嫌われる女性芸能人第1位さとう珠緒。それまで何とも思っていなかったのに、ランキングに出ると本当だ、感じ悪いわね、と思うようになるから不思議です。(ファンの方ごめんなさい)
 あの声、イントネーション、話し方、動作が見る人の怒りを誘発することは誰しも認めるところです。ここが問題なのですが、話している内容や言いまわしは二次的三次的なもので、人の感情に触れるのは、声、イントネーション、話し方、動作なのです。
 同じことを寸分違わず言っても、小宮悦子が言うと立派でさとう珠緒が言うと何言ってるんだこのヤローです。

 私も自分の障害を知るまではこのことに気づかず、言いまわしが悪いのかと悩みました。話し方教室に通ったり「感じのいい会話術」みたいな本やマナー本をたくさん読み、柔らかい言いまわしをマスターしました。それでもうまくいきません。
 怒らせてしまった人が落ち着いている時に会話を再現して自分の言いまわしのどこがいけなかったのか聞いたら、わからないと言われました。ここまでつき合って下さる方はまれで、通常は聞こうとしてもまた怒らせてしまうだけでした。
「こう言えばいいのよ」

と言いまわしをアドバイスして下さる人もいましたが、私は

「直しても直しても変わらない。あなたに言われたようにしても同じ、これ以上どうしたらいいの」

とその人にあたる始末です。自分のどこが人の神経を逆なでするのかわからず、直そうとすればするほど追いつめられていきました。
 たまに、

「言っていることは間違っていないけどタイミングが悪い」

と今思えば非常に的を射た指摘を受けたこともありました。言いまわしはまだしもタイミングなんてどこを見ればいいのかわかりません。健常者にはタイミングを計って発話するという、私にはない超能力があることを知らなかった頃です。

 私を感じのいい人と言ってくれた人もいました。私の声が好きだと言って下さった人もいました。
 アスペルガー症候群はしゃべり方でわかる、とドクターはおっしゃっていました。テレビで見たアスペルガー症候群の女性のしゃべり方は私にそっくりです。セリフを忠実に書き取ればそんなにおかしいことを言っていないのに、ふてくされたような、何様かというような、少し間の抜けたような聞こえ方です。こういう声の人だと思えば確かに気にならないけれど、何かのはずみで逆鱗に触れてしまうあの声です。テレビの女性の感じの悪い受け答えを聞きながら私は泣きました。

 同じように、私の声、イントネーション、話し方、動作は多くの人たちにサブリミナル効果をもたらし、怒りを誘発します。馬鹿にしている、ふざけている、偉そう、落ち着いて話そうとすればするほど独特な発音の特徴が際立ちます。
 周りの人は一応「こういうしゃべり方の人」と私を認めてくれていますが、何かのはずみに奇妙な発音が相手の感情に触れることがあります。その時その人は発音ではなく、私が話している内容や言いまわしに怒っているのだ、と自分でも思っていらっしゃるようです。

 私の障害には矯正可能なもの(発音、動作等)と矯正不可能なもの(部分から全体を理解する能力、雰囲気を読んで発話のタイミングをはかる能力等)があります。発音や動作を矯正するだけでもかなりコミュニケーション能力は高まると教えられ、ようやく希望が持てました。
 私の年齢からの発音矯正は困難には変わりなく、どこまで治るかわかりません。普通の人と同じレベルにはおそらくなれません。それでも普通に近くなりたいです。切実です。

 このブログを読んで下さっている心優しい健常者の方は、「発音くらいだったら周囲が理解すれば済む話ではないか」と思って下さるかも知れません。実際そうです。方言の強い人や耳の不自由な人の発音に誰も腹を立てたりしないように、理解を得られれば普通に生きていけます。
 障害者扱いして欲しいと言うつもりはありませんが、いっそ障害者というカテゴリーに入った方が理解は得られやすいのかなという気はします。
 理解者が増えることで同じ障害を持つ人が暮らしやすい社会になればと願いますが、中途半端な理解が差別を助長しないかと心配です。今の社会でこいつ自閉症じゃないの、と思われたら普通には生きていけないからです。

 最後になりますが、私の話し方や動作はさとう珠緒とは全然違います。念のため。

 

 

 2月22日の記事。これも繰り返し登場するテーマです。文字で表すにはかなり微妙で、なかなか伝わりません。フレーズの問題でなく、話し方や声が何となく感じ悪い人って現実で何人か思い当たりませんか。