新潮文庫「自閉症だったわたしへⅡ」に著者が1冊目の本を書いた後マスコミのインタビューを受け、混乱するシーンがあります。
インタビュアは著者に、あなたの症状には母親の虐待も関係しているのでしょう、と聞きます。著者が何度否定しても
「影響はあったでしょう」
と繰り返し聞きます。私はここで正視できずに本を投げ出します。本の中の著者と一緒に混乱します。
なぜ言葉が通じていないのだろう。こちらの言葉を聞く気がないならインタビューなどしなければいいのに、なぜ自分が正しいと信じている言葉しか聞こうとしないのでしょう。
この本は読むのに体力がいります。10ページごとに過去がフラッシュバックしてきて私は本を投げ出します。長期記憶がいいと言えば聞こえはいいのですが、いやなことが忘れられません。何かの弾みで繰り返しよみがえります。
私は多くの自閉症の人と同様、身体を触られるのが苦手ですが、日本の50歳以上の男性(会社員なら60歳以上)にはセクハラ概念が浸透していないため、人格に関わりなく、女性の身体に触れることを全然悪いと思わない人がいます。手や肩や頭なら問題ないと考えるようです。(該当する方ごめんなさい。もちろんそうでない方もたくさんいらっしゃいます)
場面は変わって友人と世間話。
私「おじさんに眉触られて気持ち悪かった」
友「それはおじさんだからで、好きな人ならいいんだよね」
私「好きな人でも眉触られるのやだなあ」
友「違うな、好きな人ならむしろうれしいんだよ」
世間話ルール第3条「2回否定されたら相手を立てる」により、うなずくしかありません。
心にもない肯定をしたことで、眉を触られた時の気持ち悪さがフラッシュバックしてくると共に、なぜ自分の言葉が否定されたのか、信じてもらえなかったのかという悲しみに心の中が渦を巻きます。私は心優しい女友達に「セクハラおやじって本当にいやよね」と賛成して欲しかったのです。自分と他人は違うのですから賛成してもらえると思う方が間違っています。
世間話とは、会話がスムーズに進めば内容は嘘で構わないのでしょうか。懸命に、
「私は好きな人であっても眉を触られるのはいやだ」
と論を展開しても場がしらけるだけです。世間話は話題を選ばないとストレスがたまります。
「そうだよね、気持ち悪いよね」
と賛同してもらうことなど期待してはいけません。
フラッシュバックと戦いながら、私は自分と向き合うためにこの本を読みます。いつになったら読み終わるんでしょう。Ⅲも買ってありますがなかなかたどりつきません。
3月5日の記事。この本のインタビュア、やな感じでしたが、相手の結論を予測して話しかけてきて、否定してもそちらの方向に持っていこうとする人いますね。著者は外国人なので、日本よりスキンシップに苦労するようです。ハグとか握手とか、いやですね。
日本人は人の身体にやたら触る文化がありませんが、おっさんのセクハラと、指摘すると逆ギレするのはどうにかなって欲しいものです。