「アスペルガー的ビジネス用語講座」のシリーズで私は定型発達者の「嘘」のメカニズムを解明しようとしました。コミュニケーション上の嘘を見抜く力のない私たちはそれを「雰囲気」ではなく「知識」で理解するしかありません。いやな感じに見えても、正常に見えるコミュニケーションを取りたいと必死です。
コメントの中に、定型発達者の考える嘘と私の言う嘘は概念が違う、という指摘がありました。微妙に言葉の意味の理解にズレを感じることはよくあるので、多分そうなんだと思います。
言葉尻にこだわる理屈っぽい、うっとうしい私に言葉という正攻法で向かおうとする人はとても少なく、よき訪問者に恵まれたことに感謝しています。
定型発達者は
「言葉と行動が違ったからといって必ずしも嘘ではなく、相手の言葉の裏に騙そうという意図があることを知った時に初めて嘘と認定する」
のだそうです。この件はまだ続きがあるようなのですが、もちろん、例えば
「約束したけれど後で都合が悪くなった」
なら私だって嘘とは思いません。しかし約束したつもりだったのに、
「あれ、本気にしていたの、冗談だったのに」
と言われたらそれは怒ります。
患者に本当の病名を言えない医者、当社は来年一部上場しますと毎年説明会で語る会社、この健康食品で10kgやせましたという広告、理由のある嘘はわかります。見抜くこともできます。
冗談、お世辞、社交辞令、不可解な嘘でいっぱいの世の中とつながる手段はそれでも言葉しかありません。少なくともこちらは心のつながりが少しはあったと信じた会社の上司、同僚の嘘に、私は混乱します。私の問いかけにある人は
「社会人でしょう」
とあきれ、ある人は黙りこみます。
(頭悪いんじゃないの)
(困ったちゃん)
(変人)
さすがの私もそのあきれ返った表情からわかります。
「嘘を言ったつもりではなかったんだよ」
本当のことを言ったつもりだったんですか。なぜ嘘に変わったんですか。本当でも嘘でもないことを何と呼ぶのですか。あなたの言葉がわかりません。
わからなかった私が悪いのですから恨んだりしません。ただ信じた間抜けな自分自身に傷つきます。騙されることそのものより、そのことで人の言葉を信じられなくなっていくこと、心が汚くなっていくことが怖いです。
トラックバックした記事(現在は削除)にある言葉。
>コミュニケーションがうまくいかなくなる原因って、結局は「うそ」が発端になることが多いと思うのです。
>コミュニケーションに王道などなく、ただ本当のことを言うしかないのだと思います。
それは「本当」なんですか。騙そうとする意図がなく、結果的に言葉と行動が違っている「本当」も含まれるのですか。皆様はどう思われますか。
4月23日の記事。コメント欄で「嘘」について追求を受けて少々情緒不安定気味です。この記事にはトラックバックがありました。Leaving Hopeのミリアム嬢の記事「嘘でも真でもない言葉 」、ここに既に自己PR語の概念が描かれていました。
やはりAS当事者であるミリアムさんは、私より先にこのことを知っています。それを追求しだすと混乱することもご存知です。私はあえて追及し、混乱したあげく、自己PR語にたどりつきましたが、それはそれでよかったと思います。そうしなければ たどりつけませんでしたから。
この時はブカブカ語という分類を教えていただいたので、早速脳内カテゴリーに新設しましたが、そうするとほとんどの言葉は判断に迷ってブカブカ語に放りこまざるを得ないのです。現在は、自己PR語にも入れられない場合のみ、ブカブカ語に入れています。かなりすっきりします。