2月26日にZoomで開催された「音声学セミナー」

山寺宏一さんについてのお話もあるかも?ということで受講してみました。

 

 

第31回 音声学セミナー

「みんなで学ぶ音声学: 演じる人も・歌う人も・診る人も・そうでない人も」

 

>主催:日本音声学会 音声学普及委員会
日時:2月26日(土)10:00-12:30
テーマ:みんなで学ぶ音声学: 演じる人も・歌う人も・診る人も・そうでない人も
概要:本セミナーでは、声についての学問である「音声学」のエッセンスを分かりやすい形でお伝えします。続いて、演技・声楽・医療の立場から音声学を実際に活用されている3人の専門家からのお話しをお聞きします。その上で、参加者全員で「声とは何か」「声について学ぶとどんな世界が見えてくるのか」を探りましょう。前提知識は必要ありません。音声学を通して様々な分野の人たちが交流することを目指したいと思います。
講師:川原繁人(慶應義塾大学)、長塚全(Zen Voice Factory)、田中朋子(声楽家)、鈴木祥(昭和大学病院)
会場:Zoomによるオンライン開催
受講料:会員無料、非会員一般2000円、非会員学生1000円

 

 

田中朋子さん

>2月26日(日)日本音声学会音声学セミナー
講師は川原繁人先生、長塚全先生、私の国立音大声楽科同期で米国で声楽、声楽教育専攻して現在は【言語聴覚士】という素晴らしいキャリアの鈴木祥さん、そして私です。
 

川原繁人さん 

>>プリキュアと哺乳行動とハッシュドビーフと北山陽一さんと山寺宏一さんと歌と演技と医療の話です

 

非会員も受講可能でした。上記の川原先生のツイートを見て、ものすごくミーハーな動機で参加しましたが、大変面白かったです。音声学の基礎から、他分野への応用のお話など。

川原先生の1時間の講義のうち、12分程が山寺さんの発声についての解説でした。

 

「音声学」 1月21日

 

上記ブログ内の引用にもあるように、北山陽一さんから山寺さんを紹介されて、リモートで打ち合わせをし、音声学のツールを使って長塚さんと共同で分析されたようです。

主に「フラッシュキャラ変」の動画を元に、山寺さんが演じられたキャラの声について、喉頭の断面図、波形、スペクトログラム(声紋)、メル・ブランクの声帯画像などを用いて解説してくださいました。

 

チーズ、カバお、ヤッターワン、銭形警部、加持リョウジ、響良牙、ジム・キャリー

(質問コーナーではかまめしどん、方言や鼻濁音についても)

 

ジム・キャリーの吹替「パーティタイムだ!」について:

英語ではp・t音は大きく息が流れる(帯気)。山寺さんは別に音声学をやった訳ではないのに、「ジム・キャリーが日本語を喋ったら」ということを考えて、p・t音の発音をアメリカ人っぽくしている。音声学をやっているとわかるが、「つまり・・・すごいなと(笑)」

という解説も面白かったです。

 

山寺さんがゲスト講師として参加されたオンライン授業の映像も少しだけ。多分今回のように川原先生が山寺さんの声についての分析を発表されたのだと思います。最後に「やってみたい!国の宝になるであろう。」というタイトルの画像とともに、「山寺さんの声帯の様子、MRIも録りたいし、息の流れも測りたいです」「以上です」と仰って、授業をしめておられました。

それを聴いていたオンライン画面の山寺さんが、拍手しながら「素晴らしい。すごいなあ、先生、あれから、リモートで話してから、ずっとこんなことされてたんですか?(笑)」と。

川原先生「ずっとやってましたね。他の仕事が手につきませんでした(笑)」

山寺さん「なんかすみません。今の講義を一番楽しんだのは僕自身だと思います」

川原先生「ほんとですか、良かったあ」

 

山寺さんのコメントは川原先生にとって嬉しいものだったようで、今回のセミナーでは「ここの部分(山寺さんの最後の言葉)を切り取って、落ち込んだ時、見るようにしています(笑)」と仰っていました^^

 

長塚先生の講義では様々な発声の実演も。「山寺さんを分析させて頂いた結果、とにかく発声器官の柔軟さが、群を抜いている。レジェンドと言われる所以がよくわかる。僕ができない動きがあるぐらい、すごい素晴らしい動きを、していました」というお話もありました。

 

 

セミナー後のツイート

 

山寺さんは「自分がどんな声を出せるか」を、独自で研究・開発・練習されてきた方なんだなと、改めて感じました。

ドナルド・ダック、スティッチ、野獣、テルミン、ハト、携帯のバイブ音など、山寺さんの非常に特殊な発声についての分析も、いつか聞いてみたいかも。

https://www.youtube.com/watch?v=4dlXWuiysQQ