怪しく思えてしまう。
 マイコはイズミの携帯に電話を入れたが、留守番電話サービスにつながった。
 
 
 強引にカレーを入れただけでした。
 
 
 7月12日の記事。マイコは餌付けされるキャラに。そして、世界征服をねらう巨大な悪の組織の陰謀が、なかなか思いつかないのでした。