カーチェイス、といきたいところだったがあいにく高速は渋滞だった。カウンタックといえどそうそうスピードは出せない。
「煙草吸ってもいいかしら」
助手席からマユミが聞いた。
「駄目だ」
「どうして」
「女の煙草は許さない主義だから」
「保守的ね」
マユミは時計を気にした。この渋滞では、最終便に間に合わないかも知れない。
「自首しないか」
トオルは言ってみた。
「馬鹿なこと言わないで」
「いい弁護士を紹介するよ。君の立場なら執行猶予つくだろう」
「お断りよ。それとも最初からそのつもりで」
「違うよ、悪かった」
会話を止めるつもりでラジオをつけた。交通情報が流れる。気まずい沈黙のまま、時間だけが過ぎていく。
マユミのバッグの中で携帯が鳴った。マユミのではなく、トオルから取り上げた携帯だった。マユミは黙ってその携帯をトオルに渡した。トオルは応答したが
「わかった、今あまり話せないから」
と一方的に切った。
「君の大好きな社長が、逮捕された。君のマンションにも家宅捜索が入る」
「私は、どうなるの。逮捕されるの」
「どうする。このまま逃げようか」
高速出口が近い。高速を出れば空いた道に出られる。行き先を選ばなければ。
「一緒に逃げてくれるの」
「いいよ」
マユミはそっぽを向いて窓の外を眺めた。トオルは隣の車線が空いたのを見て、車線を変更し、前の車を追い抜いた。
今年は月1回くらいは妄想小説書こう、と目標にしています。妄想ではなくてちゃんと小説を書こうと思ったら、カウンタックの運転席がどんな風になっているか調べたりとか、モデルになる高速道路をちゃんと走ってみたりとかしないといけません。設定をしっかりしようとすると、小説を書くというのは結構大変です。(書く気か?)
免許を持っている人に、自分が運転できなくても頭文字Dのような暴走シーンが描けるか聞いてみましたが、それは無理だろうということです。ハンドルとブレーキとアクセルくらいしか知りません。拳銃は撃ったことあるんですが。外国で。
2月5日の記事。月1回くらいは書こう、というからには今月(5月)も書かないとな。3万打記念が定番企画になってしまいました。